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カシオ「PROTREK PRW-1300GJ-1JR」
~普段使いができる気圧計内蔵腕時計
Reported by 本誌:伊藤 大地
PROTREK PRW-1300GJ-1JR
時計におけるテクノロジーというと、機械式時計のムーブメントを思い浮かべる人が多いだろう。たしかに、機械式時計、とりわけスイスの時計における進化の歴史は、ちょっとやそっとじゃ語り尽くせない、深い内容のものである。
かたやデジタル時計というと、大量生産・大量消費の生活雑貨の枠に組み込まれてしまい、安物時計の代名詞のように扱われてきた。
そんな中にあって、デジタル時計の技術向上にとことんこだわってきたのがカシオだ。
カシオの時計というとまっさきに思いつくのは「G-SHOCK」だが、それだけではない。アウトドアユースのための「PROTREK」は、同社のセンサー技術を凝縮し、高度、方角、気圧などを計測できるハイテク時計である。
私は昔からカシオの時計、とりわけG-SHOCKシリーズのファンだが、PROTREKには手が出せずにいた。というのも、スキーや登山とは無縁のインドア生活を送るメカ好きの私にとって、PROTREKのセンサー技術は興味深いものの、時計本体があまりにも大きいことが購入をためらわせていたのだ。ろくに鍛えていない、青白い腕に巻く時計として、PROTREKはあまりにもゴツ過ぎる。
PRW-1300GJ-1JRの表示部。いわゆる電波ソーラー時計だ
しかし、そんな私でも使えそうなPROTREKが2007年になって登場した。従来機比で厚みが3割減、体積6割減とめざましく薄型・小型化した「PRW-1300」シリーズだ。本体カラーやバンドの素材などでさまざまなバリエーションがあるが、今回は標準バンドのほか、アウトドアウェアなど厚みのある上着の上からでも装着できるゴム製のバンドがオプションで付属する「PROTREK PRW-1300GJ-1JR」を選択した。メーカー希望小売価格は47,250円。楽天市場で33,000円(送料別)で購入した。
PRW-1300GJ-1JRは電波補正機能を備え、太陽電池を電源とする、いわゆる電波ソーラー時計と呼ばれるジャンルに属する腕時計だ。電波受信機能は、日本2局のほか北米局、ドイツ局、イギリス局の合計5局に対応する「マルチバンド5」に対応。パネルに内蔵した太陽電池では、蛍光灯程度の明かりで発電が可能だ。このほか、ストップウォッチやタイマー機能、世界時計、アラーム機能などを備えている。これらの機能は、G-SHOCKの高級モデルにも搭載されているもので、いわば同社のハイエンドデジタル時計が共通仕様として備えるものだ。
中央部にゴム素材を採用したバンドを使えば……
厚みがある上着の上からでも装着できる
こちらは通常のバンド
横から見たところ。とてもスリムだ
PROTREKがPROTREKたるゆえんは、センサーを使った豊富な機能にある。PRW-1300シリーズには方位センサー、圧力センサー、温度センサーの3つのセンサーを薄型のボディに搭載し、これらの情報をほぼリアルタイムで表示できるのだ。
方位センサーによるコンパス機能では、本体の12時がどの方位を向いているか教えてくれる。また、圧力センサーでは現在の気圧だけでなく、そこから5m単位で高度を表示することが可能。温度センサーは文字通り、気温の計測に用いられる。
方位/圧力/温度を検知する3つのセンサー
側面の3つのボタンを押して、方位/圧力/温度の画面表示を切り替える
3つのセンサーを利用した計測機能は、2地点の高度差を割り出す機能など、数え切れないほどの機能があり、とてもここですべては説明しきれない。本当ならば、登山やスキーなどで試すべきだが、ここでは新宿副都心にある東京都庁ビルの展望台に登って、気圧・高度・方角がどれだけ正確に測れるかを確かめてみたい。
「凹」の字のような2本のタワーからなる東京都庁の展望台は、関東平野の内陸部を見渡す北展望台と、ベイエリアを臨む南展望台があるが、今回は南展望台に登ってみよう。
まず、JR新宿駅南口を降りたところで高度を計測。ゆるやかな丘の頂上に立つ新宿駅南口の標高は15mと出た。そこから西新宿方面に丘を下って歩くこと約10分、東京都庁まで来た。展望台までノンストップで駆け登るエレベータの前で、再び計測。高度は5m、気圧は1,013hPaだった。
新宿駅南口で高度を測ったところ、15mという表示
都庁前では10mと出た
展望台へ続くエレベーターの前は5m。表示は5m刻みで表示される
エレベーター前で気圧も測ると、1,013hPaという結果
たどり着いた南展望台は地上45階、高さ202mの位置にある。さっそく高度を測ってみると、205mと出た。5m刻みであることを考えれば、かなり精度の高い結果だ。もともと、アウトドア用の時計ということもあり、屋内では誤差が大きいのではないかと心配していたが杞憂だった。その正確さに素直に驚いてしまった。
高度は、「高度が高くなると気圧が下がる」という原理を利用し、圧力センサーで検知した値をもとに割り出している。具体的には1,013hPa=0mという基準を設け、その基準点から気圧がどれだけ上がったか、下がったかによって、相対的な高度を割り出している。
そのため、海面を常に0mとする、海抜高度とは必ずしも一致しない。しかし、海抜を知りたい人のために、海抜基準に合わせる機能も備えている。これは、正確な海抜高度がわかる場所で、(相対)高度を計測し、表示される高度に任意の数値を加える、または減らすかすることにより、相対高度と絶対高度(海抜高度)を一致させる機能だ。本格的な登山やスキーなどで活躍しそうだ。
展望台へ到着
高度は205mという表示。展望台は高さ202mであることを考えれば、かなり正確な数値といえよう
気圧は989hPa。高いところに上るほど気圧は下がるが、この変化を元に高度を算出しているようだ
代々木のNTTドコモビルの方角を測ると、本来は南東のはずが、169度(真南)の表示となった。PCやテレビなど、磁気を発する機器のそばで使うことが多かったため、精度が落ちてしまったようだ
次に、方角を見てみよう。南展望台から見える、目印になりそうな建物は代々木のNTTドコモビルだ。地図と分度器で調べてみると、南展望台から真北方向を0度、真南方向を180度とすると、NTTドコモビルは120度の位置にある。方角で言うと南東だ。さっそく、NTTドコモビルに時計の12時方向を合わせ、コンパス機能をONにしてみると、169度、つまり、NTTドコモビルがほぼ真南とする表示が出た。もちろん、誤差もあるだろうが、角度でいうと40度以上違う。
気になって取扱説明書を読んでみると、「時計自体が帯磁していると、正確な方位を示しません」とある。なるほど、普段パソコンやテレビなど磁気を発する機器の前で使用していたため、精度が落ちてしまったのかもしれない。こうした場合は、再度調整してから使う必要があるようだ。山などで方位機能を使う場合には、その精度が命取りになる可能性がある。事前に調整することをお勧めしたい。
高度計測の実験でもわかったように、PROTREKのセンサー技術は、「腕時計のオマケ」レベルをはるかに超えたものだ。それがわずか55gの本体に搭載されているのだから、私のような「小さい機械好き」にはたまらない。ブラックにオレンジのワンポイントが効いた、センスの良いデザインも気に入っている。また、バンドを付け替える楽しみもある。
小型、高精度、高密度。いかにも日本らしい腕時計といっても良いだろう。アウトドアユースにはもちろんとして、タウンユースにもお勧めしたい。
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URL
カシオ計算機株式会社
http://www.casio.co.jp/
PROTRECK
http://casio.jp/wat/PROTREK/index.html
製品情報
http://casio.jp/wat/PROTREK/products/prw1300/index.html
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