やじうまミニレビュー

ソニー「サイクルエナジー CP-A2L」

~容量と出力が向上したコンセント直結型モバイル電源
by 正藤 慶一


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


サイクルエナジー CP-A2L

 ウェブに音楽、地図やカメラ、さまざまなアプリなど、その活用法は無限大の携帯電話「スマートフォン」。現代人には欠かせないアイテムのひとつとなっているが、電池がなくなってしまっては無用の長物。便利なあまり使いすぎて、大事なときに電池切れ……という苦い思いをしたことは、ユーザーなら一度はあるだろう。

 というわけで、スマートフォンとともにバリエーションを増やしているのがモバイル電源。外出先でもモバイル機器が充電できるので、バッグの中に忍ばせておけば、いざというときでも安心。この度の東日本大震災でも、停電時に活用したという例もあるかもしれない。

 今回紹介するモバイル電源は、ソニーの「CycleEnergy(サイクルエナジー) USB出力機能付きポータブル電源セット CP-A2L」。発売日は4月20日の予定だが、ヨドバシカメラに予約をしていたら、もう編集部に届いてしまった。おそらくすでに店頭に並んでいるところもあると思われるので、使ってみよう。

 ちなみに、スマートフォン向けに「CP-A2LS」という品番もあるが、スペック表を見る限りはCP-A2Lとまったく同じ。今回は汎用モデルのCP-A2LSを選択した。


メーカー ソニー
シリーズ名サイクルエナジー
製品名USB出力機能付きポータブル電源セット CP-A2L
価格オープンプライス
購入価格4,480円

 CP-A2Lは、リチウムイオンのバッテリー部と充電用のコンセント部が合体/分離する構造となっている。これはソニーのモバイル電源の特徴で、充電時は両者を組み合わせ、外出時にはバッテリー部のみを切り離して、コンパクトに持ち運ぶことができる。使い切った際は、ベースユニットとなるコンセント部に戻して充電するという、一連の流れができるわけだ。

充電時のようす。ベースユニットとなるコンセント部に、バッテリー部を接続する持ち運ぶ際は、バッテリー部分だけを切り離す。使い終わったら、コンセント部に接続して充電すれば良い

 昨年発売された従来モデル「CP-AL」との違いは、電池容量と出力の2点。電池容量は、従来の1,120mAhから、4,000mAhと、約4倍に増量。加えて、出力用のUSBポートは、従来の1個から2個に増え、また最大出力も合計で1A(1,000mA)となった。つまり、より多く充電でき、より多く給電できるというわけだ。

 容量が増えたことで、サイズも大きくなった。CP-A2Lバッテリー部は58×26.4×84.5mm(幅×奥行き×高さ)で、従来のCP-ALは58×17.5×65mm(同)だから、全体的に1~2cmほど大きくなったことになる。また、重量も約65gから約145gに増えた。気になるところではあるが、持ち歩いても大きすぎて邪魔になったり、重すぎたりするほどではない。バッテリー充電時間の目安は5時間で、繰り返し使用回数は500回となっている。

 それでは早速給電してみよう。手持ちのiPhone(3GS)に繋ぎ、バッテリー部中央のボタンを押せば、充電がスタート。エラー表示になることなく、まったく問題なく充電できた。このほか、iPad、PSP go、BlackBerryなどでも充電できた。特にPSP goは、充電できないモバイル電源が多いなか、問題なく使えたのはうれしい。なお、モバイル機器と接続するためのケーブルは同梱されておらず、自前で用意する必要がある。

 充電する際に気に入ったのが、残量表示機能だ。バッテリー部中央のボタンを押すと、バッテリー残量を示すランプが最大4個まで点灯する。これが4個点灯すると満充電で、3個が充電量「多」、2個が「中」、1個が「少」、点灯しないと残量なしということになる。要は、ランプの点灯数が多いほど、電池残量が 多いということになり、直感的に分かりやすい。また全5段階と細かく表示してくれるのも、これまでのモバイル電源にはあまりなかったところだ。

まずは1機だけの充電に挑戦。iPhone、iPad、PSPはどれも充電可能だった中央のボタンを押せば、電池残量を示すランプが点灯。ランプの店頭数が4つのランプで示される。多いほど充電量が多いので、直感的にわかりやすい

 2本同時充電にも挑戦してみたが、BlackBerry、PSP go、iPhoneは、どの組み合わせでも大丈夫だった。ただし、iPhone同士、あるいはiPhoneとiPadを2本差した場合、充電途中にエラーが起きることが多かった。説明書には「給電中に1Aを超えた場合、安全機能により給電を停止します」とあったので、充電時に多く電流を使う機器は、1本差しを基本とするのが良いだろう。

 いろいろ充電を試していくと、充電速度は1本差しの場合の方が、2本差しよりも早いことに気づいた。iPhoneで5分間充電した場合の電池残量の増加を比較すると、1本差しが5%UP、2本差しが3%UPだった(いずれも残量60%の時点でスタート)。急いで充電したい場合は、1本差しが有効のようだ。

2本同時充電も可能iPhone 3GS同士の場合。写真では充電されているが、エラーが表示されることも度々あった充電は2本同時よりも、単独でした方が早いようだ。単独で5分間充電した場合は60%→65%だったが、2本同時だと60%→63%だった
三洋電機の「エネループ モバイルブースター(写真右。品番は「KBC-L2」)」と比べると、サイズはやや大きめだ

 課題としては、他社製品と比較したサイズと容量だろう。その他社製品の具体名は、三洋電機のモバイル電源「eneloop mobile booster(エネループ モバイルブースター) KBC-L2BS」だ。電池容量は5,000mAhと多く、本体サイズも70×22×62mmとコンパクト。出力1Aや2本差しにも対応している。ただし、実売価格ではCP-A2Lの方が有利で、KBC-L2BSは安いところでも5千円台のところが多くなっている。

 使い終わったらコンセント部に戻すという使用感は継続し、バッテリー容量と出力機能がアップ、残量表示が分かりやすくなった点は、従来モデルと比べれば大きなステップアップだ。容量が多いモバイル電源が欲しい人、パワフルな出力を求めている人におすすめしたい。






2011年 4月 14日   00:00