やじうまミニレビュー

HILE「Kapu(カプ)」

~パッケージに挟んで収納できるフィンランド生まれのコーヒースプーン
by 阿部 夏子


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


HILE「Kapu(カプ)」

 先日、ドリップコーヒーをおいしく淹れられるツールを手に入れてから、色々なコーヒー豆を試している。ドリップで丁寧にコーヒーを淹れていると、豆による香りや色の違いにすぐ気がつくので、豆選びが楽しいのだ。最近、特にはまっているのが、長野県の丸山珈琲の豆。私と同じくコーヒー好きの母に勧められてからは、ここの豆ばかり買っている。

 丸山珈琲の豆は、品質にこだわったスペシャルティコーヒーで、焙煎や密封方法にもこだわっている。購入時に豆が入っている遮光性、防湿性、酸素を通しにくいというジッパー付きの保存袋を使い、冷凍庫での保存を推奨している。おいしいコーヒーを飲むためならこれくらいは訳ないのだが、コーヒーの計量スプーンの置き場所がなくなってしまったのには困った。

 これまでは大きな密閉容器にコーヒー豆を移して、計量スプーンもその容器の中に収納していた。しかし、丸山珈琲の保存袋はそれほど大きいものではないので、計量スプーンを入れておく場所がなく、そのたびに計量スプーンを出してこなければならない。小さいことだが、毎朝、毎夜の事なので、ちょっとしたストレスを感じていたのだ。

 そこで見つけたのが、HILE(ヒレ)の「Kapu(カプ)」という製品だ。保存袋に挟んで収納しておける計量スプーンなのだが、あたたかみのある木の素材感とデザインが気に入った。HILEは、世界で最もコーヒーの消費量が多い国として知られるフィンランドのデザイナーがデザインしたもので、一点ずつ手作りされている。


メーカーHILE
製品名Kapu
希望小売価格オープンプライス
購入場所Assist On
購入価格3,570円


 本体はコンパスを閉じた形といっていいのか、ピンセットを閉じた形といっていいのか、とにかく独特の形をしている。素材は木で、薄い板を何枚も重ね合わせて作られている。北欧らしい、優しい感じのデザインだ。
製品パッケージ製品本体側面にはブランドロゴが刻印されている

 Kapuには、コーヒーの計量スプーンと、豆の袋を閉じておくという2つの役割があると英文にて表記があったが、実際使ってみると、木製で、可動するところはないし、Kapuを使って袋を閉じるという使い方はあまり現実的ではないように感じた。特にコーヒーの保存においては、密封性というのはとても重要なので、今回のように既に密閉された袋に引っかけておいておける計量スプーンと考えた方がいいだろう。

パッケージに挟んだところを上からみたところ。すき間が空いているのでしっかり密封できない丸山珈琲のパッケージの場合、密封するには長さも足りなかった

 いざ使おうと思ったところ、これまで使っていた計量スプーンに比べてずいぶん大きさが違っているのに気がついた。おいしいコーヒーを淹れるには、コーヒーの量も重要だ。どれくらい違うのが、実際に測ってみた。結果は以下の通り。これまで使っていた「HARIO」の計量スプーンが1杯9gだったのに対し、Kapuは4gと半分以下の量だった。これまでHARIOの計量スプーンで1杯1人分と計算していたので、Kapuで測る場合は、1人分だいたい2杯くらいが目安となる。使い始める時には量に注意したい。

これまで使っていたHARIOの計量スプーンと比べたところ。厚みがかなり違うHARIOの計量スプーンでは1杯9gだったKapuでは1杯4gだった

 使い始めて見ると、丸山珈琲の保存袋のために作られたんじゃないかというくらいサイズもデザインもぴったりで、使い勝手も良い。コーヒーの量を量ったら、すぐに袋に挟んで収納できるので、なくしてしまったりすることもなさそうだ。木製なので、水洗いは避けて、コーヒー専用として使うのがベストだろう。

 ちょっと気の利いたデザインと使い勝手で、毎朝のコーヒータイムをスムーズにしてくれるこだわりの一品だ。

先日のレビューでも紹介したCHEMEX(ケメックス)の「Filter-Drip Coffee Maker(フィルタードリップコーヒーメーカー)」と丸山珈琲のパッケージにKapuを引っかけたところ。不思議とデザインテイストが似ていたコーヒー粉を入れたところ




2012年 10月 29日   00:00