コクヨS&T「ハリナックス(コンパクト5枚とじ)」

　針がなくても紙が綴じられる文具「ハリナックス」をご存知だろうか。紙の一部をカットして折り込むことで、ステープラー(ホッチキス)のように針を使う必要がない。わざわざ針を詰め替える手間が省けるので、2010年に発売された「ハンディ4枚綴じタイプ」、2011年の「ハンディ8枚綴じタイプ」と、続けて愛用している。

　しかしこのハリナックス、ハンディタイプとはいえど、結構な大きさがある。一般的なステープラーよりも大きいくらいだ。机の上に置いても中に収納しても、面積を占領してしまう。

　そんな中、非常にコンパクトなハリナックスが、今年2月に発売された。その名も「ハリナックス(コンパクト5枚綴じ)」。過去2製品も愛用している“ハリナックス・マニア”としては見逃せない。さっそく使ってみよう。

　コンパクト5枚綴じの本体サイズは27×87×48mm(幅×奥行き×高さ)で、従来のハンディ8枚タイプの32×135×95mm(同)よりも断然コンパクトだ。重さに至っては、ハンディ8枚タイプの137gから50gへと、半分以下に減っている。手の平に乗せても、まったく重さが感じられない。

　それもそのはず、従来モデルでデザインの大きなポイントだったハンドル部が、長さ、厚さともに半分ほどになったのだ。

コンパクト5枚とじの本体。カラーはブラウンを購入した。ほかに青、緑、白、黒がある	従来モデルの「ハンディタイプ8枚とじ」(写真上)と比べると、大きさはほぼ半分	一般的なステープラーと比べてもコンパクトか同等くらいだ

従来は本体が大きめだったが、ハンディ5枚タイプは手の平サイズで持ちやすい	重量は従来の半分以下になった

　ハンドル部が短くなったということは、当然持ち方も変わる。従来モデルではハンドルを手の平全体で握っていたが、5枚タイプは親指と人差指でチョイっと持ててしまう。手の小さい人でもまったく問題なく持てるだろう。ちなみに、説明書では正しい握り方として、親指でハンドルを、人差し指と中指で本体を握るよう説明されている。

　紙を綴じるには、開口部に紙を入れて、本体のハンドルをグッと下げる。すると、本体内部の刃が紙を矢印形にカットし、そのカット部分が紙の内部へ折り込まれていく。これが、針なしで紙が綴じられる仕組みだ。

小さいので親指と人差し指で持ててしまう。説明書によれば中指も添えるのが正しい用法とのこと	開口部に紙を入れ、ハンドルをグッと下げる	すると、本体内の刃が紙をカットし、紙を綴じ込む

　綴じた跡には、紙に矢印型の穴が空く。形状としては8枚タイプとほぼ変わらないが、軽くてコンパクトで、かつ親指と人差し指だけで綴じられるのだから、作業はかなりラク。力をそれほど入れなくても綴じられるので、とても便利だった。

　刃を使うというと“誤用したときに怖い”と思うかもしれないが、安全性はちゃんと配慮されている。紙を入れる開口部はわずか3mmほど。大人の指でも赤ちゃんの指でも入らない。この安全性への取り組みは、ハリナックスシリーズの伝統のようなものだ。

綴じたところ。このように紙の左上を斜めに1カ所留めれば、簡単には剥がれない	とじ穴の比較。左からコンパクト5枚とじ、従来のハンディ8枚とじ、その前のハンディ4枚とじ	開口部はとにかく狭い。指を誤って入れてしまうことはまずない

　さて、本製品は最大5枚まで綴じられるとのことだが、その強度はいかほどのものか。何度か試してみたが、紙に斜めになるように綴じれば、1カ所だけでもそう簡単には剥がれない。さすがにステープラーほどの強度はないが、8枚タイプよりも強度が増しているような印象だ。強度に不安がある場合は、縦と横を1カ所ずつ綴じれば、普通のステープラーとほぼ変わりなく使える。

　ただ、5枚以上となると、使い勝手が悪くなる。6枚だと綴じられないこともないが、7枚以上では、紙をカットする際にかなりの力が必要になる。また10枚以上になると、そもそも紙が開口部に入らない。6枚以上の紙を綴じたい場合は、ハンディ8枚タイプや卓上型の10枚/12枚タイプ、あるいは一般的なステープラーを使う方が良いだろう。

実はストラップ穴も空いている。ストラップ自体は同梱されないが、頻繁に使う人は首から提げて使うというのもアリだろう。

　小型でデスクの邪魔にならず、簡単、手軽に使える針なしステープラーだ。今までハリナックスを使っていなかった人も、手軽に使えるだろう。また、従来のハリナックスユーザーなら、小型化されたことによる使い勝手の良さがきっと実感できるはずだ。