やじうまミニレビュー
貝印のシリコーン製のパン型2種を試す
■パンケースに入れるだけで、ホットドッグ型やくびれの入ったユニークな形のパンが焼ける
シリコーン ホットドッグ型(左)と、シリコーン ぷくぷくパン型(右) |
ホームベーカリーの魅力にハマって早3年。自分でこねなくてもいい。自分で発酵させなくてもいい。オーブンを使わなくてもいい。材料をいれるだけで、あとは全部機械がやってくれる! しかも、焼けたパンがこれまたウマい! この便利極まりない調理家電に1つだけ気になる点があるとすれば、それは焼けるパンがすべて食パン型だということだろう。付属のパンケースで作る限り、パンはその中で発酵するので、どうしたってその形になるのだ。
以前ティファールのバケットが焼けるホームベーカリー「ホーム&バゲット」をご紹介したことがあったが、これは衝撃的だった。オーブンがなくても、おいしいバケットが4本焼けてしまうのだ。すでにホームベーカリーを買い求めていた人の中にも、「ホーム&バゲット」の登場に悔し涙を流した方もいらっしゃるのではないだろうか。実は筆者もその一人。「今使っているホームベーカリーはとても気に入っているけれど、たまにはバケットも焼きたい!」
もし、今でもその願いをお持ちなら、今回紹介する貝印の「シリコーン ホットドッグ型」(以下、ホットドッグ型)と「シリコーン ぷくぷくパン型」(以下、ぷくぷくパン型)をお試しいただきたい。お手持ちのホームベーカリーの中で、ホットドッグのような形のパンや、ぷくぷくとしたコルネ風のパンが焼けるのである。
メーカー | 貝印 | |
製品名 | シリコーン ホットドッグ型 | シリコーン ぷくぷくパン型 |
希望小売価格 | 1,050円 | |
購入場所 | 楽天市場 | |
購入価格 | 1,050円 |
「ホットドッグ型」は128×114×142mm(幅×奥行き×高さ)で、半斤分のパン生地でホットドッグ型のパンが3個焼ける。一方、「ぷくぷくパン型」は134×112×142mm(同)で、くびれのあるパンが4本焼ける。いずれも耐熱温度は230℃、耐冷温度はマイナス40℃というシリコーンゴム製で自立するため、ホームベーカリーの“パンケースの中”で使えるというのが最大の特徴だ。
いずれもパンケースに入るサイズで自立する | 上から見た様子 | 下から見た様子 |
■一次発酵後にパン生地を取り出せるホームベーカリーがお勧め
「ホットドッグ型」と「ぷくぷくパン型」が使えるホームベーカリーは、「メロンパン」コースや「ハーフ食パン」コースなど、一次発酵後にパン生地を取り出し、再び戻して焼けるコースのあるものが推奨されている。
たとえば、拙宅のパナソニック製のホームベーカリー「SD-BM102」には「メロンパン」コースがあるが、一次発酵後にクッキー生地を乗せる時間が15分間与えられており、フタをあけてクッキー生地を乗せられる。この機能を利用して、型の中にパン生地を入れて戻すのである。
もし該当するコースがない場合でも諦めるのはまだ早い。オーブンをお持ちの場合は、パン生地作りまでをホームベーカリーで行ない、二次発酵と焼き上げはオーブンで行なうという手もあるのだ。オーブンを使うのだから、そのまま直接角皿に並べればいいような気もするが、多少雑でも均一な形で仕上げられるうえ、パン型が2つあれば、1斤分のパン生地で6本または8本のパンが焼けるというメリットもある。
■「ホットドッグ型」で、もっちりおいしい自家製パンのホットドッグが完成
まず、「ホットドッグ型」を使って「メロンパン」コースで焼いてみた。パン生地は一旦取り出したら、スケッパーで3等分し、内側にバターを塗った型の中に入れ直す。パンケースから羽根をはずし、代わりにパン生地入りの「ホットドッグ型」を入れ、パンケースごとホームベーカリーの中に戻す。あとはスタートボタンを押して待つだけだ。
いつもの食パンの材料を半分だけ入れる | 「メロンパン」コーススタート | クッキー生地を乗せるためのコールが聞こえたら、生地を取り出す |
パン生地はすばやく3等分 | 「ホットドッグ型」に入れて、パンケースへ。慣れると2分もかからない | 再びスタートボタンを押す |
しばらくすると、小ぶりながらも立派なホットドッグ用のパンが焼けた。それぞれに切れ目を入れて、野菜やソーセージを挟めば、ホットドッグが完成だ。ソーセージだけではもったいない気がしたので、ポテトサラダやシーチキンマヨネーズなども挟んでみたところ、実に美味であった。
当初は3個しか焼けないのかと残念に思っていたが、半斤分からの3個なので、1つ食べれば6枚切りの食パンを1枚食べたくらいのボリュームである。間にちょっとしたものを挟めば、1個だけでも結構お腹に溜まる。
パンが焼けた | 生地の分量に差があったらしいが、綺麗に焼けている | 内側は白い。焼けてすぐあわてて取り出そうとしたため、一部はがれてしまった |
具を挟んでみた | 見た目は小さいが、みっしりしっとりしているので、1個でかなり満足できるボリュームに |
■「ぷくぷくパン型」はアレンジ魂が刺激されるユニークな形
「ホットドッグ型」と同じ要領で、「ぷくぷくパン型」でも焼いてみた。ぷくぷくパンは、くびれがあってちぎりやすいパンで、1個分のボリュームとしては8枚切りのパン1枚分に相当する。食パンより携帯性もアップするので、小腹が空いたときにちょこちょこと食べられそうである。
メロンパンコース半斤分のパン生地を作り、4等分する | パン生地入りの「ぷくぷくパン型」をパンケースごと戻す | ぷくぷくパンが焼けた |
外側に面した部分には優しい焦げ目 | 内側に面した部分は白っぽい | くびれている部分からちぎっていただく |
ちぎって食べやすい形が刺激するのか、アレンジしたくてたまらなくなり、チーズ入りのロングソーセージを入れてみた。するとこれが大当たり! 好きなソーセージを入れて焼き上げると、途中でソーセージが焼ける香りが漂い、食欲を刺激されて、手が止まらない。ホームベーカリー1台でここまでできるのだからありがたい。
ロングソーセージを4本用意 | ソーセージをパン生地で巻いてしまう。かなり雑だが、大丈夫 | そのままホームベーカリーに戻して発酵、焼き上げへ |
ソーセージ入りのパンが焼けた | これは持って外に行きたいレベル! | ソーセージ入りでもちぎれるが、どちらかというと丸かじりがおすすめ! |
■実はオーブン派にも便利!
パン生地だけ作り、オーブンで二次発酵から焼き上げまで試してみたが、これはこれで楽しめる。筆者は、もともと二次発酵も成型も面倒に感じていたため、これまで1度もホームベーカリーの「パン生地」コースに手を出したことがなかった。しかし、「ホットドッグ型」と「ぷくぷくパン型」を試すために使い始めたら、楽さとは違う魅力にハマってしまった。
すべてホームベーカリーに任せてしまうと、二次発酵から焼き上がりまでの状態が分からない。しかしオーブンなら、二次発酵後の状態を見られるし、さらに経過も確認できるのが楽しい。状態をみながら調整もでき、成型も楽なので、不器用でも心配なし。1斤分まとめて作れるのも魅力だ。ホームベーカリーに使えるコースがなくても、残念に思う必要はないだろう。
ちなみに、製品の説明書には、オーブンで焼く場合、二次発酵は35℃で60分、焼き時間は170℃で40分という目安時間が紹介されている。筆者はヘルシオ「AX-X2」の付属レシピのパンメニューも参考に焼き比べてみたが、パッケージに書かれた目安時間のほうが仕上がりがよかった。
1斤分のパン生地で、2つの型を同時に焼いてみる | チーズたっぷりのソーセージパンが食べたかったので、「ぷくぷくパン型」用はこんな感じに | パン生地を型に入れて、オーブン内で二次発酵させた(35度で60分)スチーム機能のない器具で発酵させるときは、霧吹きを用意しておこう |
発酵させると十分膨らんでこの通り。期待が高まる | 170度で40分焼いてみた。熱でチーズが吹き出してしまったが、それはそれでおいしそうだった | パン生地の巻き方は雑だったが、このような形のパンができた。形を整える自信のない方にとって、パン型の活用は大いにアリなのだ |
■ホームベーカリーユーザーは使って損なし!
自分が所有するホームベーカリーで、このような形のパンが焼けるとは考えていなかった。シリコーン型を使い始めてからは、総菜パンへの道をひた走り始めそうな勢いで、パン焼きを楽しんでいる。今は「ぷくぷくパン型」にソーセージやチーズを入れて焼いているが、「ホットドッグ型」にカレーを入れたら食べやすいカレーパンにならないか? あんこならどうだ? などと想像は尽きない。
「ホットドッグ型」と「ぷくぷくパン型」は、従来のホームベーカリーに、新しい楽しみ方をプラスしてくれるアイテムだ。ホームベーカリーで作るパンに変化を求めていた方、オーブンがないことでパンのアレンジを諦めていた方にぜひおすすめしたい。
2012年 6月 6日 00:00
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