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やじうまミニレビュー
CASIO「PHYS TIMERS11 RFT-100-2JF」

~ロスタイムが計測できる時計で審判気分を味わう
Reported by 本誌:正藤 慶一

PHYS TIMERS11(フィズ・タイマーズイレブン) RFT-100-2JF
 サッカーでは、選手が怪我をして担架でピッチ外に搬出されている時間、または選手交代の時に費やされた時間を、審判がカウントし、試合時間の45分が過ぎた後にあらためて試合時間を数分間追加する。これがロスタイムだ。いたずらにケガをして時間を稼ぐといったことを防ぎ、両チームの時間を平等にするためのルールである。

 しかし、実際にサッカーを見ていると、「こんなにロスタイムは長くないだろ!」または「もっと長くていいだろ!」といったケースに出くわすことが多い。なぜなら、ロスタイムが観客に知らされるのは、前半、または後半の45分が過ぎた頃。試合中は、どれだけロスタイムがあるかどうかは、なんとなくでしか分からないのだ。

 そんな中で、唯一ロスタイムを知る存在が主審だ。主審は試合のタイムキーパーとしての役割を負っており、試合中にたびたび腕に着けた時計を触っているシーンを目にすることがあるだろう。こうした時計は「レフェリーウォッチ」というカテゴリーに分類されるが、つまりこれさえあれば、我々観戦者だって、ロスタイムを事前に把握できるのだ。

 今回はそのレフェリーウォッチの中から、カシオのデジタル腕時計「PHYS TIMERS11(フィズ・タイマーズイレブン) RFT-100-2JF」を選択した。

 「TIMERS11」はカシオのスポーツウォッチ部門のブランドで、限定モデルの「RFT-100WC」という機種は、2006年ドイツワールドカップの公式レフェリーウォッチに採用されている。スペックだけを見ると、RFT-100-2JFはRFT-100WCとほぼ同じ機能を持っているようなので、購入を決めた。希望小売価格は10,500円だが、Amazon.co.jpでの購入価格は30%引きの7,350円と、1万円を切る価格も気に入った。

 腕に装着した感じは、小ぶりで軽く、スマートな印象を受ける。以前当コラムで取り扱った腕時計「GULFMAN」と重量を比べると、本製品が40g、GULFMANが57gで、17gの差があった。GULFMANも海上での使用を想定した時計なので、消して重くはない。それでも本製品が軽いのは、装着してピッチを走り回る使用環境を考慮しているのだろう。ちなみに、防水性能も備えており、水泳にも使用できるとのことだ。


腕に装着したところ
バンドにはスリットが開いており、装着感も軽い

以前当コラムで取り扱った「GULFMAN」と比べると、やや小ぶり
「GULFMAN」は57g
本製品は40g。用途が違うこともあるが、確かに軽い

 本製品の表示モードは、時計を含んで全部で6種類。ロスタイムが計れるストップウォッチのほか、10/12/15/20/25/30/35/40/45分から選べるカウントダウン式の「プリセットタイマー」、任意の時間を9種類まで設定でき、組み合わせて使用できる「インターバルタイマー」、世界中の29のタイムゾーンが設定できる「ワールドタイム」、そしてアラームと時刻合わせだ。モード変更は、時計左下の「MODE」ボタンで行なう。なお、アラームは音のほかバイブ振動にも設定可能。電波時計ではないので、時刻合わせは手動となる。これらの機能については、以下に動画で紹介するので、参考されたい。

 さて、本体の表示部は上下2つに分かれているのにお気づきだろうか。これがロスタイムを計るためのポイントとなる。ストップウォッチ機能にモードを切り替えて、右上の黄色い「START/STOP」ボタンを押すと、上下2つの画面で計測がスタートする。もう一度このボタンを押すと、上半分のタイマーはカウントがストップするものの、下半分はそれにお構いなしにカウントが続く。もう一度ボタンを押すと、上半分のカウントが再開され、さらにもう一度押すとストップする。その間も下半分はどんどんカウントを続ける。イメージとしては、2本のストップウォッチを、片方だけ止めているといった感じだ。


【動画】モードは6種類。本体の「MODE」ボタンで切り替える。また、右側中央の「VIB」を長押しすれば、「ピッ」という操作音を消し、アラームをバイブへと切り替えることができる(WMV形式, 2.6MB) 【動画】ロスタイムが計測できるストップウォッチモード。右上の黄色いボタンを押すと、表示上のタイマーは止まるが、下は動き続ける。この差がロスタイムを表わすのだ(WMV形式,3.5MB) 【動画】画面を光らせる場合は、本体の「LIGHT」ボタンを押すか、この動画のように時計を傾けるとよい(WMV形式,1.1MB)

【動画】アラーム音(WMV形式, 1.7MB) 【動画】バイブのアラーム(WMV形式, 1.6MB) 【動画】「インターバルタイマー」で、10秒のカウント後に、40秒をカウントする設定して動かしてみた。3分走って1分休む、といったエクササイズに使えそうだ(WMV形式, 1.7MB)

 つまり、試合中にボールがタッチを割ったり、選手が怪我をして試合が止まるたびにボタンを押し、下のタイマーが45分を過ぎたときに、上下のタイムを比較し、その差でロスタイムがわかるのだ。その後は普通にストップウォッチとして使い、上のタイマーが45分を経過した時がタイムアップということになる。ちなみに、下のタイマーが45分が過ぎると、アラームまたはバイブで知らせる機能もある。歓声でアラームが聞こえない場合を考慮すれば、バイブを選択したほうが良いだろう。また、時間は1~60分の間で変更することも可能だ。

 ここで、ロスタイムが本当に正確に測れるかを、実際にスタジアムで試してみよう。試合は、11月25日に茨城県・笠松陸上運動公園で行なわれたJ2リーグ戦第51節、水戸ホーリーホック対セレッソ大阪だ。

 試合開始のホイッスルとともに、黄色いボタンを押して、タイマーをスタートする。審判がどのタイミングで時計を止めているのかを注目したが、ボールがタッチラインを割り、ゴールキックやスローインになるまでの間、またはファウルの後にフリーキックを蹴るまでの間などは、ほとんど時間を止めていない。

 ここで、日本サッカー協会の競技規則を確認すると、「競技者の交代/競技者の負傷の程度の判断/治療のための負傷した競技者のフィールドからの退出/時間の浪費」を主にロスタイムとしてカウントするそうだ。私はてっきり、ボールがピッチ外に出てからスローインやゴールキックが蹴られるまでの間も、ロスタイムをカウントすると思い込んでいたので、その度にストップ/スタートボタンを押してしまっていた。ルールを勘違いしていたのだ。

 そのため、前半、審判が提示したロスタイムは「1分」だった。しかし、私の時計は下のタイマーが「45'13」、上が「42'36"」で、その差は「2'37」。端数を繰り上げれば、「3分」という、まったく違う結果になってしまった。


試合開始と同時に、スイッチをオン 公式発表では、前半のロスタイムは1分。なのに私の時計では3分近い。スローインなどで時計を止めすぎてしまった

 後半は気をとりなおして、ルール通りに計測した。スローインには時計を止めず、選手の負傷で試合が中断したときは止める。今度は順調のようだ。しかし後半11分、リーグ戦最下位の水戸が、5位のセレッソ大阪に対して先取点をあげた(順位は第50節終了時点)。ホームチームの先制点に、スタジアムは大盛り上がり。私もその熱気に押されて歓声をあげていると、ゴール後にスイッチを押すのを忘れていたことに気づいた。ピッチでは水戸の選手が自軍の監督に抱きついている。明らかなロスタイムだ。あわててボタンを押したが、30秒くらいは遅れてしまったか……。押し忘れには充分注意したい。

 さてさて、試合はさらに熱を帯びてくる。J1昇格にわずかな望みを繋ぐセレッソ大阪は、次々に攻撃的な選手を入れてくるが、何としてもホームでの勝利をつかみ取りたい水戸は、後半30分を過ぎた辺りから、1人、また1人と、この1点を守るために、残り時間を計算しながらジワジワと選手交代をする。上下の時計の表示差は約3分強。ロスタイムは3または4分といったところか。こうした客観的な指標を見ながら観戦すると、普段の試合の盛り上がりに身を任せているだけとは違って、冷静な視点からも試合を見ることができる。例えば、残り時間はロスタイムを含めるとあと10分あるから、選手交代はもうちょっと時間が過ぎてからの方が良い、といったようなシミュレーションも楽しめる。これは面白い感覚だ。

 試合開始後、45分を知らせるバイブが動いた。審判が提示したロスタイムは4分。時計を見ると、下「45'19"」、上「42'05"」で、差は「3'14"」。先ほど忘れていた30秒を足せば「3'44"」で、繰り上げてちょうど4分となる。今度は正確に(30秒ほどカウントできなかったが)計ることができた。


後半のロスタイムは4分
その差は3分14秒。時計を止め忘れた30秒間を含めて、端数を繰り上げて4分。今回はしっかりと計れた

 ところで、本製品はロスタイムを知るために、毎回上下の時計を見比べる必要が有るため、これをを面倒に思う人もいるかもしれない。他社の製品では、時計を止めていた時間を蓄積し、ロスタイムとして表示するタイプもある。ただ、これはストップウォッチとしては相応しくなく、まさにサッカー専用の器具だ。本製品の方が、普通のストップウォッチとして使えるので、スポーツ以外の場面でも使える点では有利だろう。今回のようにスイッチを押し忘れた際も、頭の中で「30秒プラスだな」と勘定すればよいのだ。

 また、これは好みの問題かもしれないが、カラーリングが気になる。限定品の「RFT-100WC」は、黒一色の渋いカラーリングで、黒い服を着た審判のイメージそのもの。しかし、RFT-100-2JFのカラーは濃紺。悪くはないが、審判のイメージからは遠く、また青い日本代表のユニフォームとも違う。黒を採用したタイプの「RFT-100-1JF」や、限定品の赤い「RFT-100-4JF」もあるようだが、現在は品薄の様子。ここはいっそのこと、Jリーグや代表チームのチームカラーごとにカラーリングした、サポーター向けのグッズとして販売してはいかがだろうか。一人のサッカーファンとして、是非とも購入してみたい。

 ロスタイムを計測できる上に、スポーツウォッチとして充分な機能も備えた、優れた製品といえるだろう。フットサルや草サッカーなど実際に審判を務める人はもちろん、私のようなサッカー観戦者も使える、まさにサッカーを愛する人向けのスポーツウォッチと言えそうだ。





URL
  CASIO(カシオ計算機株式会社)
  http://casio.jp/

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2007/12/14 00:01

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