やじうまミニレビュー
ラミー「LAMY2000」
筆記用具、とくにボールペンは、100円台の実用品から数万円の嗜好品、高級品に属するものまで、価格のレンジが幅広い製品だ。普段はもっぱら実用品で満足してしまう。しかし、少しいいモノを持ちたい欲が出てきた。
そこで選んだのが、もはや定番商品となっているドイツ、LAMYの「LAMY2000」だ。
メーカー | ラミー |
製品名 | LAMY2000 L401 |
購入価格 | 5,170円 |
購入店舗 | Amazon.co.jp |
なんといってもこの製品で重要なのは、現代のプロダクトデザインの源流、バウハウスの流れを汲む、ゲルト・アルフレッド・ミュラーの手によるデザインだ。なにしろ1966年に発売されて以来、一度もデザインが変更されていない。製品名にもなっている「2000」は、「西暦2000年になっても通用するデザイン」というコンセプトを表したもので、2009年の今から見てもまったく古さを感じさせない。
他色ペンだがトリガーは1つだけ | 先端とボタンのアルミニウムはヘアライン加工が施されている | 源流を辿れば同じところに行き着く、アップル製品と相性がいいのは当然か |
クリップ、ペン先、ボタンはいわゆるヘアライン加工が施されたステンレス。軸本体はマットな質感の樹脂製だ。特に高級感を感じさせるのが、本体の継ぎ目が離れてみるとほとんどわからないこと。軸の両端を持ったまま、ペン先側から見て時計回りにひねると、先端部とボタン部が分離し、中の芯にアクセスできるようになっているのだが、継ぎ目部分の工作精度が細かく継ぎ目が目立たず、一体感のある外観を演出するのに一役買っている。
多色ボールペンというと、色を選ぶトリガーが複数あるタイプがなじみだが、LAMY2000にはボタンが1つしかない。ではどうやって色を使い分けるのか。クリップの根本付近にあるカラー表示を見て欲しい。使いたい色を上にした状態でボタンを押せばその色が出る仕組みだ。使いやすさについては慣れもあり、複数トリガーがあるタイプとどちらが良いとは断言できない。しかし、デザイン面では1つのボタンにまとめたことで、スッキリとした仕上がりになっている。
このレベルまで寄らないと継ぎ目がきちんと写らない | 軸の両端をひねると、4色の芯にアクセスできる | 上がLAMY2000、下が1本157円の三菱鉛筆「ジェットストリーム」で書いた線 |
使用している芯の太さは0.5mmだが、安価な油性ボールペンやゲルインクボールペンと比べると、太めに感じる。書き味は、滑りがよく良好。欠点としては書き始めに少々かすれることがあるのと、色が薄めである点だ。しかしこの部分は、LAMY2000にお気に入りの芯を入れるため、汎用サイズの芯を加工して流用する猛者も多く、インターネット上にこうした情報はいくらでもあるので、それほど気にすることはないだろう。
このボールペンの価値は、やはりモノそのものにある。この価格で“一生モノ”のデザインが手に入るなら、私は高くないと思う。男女問わないデザインは、贈り物などにもオススメしたい一品だ。
2009年 10月 5日 00:00
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