やじうまミニレビュー

パイロット「フリクションボール3」

~消えるボールペンの3色タイプがついに登場
by 小林 樹


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パイロット「フリクションボール3」

 まだ1月も半ばだが、早くも4月始まりの手帳が店頭に並び始めている。手帳とセットで持ち歩くものといえば、ボールペン。なかでも私はいわゆる“消せるボールペン”、パイロットコーポレーションの「フリクション」シリーズを使っている。

 フリクションシリーズは、付属のラバーで書いた跡をこすると、摩擦熱でインクが消える筆記具で、例えば手帳に書いてある予定が急に変更になった時でも、書き換えやすくて便利なのだ。

 そんなフリクションシリーズから、12月に新製品「フリクションボール3」が登場した。シリーズ初となる3色ボールペンだ。


メーカーパイロット
製品名フリクションボール3
購入場所東急ハンズ渋谷店
購入価格630円

 フリクションボール3を見ていく前に、フリクションシリーズについてもう少し詳しく触れておこう。フリクションシリーズとは、前述の通り、摩擦熱で消せるインクを搭載したゲルインクボールペンで、さまざまな筆記線の太さやカラーのボールペン、蛍光ペンや色鉛筆風のペン、ビジネス向けの高級仕様のペンなどを発売している。当レビューでも既に、キャップ式の「フリクションポイント」や、ノック式の「フリクションボールノック」を取り上げている。

 だがこれまでに発売されていたのは、いずれも単色タイプのボールペンだった。そこで満を持して登場したのが、黒、赤、青の3色のインクを1本に集約したフリクションボール3である。

 フリクションボール3の本体サイズは、最大約21×144mm(直径×長さ)。胴軸は太めだが、本体重量は14gで、見た目の割に軽い。グリップ部にはラバーが巻かれている。

 ペン先の太さは、0.5mmのみ。胴軸(ボディ)のカラーは、ブラック、ブルー、ライトブルー、ピンク、ライトグリーンの6色があり、今回はブラックを選んだ。

 ペン先の繰り出し方は、多色ボールペンで採用されていることの多いスライドレバー式。尾端のスライドレバーを押すとペン先が繰り出し、ほかのスライドレバーを押すと、ペン先が引っ込む仕組みだ。スライドレバーの色は黒、赤、青の3色で、各インクの色に対応している。尾端にはまた、ポケットや資料に挟むときに便利なクリップが付属している。

尾端のスライドレバーを押すとペン先が繰り出す尾端部分。黒、赤、青のスライドレバー式フリクションシリーズのロゴ
上がフリクションボール3。下が一般的な単色ボールペン。フリクションボール3の胴軸は太めで、全体的に丸みを帯びた形をしているフリクションボール3と、これまで使っていた5色ボールペン2本を比較。胴軸の太さは、ほかの2本とほとんど変わらない
尾端にはクリップとラバーが付属しているポケットに挟んだところ

 胴軸の中央をひねると、3本のリフィル(替芯)が現れる。リフィルはフリクションボール3専用タイプで、1本ごとのサイズは約3.5×87.5mm(同)となっている。

胴軸の中央をひねると、3本のリフィルが現れるリフィルを抜いた状態リフィル1本ごとのサイズは約3.5×87.5mm(直径×長さ)

 さっそくフリクションボール3で文字を書いてみた。ペン先の太さは0.5mmだが、筆記線は思いのほか細い。手帳のように細かい部分に書き込むには、これくらいの細さがちょうど良いと思う。

 インクは、さらっとした質感で、色はやや薄め。もちろん書いては消すことができるし、消す際に消しカスが出ない点も、これまでのフリクションシリーズと変わりない。

フリクションボール3の各色で書いた文字尾端のラバーで消すWatchの文字だけ消したところ。消しゴムのような消しカスは出ない

 インクはダマになりにくく、書き出しでヨレたりはしない。書いた端から乾いていくので、滲みにくかった。

試しに水をこぼしてみた。30秒立っても、インクが浮いてこない水を拭き取ってみると、多少滲んでいるものの、文字は識別できる

 一番満足したのは、書き心地だ。ペン先がブレず、安定感がある。これまでいくつもほかの多色ボールペンを使ってきたが、特にリフィルを自分で選んで使う機構のペンでは、どうも筆記時に芯先にブレを感じるものが多かった。その点フリクションボール3では、書き出す瞬間に、ペン先がグラつきにくいのだ。

本体にはあらかじめ3色がセットされているが、別売りの専用リフィルもある。3本セットで315円。本体は630円なので、両方買うと1,000円近い値段だ

 なお、リフィルの交換は、リフィルを引っ張って抜いた後の穴に、新しいものを差し込めば良い。専用リフィルは別売りで、3本セットが発売している。種類は、黒赤青が1色ずつ入ったものと、同じ色が3本入ったものの4種類。それぞれ価格は315円だった。

 購入して1カ月ほど経つが、今では旅先まで持ち歩くほど、日々の生活に欠かせないアイテムとなっている。実はこれまで、手帳に予定を色分けして書き込むために、何色ものフリクションシリーズのペンを持ち歩かねばならず、荷物がかさばってしまっていた。しかし、フリクションボール3なら、これ1本で、仕事もプライベートもたいていのことに対応するため、持ち物が減って助かっている。

 今のところ、インク色は黒、赤、青というベーシックな3色だが、欲を言えば、もっとリフィルのバリエーションが増え、リフィルも一度に5本くらいまで搭載できるようになれば嬉しい。

以前は何色ものペンを持ち歩いていたので、荷物がかさばっていた。ちなみに4本ともフリクションシリーズのペンだ流れてしまった予定や、ちょっと書き残したくないことも、キレイサッパリ消し去れる

 このフリクションボール3、どうやら店頭でも人気を集めているようだ。地元の文具店に行ったところ、発売当初は箱にひしめくように並んで売られていたのだが、先日残っていたのはライトブルーとグリーン数本のみだった。多くの人がこの消せるボールペンの多色タイプを待ち望んでいたのだと、と実感した。

 フリクションボール3は、手帳に書き込む時や、ちょっとしたメモやメッセージを書く際など、シーンに応じて色を使い分けられるうえ、書き損じたり、予定が変わった時には、さっと消して書き換えられる。さらに書き心地には安定感がある。とにかく使い勝手の良いボールペンをお探しの方には、このフリクションボール3をオススメしたい。





2012年 1月 18日   00:00