やじうまミニレビュー
キーボード入力が苦手な人にオススメの「テプラ」
by 藤山 哲人(2014/8/5 07:00)
ラベルライター(ラベル印刷機)と言えば、キングジムのテプラが有名。ちょっと大きめのお弁当箱サイズの本体に、キーボードと小型ディスプレイ、そしてプリンタも内蔵して、ニューっとラベルが出てくる製品だ。その歴史は古く、世界ではじめて「漢字」が打ち出せるラベルライターが発売されてから25年を迎えた。これを記念して発売されたのが、初代ダイアル式「テプラ」の復刻版モデル「テプラ PRO SR55」だ。
メーカー名 | キングジム |
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製品名 | テプラ PRO |
品番 | SR55 |
希望小売価格 | 16,800円(税抜) |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 9,600円 |
今でもコンパクトで使いやすいダイヤル型インタフェース
少し話しが脱線するが、何十年も前の話。名前のシールを作ろうと思ったらDYMO(ダイモ)というラベルライターを使うのが一般的だった。約1cm幅のプラスチック製のテープに、クレジットカードのよう文字を刻印して浮かび上がらせるというものだ。
ダイヤルを回して文字を選び、ハンドルを握ると、選んだ1文字がテープに刻印される。そんなわけで、1文字間違えると全部やり直しの超アナログなラベルライターだ。ただ文字は半永久的に消えないので、ヘビーディユーティーな現場(油を使う整備工場など)では今でも活躍している。実際、Amazonでも購入できるぐらいだ。
さて、初代テプラが発売されたのは1988年。今ほどキーボードに慣れている人も多くなく、初代テプラはDYMOと同じダイヤル式の文字入力だった。ビデオデッキが、ジョグダイヤルというインターフェイスを搭載し始めた頃で、早送りやコマ送りをダイヤルを回して操作できるのがハイテクだったのだ。
40歳以上には懐かしく、若い世代には何コレ? なダイヤル文字入力だが、フリック入力や音声入力がある今でも便利に使える。
ダイヤルと中央にある決定ボタンでほとんどの操作ができるので、ボタン数が極端に少なく、電子機器に不慣れな人でもとっつき易いというのが最大の特徴だ。
発売当時は頭脳部のCPUも遅く、漢字変換辞書もあまり賢くなかったので、難しい漢字は区点コードという4桁の数字を入力していた。しかし、復刻版テプラは、スマートフォンやパソコンとほぼ同じように入力・変換ができる。あくまでもラベルを印刷するものなので、熟語には強いが文章の変換効率は期待しないほうが良い。
ちょっと戸惑ったのは、「ぁ」「ゃ」「っ」などの文字の入力。マニュアルを読まずに使い始めると、「シフト」キーを押しながら決定ボタンを押すという操作に気づくまで時間がかかるだろう。
フォントは明朝体とゴシック体、そして手書き文字の3種類だ。筆者には十分だったが、奥さんと子供たちが言うには、手書き文字が習字のようにきれいな文字なので、可愛くないらしい。
シールだけじゃなくリボンやアイロンプリントマグネットにも!
文字入力方式こそ、レトロなダイヤル式だが、本体そのものや機能は最新式なので、テプラのさまざまなカートリッジが使える。
テープの色は、透明から金銀まで、印刷する文字も白黒~カラーまで選べるほか、幅4mm~18mmのテープカートリッジに対応している。
また、ラベルシールだけでなく、アイロンプリントやリボンなどのカセットもあり、子供の名札や、オリジナルのメッセージ入りリボンなども作れて面白い。
文字の入力は、キーボード配列の方が早い。しかし、キーボードに慣れていないお年寄りや、フリック入力しかしたことのない人でも使えるラベルライターとして、復刻版モデル「テプラ PRO SR55」はオススメできる。