やじうまミニレビュー
パナソニック「LED電球 小丸電球 0.5W(電球色相当) LDT1LHE12」
パナソニック「LED電球 小丸電球 0.5W(電球色相当) LDT1LHE12」 |
この夏は節電のために、白熱電球をLED電球に変えたという方も多いと思う。白熱電球を、電球型蛍光灯やLED電球に変えるのは、分かりやすい節電方法だ。特に、点灯時間が長い場所では、大きな効果がある。
しかし、私の家では、E26口金の電球が使える器具は、すでに電球型蛍光灯かLED電球に置き換え済みだった。でも、もっと節電したい。節電はクセになりやすいのだ。考えあぐねた末に見つけたのが、今回紹介するパナソニックの「LED電球 小丸電球 0.5W(電球色相当) LDT1LHE12」だ。以下、「LED小丸電球」と略すことにしよう。
LED小丸電球は、普通の電球用に比べて二回り小さいE12口金に対応している。家庭で使われている電球の口金は、普通の電球用の「E26」、レフ型電球などに使われる「E17」が一般的だが、「E12」はあまり見たことがないだろう。これは、コードペンダントやシーリングライトなどの照明器具についている常夜灯に使われているコネクタなのだ。
左からE26、E17、E12対応の製品。E26が一般的な大きさ | 電極の大きさはこれだけ違う。ちなみに直径が26mmなのでE26と称する |
ちょっと古いタイプの、蛍光管2本を使ったサークライン型照明器具では、スイッチのヒモを引くと、2灯点灯→1灯点灯→常夜灯→消灯の順番で切り替わって行く。あの、ほの暗い電球色で、畳とふとんの境目がようやくわかるようなぼんやりとした灯りが常夜灯であり、それに使われている電球の口金がE12というわけだ。
メーカー | パナソニック |
製品名 | LED電球 小丸電球 0.5W(電球色相当) |
希望小売価格 | LDT1LHE12 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 520円 |
■1個交換で4.5Wの節電
さて、節電の対象として交換する機材が見つかったのは良いが、それを交換することによって、どれぐらい節電できるのだろう。
一般的なE12口金の白熱電球であるパナソニック「100V1CTL」の消費電力は5Wだ。これに対して、LED小丸電球の消費電力は0.5Wしかない。つまり、白熱電球から、LED小丸電球に交換すると、1個あたり4.5Wの節電ができる。
パッケージは吊り下げられるブリスター型 | E12白熱電球(左)とLED小丸電球 | 本体サイズはほぼ同じだが、光る部分の大きさが違う |
4.5Wというと、たいしたことのない数字に感じるが、一般的な電気製品の待機電力よりも、ずっと大きい。また、電球型蛍光灯をLED電球に変えるのと同じぐらいの数字だ。
また、常夜灯は、点灯している時間がけっこう長い。たとえば、1日7時間点灯するとして、4.5W×7時間で0.0315kWhとなる。電気代を計算すると、1カ月30日では0.945kWhで20.79円、1年365日では252.945円の差額が生じることになる。今回のLED小丸電球は、購入金額が520円だったので、約2年目で元がとれる計算だ。
ちなみに、LED小丸電球の寿命は、約4万時間とされている。先ほどの1日7時間使用をそのまま当てはめると、5,714日。つまり約15年も使える計算になる。ちなみに、100V1CTLの寿命は8,000時間とされているから、約3年に相当する。この交換コストの分も考えれば、経済的なメリットは、さらに大きい。
■ちゃんと明るくて、実用になる
さて、計算上は導入する利点が多いことが分かったので、実際に交換してみよう。
今回使用した部屋は和室の六畳間で、照明器具は白熱電球用の和紙を使ったコードペンダントだ。構造は簡単で、白熱電球が1つぶら下がっているだけで、スイッチもない。点灯/消灯は壁のスイッチを使うタイプだ。
今回試用した和紙を使ったコードペンダント。貰い物なので、イサムノグチなのか、もどきなのかは不明。本来はもっと下げてセットすべきだが、撮影のため上げている | E26ソケットにヒモスイッチ付きのアダプタを噛ませて、常夜灯も使えるようにしている | LED小丸電球が発光するのは先端の半分ぐらいの部分だ。左はE26口金のLED電球 |
これに、ヤザワの「縦引4段ソケット SF1021」という部品を組み合わせている。この部品を挟むことで、手元のヒモスイッチで点灯/消灯することができ、E12口金もあるので常夜灯を使うこともできる。ヒモを引くと、点灯(E26)→常夜灯(E12)→消灯と操作できる。
いつもは、ここにE12口金の白熱電球が装着されている。さて、これをLED電球に変えてみて、ちゃんと実用になるかを確認してみよう。いくら節電になっても、LED化することによって暗くなってしまい、常夜灯として役に立たなくなってはしょうがない。
というわけで、おそるおそる交換してみたのだが、意外と大丈夫だった。白熱電球との明るさの差はほぼ感じない。あえて言えば、LED小丸電球は、発光する部分が小さいので、近くで見ると違いがわかる。先端の部分が明るく、口金に近い部分が暗いのだ。しかし、光の色は、白熱電球と区別がつかない。
和紙ごしに見た常夜灯。やや白寄りのオレンジ色 | 照明器具の下からみるとじかに見える |
常夜灯としても、実用になっており、どこに何があるかはわかる。床に物が置いてあれば、それを避けて歩ける。また、本の表紙はぼんやりと見え、何の本であるかという区別はつく。ただし、明るさは足りないので、紙面は読めない。
常夜灯を点灯した部屋を肉眼で見ると、これぐらいの明るさに感じる。照明器具全体が光って見えるのは撮影の都合で長時間露出しているため | 肉眼で照明器具単体で見ると、こんな感じに見える |
ふとんや家具のだいたいの様子はわかる | 床に置いた本の表紙はわかるが文字は読みにくい |
しばらく点灯してから、LED小丸電球に触れてみたが、ソケット部分が少し熱くなっているだけで、発光部分は熱くなっていなかった。触れられないほど熱くなる白熱電球とは、発熱の差は大きい。
なお、今回はシンプルな機材で試したが、LED小丸電球は、インバータ器具、リモコン付器具、ホタルスイッチ接続器具に対応しているので、ほとんどの器具で使用できる。常夜灯を点けて寝る習慣の人は、導入の検討をお勧めする。
■昼光色も発売予定
左は盆提灯に使う、ロウソクの炎の形をした白熱電球。消費電力は10Wもある |
今回は、常夜灯として使ってみたが、来年は盆提灯に使ってみようと思っている。旧盆の時期に部屋に飾る盆提灯は、ロウソクの炎の形をした明るいE12口金の白熱電球を使っている。
通称ローソク球という、これらの電球は、消費電力が10Wと大きい物も多い。これをLED化すれば、電力の節約になるし、発熱も少ないので安全性も高くなる。炎の形が必要な用途では難しいが、提灯など灯りがむき出しにならない器具であれば置き換えが可能だろう。
なお、今回試した「LDT1LHE12」のバリエーションとして、10月21日には昼光色の「LDT1DHE12」も発売が予定されている。小さい器具で白い光が使え、消費電力も小さいとなれば、新しい用途も出てくるだろう。LED電球の主力はE26だが、こういう隙間製品が登場するということは、その分野に勢いがある証拠だ。さらに新しい商品が登場することを期待したい。
2011年 10月 7日 00:00
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