やじうまミニレビュー
無印良品「ウォールクロック・ホワイト 掛時計」
■一番シンプルな壁掛け時計
無印良品「ウォールクロック・ホワイト 掛時計」 |
無印良品の時計は、シンプルなデザインの製品が多いが、その中でも、今回紹介する「ウォールクロック・ホワイト 掛時計」は、一番シンプルだと思う。
表示方式は3針式のアナログ。本体と文字盤は白、時刻を表す数字と針は黒、他に色はなく、コントラストもくっきりしている。
構造もシンプルなクォーツ式で、標準電波による補正機能などはない。
以上のような、何の変哲もない製品なのだが、使ってみるとなかなか良い感じなのだ。
メーカー | 無印良品 |
製品名 | ウォールクロック・ホワイト 掛時計 |
購入場所 | muji net |
購入価格 | 2,900円 |
■機能は少ないが、必要なものは全部ある
この時計の直径は約25cm、厚みは4.3cmだ。壁掛け時計としては、普通の大きさで、やや厚みはあるほうだ。
正面。白と黒のシンプルなデザイン | 背面中央にムーブメントがある |
30cm定規との大きさ比較。直径は約25cm | 側面の奥行きは4.3cmある |
付属品は、取扱説明書と単三アルカリ乾電池1本と木ねじが1本。取扱説明書は、1枚の紙の表裏だけしかない。
まず、乾電池を入れる。最近の壁掛け時計では、電池ボックス周辺のムーブメントに、いくつか押しボタンがあるのが恒例なのだが、本機にはまったくない。
操作する部分は、時刻を合わせる黒いダイヤルが1つあるだけだ。このダイヤルを右に回すと、時刻が進む方に針が動き、左に回すと、逆方向に針が動く。自分で別の時計の時刻を見て、この時計の針を動かして合わせる。操作は簡単で迷いようがない。
ムーブメントには針を動かすダイヤルがあるだけ | 乾電池を入れると準備完了 | 取扱説明書の「使用方法」は、電池を入れて時刻を合わせるとだけ書かれている |
そもそも、秒針を合わせる機能がないので、時刻を合わせた直後でも、数十秒ぐらいは誤差がある。月差はプラスマイナス20秒あるので、1年経つと数分ぐらいは狂う可能性がある。
しかし、乾電池の寿命はアルカリでもマンガンでも1年しかない。つまり、乾電池が切れたときに、時刻を合わせればいい。そうすれば、誤差が数分以上になる可能性はないわけだ。
壁面に取り付けた状態 | 側面から見ると、やや厚みがある |
取り付け角度にもよるが、天井に直管形蛍光灯があると映り込みがある | 週刊誌との大きさ比較 |
秒針はすーっと流れるタイプで、ステップ運針する電波時計のように1秒ずつ刻んでいくときの音がしない。デジタル時計や電波時計は、時刻を刻んでいく感じがする。手持ちの時間が、少しずつ減っていくような感じだ。
この時計は、秒針に代表されるように、時刻が流れていく。時間が刻まれていくのではなく、時間が溜まっていくような気がする。気がつくと長針と短針の角度が変わっていて、時間が移っていたことがわかる。
いっそ、秒針もなくても良かったのかもしれないと思ったが、逆に秒針がなめらかに動いていくことで、時間というものに対する印象を変えたかったのかもしれない。
つまり、この時計には、必要なものしかない。
また、それなら300円均一の雑貨屋で売ってる、ありふれた白い時計でも良いじゃないか、という人がいるかもしれない。でも、デザインの完成度が違う。この時計は、均整のとれた数字や、3本の針の長さと太さのバランスが美しい。へんな言い方かもしれないが、デザインの志(こころざし)が高い。
たとえば、誰か年下の知り合いが一人暮らしを始めるとしよう。この時計なら引越し祝いにプレゼントしたいと思う。それは、価格差とかブランドではなく、ちゃんとした良い物を上げて応援したいという気持ちが込められると思うからだ。
2012年 9月 24日 00:00
やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです