【ミラノサローネ2011】
世界最大級のデザインイベント「ミラノサローネ」が12日に開幕

ミラノサローネの会場となる「Fiera Milano」

 4月12日、世界最大級のデザインの祭典「ミラノサローネ」が、イタリア・ミラノで開幕した。

 ミラノサローネは、毎年30万人前後が参加する、世界最大規模のデザインイベント。一口にミラノサローネと言っても、実際には多数のイベントの複合イベントになっている。

 この中で最もビジネス色が濃いのは、ミラノの郊外・ロー市にある巨大展示会場「新見本市会場」で行なわれる見本市「サローネ国際家具見本市」と「サローネ国際インテリア小物見本市」。正式名称「i Saloni Milano」と呼ばれるこちらのイベントは、今年で50周年を迎えるが、まだまだ活発で若い精神を持ち続けているとしてあえて ”50years young” を標語として掲げていた。

 新見本市会場では、これらと併設する形で、世界中の新人デザイナーが出展を行なう「SaloneSatellite(サローネサテリテ)」が開催される。このほか、2年おきに行われるイベントとして、「Euroluce(エウロルーチェ・サローネ国際照明見本市)」、「Eurocucina(エウロクチーナ・サローネ国際キッチン見本市)」、「SaloneUfficio(サローネウッフィーチヨ・サローネ国際オフィス家具見本市)」、「Salone Internazionale del Bagno(サローネ国際バーニョ(バスルーム)見本市」も併催される。従来通りなら今年は「Euroluce」だけの年だが、50周年という意味合いもあってか、今年は上記のすべてのイベントが同時開催する。

 期間中はこれらに加え、ミラノの市内でもインテリアショップや美術館、イベント会場や大学、空きビルなど、数百カ所で同時にイベントが行なわれる。イタリアのデザイン雑誌「INTERNI(インテルニ)」が、これらのイベントを「FuoriSalone(場外サローネ)」として総括するガイドを発行し、昨年からはiPhoneアプリケーションによるガイドも提供している。これらFuoriSaloneのイベントが行なわれている場所は、ミラノの中央から東側に寄っているが、実はその後、南西の工業地区であるトルトーナでも、空き倉庫などを使ったデザインイベントが増えてきている。

Alessi社ではリビングに置いて使うAndroid OSベースの情報端末「ALESSI TAB」を披露していたキヤノンが毎年行なっているNEOREAL展のようす。今回は建築資材の水糸(0.5mm×16m[直径×長さ])に映像を映し出した
照明を扱う「EUROLUCE」展では、多くの照明展示がLED中心に変わっていた新人デザイナーが集う「サローネ・サテリテ」では、自由な発想でつくられたインスタレーション作品などが目を引いた

サローネの会場には「FIGHT JAPAN」という落書きがあった

 日本からの参加者については、イベントを運営するコズミット社によれば、震災の影響で激減しているということだったが、サローネサテリテの会場では、筆者が確認しただけでも、7組以上のデザイナーがブースを構えて出展していた他、FuoriSaloneでも東芝、キヤノン、KDDIといった企業が独自のイベントを開催している。

 なお、ミラノ市のほぼ中央にあるトリエンナーレ・デザイン博物館の受付では、老舗家具メーカーのマルニ木工社代表取締役の山中武とデザイナーの深澤直人さんらの呼びかけで、東日本大震災のための赤十字への募金を呼びかける紙と募金箱が置かれていた。

 家電Watchでは、特にEuroluceとEurocucinaでの最新トレンドや、FuoriSaloneでの日本企業の活躍を中心にレポートを行なう。




(林 信行)

2011年4月20日 00:00