ファイン「タコキャッチ」

　携帯電話に小型ゲーム機に各種リモコン……我が家の部屋にはいろいろなものが転がっている。本当はちゃんと片付けたいのだが、どうもしっくりくる収納具がなく、結局“どこに置いたっけ”と毎回探すハメになってしまっている。

　何か良いものはないかと探していると、ちょうどよさそうなモノを発見した。ファインの「タコキャッチ」である。

　この商品は、両面に複数の吸盤を設けたシートで、片方の吸盤を壁に接着することで、もう片方の吸盤にさまざまなものをくっつけることができる。つまり、壁面を小物置きとして使えるというメリットがある。

　穴やシール跡を壁に残すことなく小物が置けるというのは魅力だが、果たして吸盤だけで本当に大丈夫なのだろうか。とりあえず買って、試してみよう。

　本体デザインは何種類かあったが、今回は「手」がデザインされたものを購入した。本体サイズは99×92×11mm(幅×奥行き×高さ)と、小さくて薄い。自分の手よりも面積は半分くらいで、まるで赤ちゃんの手だ。吸盤は表・裏ともにそれぞれ16個付いており、吸盤1個あたりの直径は約1cmとなっている。

表面。吸盤が16個付いている	裏面にも吸盤が16個	厚さは1cmそこそこ

　シートが取り付け可能な場所は、タイルやプラスチック、ステンレスや鏡面など、模様がなくツルッとしたところ。壁紙や木壁など、凹凸があったりザラザラしているところでは使えない。また、ガラスも破損の恐れがあるため使えないという。

　まずは、パッケージに取り付け可能と書いてあった冷蔵庫に付けてみる。取り付けは壁面に2～3秒ほど押すだけと簡単。意外と頑丈で、シートをずらそうとしてもびくともしない。

　では、約130gのiPhone 3GSを付けてみよう。iPhoneの背部分を吸盤に軽く押すと……あら、見事に貼り付けられた。しかも、冷蔵庫の扉をガンガン開閉しても、これまたびくともしない。安定感はかなりのものだ。この後も、テレビのリモコン、PSP Go、コンパクトデジタルカメラ、洗剤、防虫スプレーなども取り付けることができた。

　台所と風呂場の水回り空間でも、洗剤や石鹸、シャンプーやボディソープなどが貼りつけられた。安定性も高く、ボディーソープは壁に貼りつけたままでポンプが押せたほどだ。

　シートを外すには、指の先を1本1本剥がすようにすると取りやすい。かなり強力に張り付いているため、ペリペリッという音がするが、もちろん跡は残らない。これはシートに貼りつけた機器についても同じだ。

ここからはタコキャッチに取り付けられる機器を紹介しよう。まずはiPhone3GS。簡単に貼りつき、しかも安定性も高い	PSP Go(上)、コンパクトデジタルカメラ(下)も大丈夫だった	スカパーのリモコンは、平面部分が狭いため無理かと思われたが、貼り付いた

左から、洗剤、整髪料、殺虫剤。まったく問題なく貼り付いた	こちらはお風呂の壁に貼り付けたところ。ボディーソープ(上)、育毛剤(下)も大丈夫。ボディーソープはこの状態でポンプが押せた	Suica定期券(左)も大丈夫。鍵は、単体では凹凸が多いため貼り付かないが、キーホルダー部分が大きければ大丈夫(右)

　上手に使うためのポイントとしては、シートを壁に付ける際に、しっかり押しこんですべての吸盤を壁に接着させることだ。壁に軽く貼りつけただけだと、だんだんと剥がれてくることがある。逆に、携帯電話など平たい面が多い機器の場合、軽く付けても安定感がある。

　なお、取り付けられなかったものとしては、本、ティッシュ、電気シェーバー、平坦な面が少ないリモコン、紙のラベルが付いた洗剤などがあった。紙や布製のもの、凸凹したものや接地面積の小さいものは、基本的に付かないとみなして良いだろう。逆に、それ以外のものなら、ほとんどのものがイケるはずだ。

こちらはキッチン。消毒用のポンプ(上)は取り付けられたが、食器用洗剤(下)はラベル部分が紙のため、ムリだった	写真のように吸盤が剥がれていると、強度は落ちる

　最初は“ただの吸盤”と甘く見ていたが、これほど簡単にくっついて、しかも安定度が高いとは思わなかった。跡も残らないので、場所が気に入らなかったらすぐに変えられるのも良い。会社に持っていって、パソコンの壁面に貼り付けて携帯電話置き場に使っても便利だった。

　何の変哲のない壁も、タコキャッチをつければ、そこは便利な収納スペースに変身する。部屋や机にモノが溢れている人に、ぜひ一度使っていただきたい一品だ。

机に横にして置いても大丈夫	会社ではパソコンの壁面につけて、携帯電話置き場として活用している