やじうまミニレビュー

スマホと連携! ワールドタイム対応のアナログ腕時計

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カシオ計算機「EDIFICE EQB-500」

 さまざまな国の時刻をワンタッチで切り替えられる“ワールドタイム”に対応した時計は、出張の多いビジネスマンにとって便利なガジェットだ。しかし、異なるタイムゾーンの登録や切り替えの操作は複雑になりがちだ。このような複雑な時計の操作を、スマートフォンと連携することで簡単にする時計が登場した。カシオ計算機の「EDIFICE EQB-500」(以下、EQB-500)だ。

メーカー名カシオ計算機
製品名EDIFICE EQB-500
購入場所Amazon.co.jp
購入価格43,200円

 EQB-500は、ワールドタイムに対応したソーラー電池搭載の防水クロノグラフだ。見た目はメタルケースを採用した伝統的なアナログ腕時計だが、Bluetooth SMARTに対応しており、iPhone/Androidスマートフォンと連携できる「モバイルリンク機能」を搭載している。カシオは以前から、Bluetooth SMART対応でスマートフォンとの連携が可能なG-SHOCKを販売していたが、メタルケースを採用したのはEQB-500が初めてとなる。

メタルケースとメタルバンドを採用
Bluetoothのマークが入ったボタンを左側に搭載
右サイドにはボタン2つとリューズがある

 スマートフォンと連携することでなにが便利になるのかといえば、なんといっても前述したワールドタイムの操作だ。EQB-500は電波時計ではなく、iPhone/Androidスマートフォンから現在時刻を取得して自動的に正確な時刻に修正する。

 時刻修正は、手動でBluetooth接続したときに行なわれるほか、アプリ側で時刻合わせのタイミングを設定しておくと、毎回自動的にスマートフォンに接続して修正させることも可能で、時刻合わせが終了すると自動で接続が解除される。

 スマートフォンは、無料の専用アプリ「CASIO WATCH+」をインストールすることで、EQB-500と連携できるようになる。

 スマートフォンとの接続は、スマートフォン側のBluetoothをオンにしておけば、ボタンを1回押すだけで簡単につながる。接続の際にサマータイムの有無も含めて、スマートフォンが示す現在地の時刻に自動で修正される。

 接続したかどうかは、アプリ上に表示されるほか、時計側でも針の動きで確認できる。接続中は、常に秒針が10時と11時の間にあるBluetoothマークを指している。接続中に一定時間、なにも操作しないと自動的に接続が解除される。接続時間はアプリで3分、5分、10分から選択できる。

iPhoneとの接続によって時刻が同期される
接続の様子(※クリックすると動画が再生されます)
接続中は秒針がBluetoothマークを指す

 ワールドタイムの設定は、アプリに設定されている地図や都市リストをタップするだけで簡単にできる。収録している都市の数は309都市。訪問先の国のタイムゾーンを調べたり、時差を計算しなくていい。

 時刻表示は、センターの時分針と、9時側のインダイアルで2都市の時刻を同時に表示するデュアルダイアルワールドタイムを採用。出張先の時刻と日本の時刻をひと目で確認できる。2都市の時刻を入れ替えることも可能だ。ホームタイムもワールドタイム(サマータイム切り替えを含む)も、1日1回、既定の時刻になると自動的に時刻が修正される。

世界地図の中から渡航先の都市を選択
都市を選んだら時計に設定を送る
送信すると9時側のインダイアルにワールドタイムが反映される

 このほか、ストップウォッチ機能との連動機能も搭載している。もともとカシオのEDIFICEは、カーレースやバイクレースなどのモータースポーツをコンセプトとしたシリーズで、ストップウォッチ機能はレース観戦時での使用を想定している。

 スマートフォンと連動することにより、スピード表示のベースとなる距離を設定し、設定した距離でラップタイムを測定することで、その距離を時速何kmで走行したのかを、針で示す仕組みになっている。

 距離は、自分で好きな値に設定しても良いが、ドイツのホッケンハイムやベルギーのスパ、日本の鈴鹿など、世界の主要サーキット12カ所の距離データが収録されている。それらのサーキットで観戦する場合は、該当するサーキットを選ぶだけで簡単に距離設定できる。

 測定したストップウォッチのデータは、スマートフォンに転送し、ログデータとしてラップタイムなどを確認できる。作成できる件数は最大100周分で、アプリ上でデータのタイトルを変更したり、不要なラップタイムを削除することもできる。

世界のサーキット12カ所の距離データを収録
サーキットを選んで時計に送信
ログデータをアプリで確認できる
音を鳴らしたときの表示画面

 さらに、この時計ならではのユニークな機能として、時計のボタン操作でスマートフォンの音を鳴らす探索機能がある。

 この機能は、スマートフォンと時計がBluetoothで接続されていないときに有効な機能で、アプリが起動していれば、スマートフォンの置き場所を忘れても、音を鳴らすことで発見できる。もし、スマートフォンがマナーモードでも、強制的に音を鳴らすことが可能だ。

 実際にiPhoneで試してみたが、ほかのアプリが動作していても音を鳴らすことができた。筆者が使用しているときにも、この機能でiPhoneを見つけたことが何回かあった。スマートフォンをどこに置いたか忘れやすい人にはおすすめだ。

連絡先フィルタリングを設定可能

 また、CASIO WATCH+にメールアカウントを登録しておけば、新着Eメールの有無を確認することもできる。ただし、Eメールの着信がプッシュ通知されるわけではない。EQB-500とiPhone/Androidスマートフォンを接続したときや、時計側でボタンを操作したときに、新着メールがあれば針の位置でわかるようになっている。

 なお、この機能では、連絡先に登録されているアドレスからのメールだけを通知するように設定できる「連絡先フィルタリング」機能も利用できる。

 最近はスマートフォンのサイズが大型化してきており、バッグから取り出すのが面倒な場合も多い。そのような場合に、この機能は役に立つだろう。そのほか、アラームなど細かい操作もスマートフォン上で設定できる。

 実際にEQB-500を使用してしばらく過ごしてみたが、Bluetoothによる接続はiPhoneをバッグに入れた状態でもスムーズで、ストレスを感じない。さまざまな時計の設定をすべてスマートフォンからできるのもかなり便利で、この時計に慣れると、もうほかの多機能アナログ時計は使いたくなくなる。

 Eメールの確認機能も便利で、取材先に質問を送って返事待ちをしているときなど、該当のアドレスを登録しておくことで受信しているかどうかを簡単に確認できて便利だった。

 なお、CASIO WATCH+の対応OSは、iOS7/8、Android4.3以上。動作確認済み端末については、EQB-500のWebサイトを確認して欲しい。

 iPhone 6はこの中に含まれていないが、筆者が実際に試してみたところ接続を確認でき、とくになにも不具合は見られなかった。ただしカシオからの発表では、一部、接続性に問題があると告知されているので、カシオの対応を待ちたい。一方、Nexus 5(Android 4.4)でも試したが、こちらは残念ながら接続できなかった。

 スマートフォンとの連動機能以外は、普通のクロノグラフと同じで、当然ながらスマートウォッチのようにバッテリーの持ちを気にする必要はまったくない。充電を気にすることなく使用できるのは実に快適だ。

 また、ワールドタイムやアラームなど、時計単体で行なうと面倒な操作をスマートフォンからできるのもとても楽だ。スマートウォッチとは一味違った切り口の新しい時計ということで、注目の製品である。

片岡 義明

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