カデーニャ

中国のIoTホームゲートウェイはムード照明も兼ねていた

 小米(シャオミ)科技という企業をご存じでしょうか? 2~3年前に中国でシェアトップを取っていたスマートフォンメーカーで、安くスタイリッシュでパワフルなスマートフォンを作るということで人気がありました(今は少し苦戦しているみたいですが)。

シャオミ ホームゲートウェイ:149元(約2,400円、参考販売価格)。正面はスピーカーでネットラジオを流せる

 中国に行く機会ができたので、そのショールーム「小米之家」に立ち寄ったところ、驚きました。小米科技は今やスマートフォンメーカーではなく、ほとんど家電メーカーになっているのです。ショールームではスマートフォンの売り場面積が全体の4分の1程度。他は床をはうロボット掃除機、50インチ以上の液晶テレビ、スマート扇風機、スマート体重計などが占めています。ゲートウェイやさまざまなセンサーからなる家庭向けのIoTネットワークキットもありました。そして、これらが見ているうちにどんどん売れていきます。

 お値段は、ホームゲートウェイが149元(約2,400円)、温湿度センサーが49元(約800円)、照度センサーが59元(約1,000円)、LED電球が99元(約1,600円)と、お手頃です。私も釣られていくつか買い込んでしまいました。電波法の関係で中国国内でしか使えないのに……。

 まずは、ホームゲートウェイをホテルで使ってみました。漢字で書くと「多功能網関」。家庭内のセンサーへは低消費電力なZigBeeで通信し、そのデータを宅内Wi-Fiでスマートフォンとやりとりします。

設置は簡単。コンセントに挿すだけ

 小米の家電は全て、Androidスマートフォン用の「Mi Home」というアプリで統一的にコントロールできるのが特徴。このゲートウェイとセンサーを設置すれば、外出先からも自宅の室温を確認したり、ドアがしまっているか、灯りがついているかなどを検知できます。

小米の家電は「Mi Home」という一つのアプリで全てコントロール

 しかも、このホームゲートウェイ自体がLED照明兼インターネットラジオ受信機となっていてオシャレなんです。設置はコンセントに直差しするだけと簡単で、寝室にセットしておくのも良さそう。

 照明は明るさ、色合いなどもMi Homeアプリから自在に変えられます。白色も電球色も夕暮れ風も自由自在。心を静めたいときは青、情熱的に迫りたいときはピンクとか(いやーん)。インターネットラジオ機能には中国のラジオ局しかセットされていませんが、ムード音楽を流すチャンネルももちろんあります!

場末の酒場みたいな怪しい色……。でも照明の色を変えられるのは楽しいですね

 それにしても、ホームゲートウェイと電灯を一体化するというのは良いアイデアではないでしょうか。さりげないですし、調光自在な室内灯としてもなかなか楽しいですし。日本でも、遊び心あるIoTホームゲートウェイが出ないかなあ……。そんな風に思う、中国でのホテルの一夜なのでありました。

この記事は、2017年8月7日に「カデーニャ」で公開され、家電Watchへ移管されたものです。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身のライター。88年、パソコン誌「Oh!X」(日本ソフトバンク)にて執筆開始。PCやスマートフォン、モバイル関係のQ&A、用語解説、プログラミング解説などを書く。代表作は「ケータイ用語の基礎知識」(インプレス・ケータイWatch) Oh!X誌上では「オタッキー(で)」とも呼ばれた、その筋人。最終学歴は東海大学漫画研究会。ホームページはhttp://ochada.net(イラスト : 高橋哲史)