家電製品ミニレビュー

シンプルかつ実用性が高い 無印良品×バルミューダの空気清浄機

無印良品が本気で作った空気清浄機

無印良品の「空気清浄機 MJ-AP1」

 今回紹介するのは、無印良品の「空気清浄機 MJ-AP1」だ。真っ白な円筒形に、丸いフィルターがセットされた、ごくシンプルな構造のもの。イオンも出さないし、加湿機能もない、「空気をきれいにするため」に作られた製品だ。

メーカー名無印良品
製品名空気清浄機 MJ-AP1
希望小売価格39,000円(税込)
購入場所無印良品ネットストア

 無印良品の家電製品というと、もしかするといわゆるOEMのイメージが強いかもしれない。家電製品本体は、ほかのメーカーが作って、デザインやパッケージを変えて、無印良品の製品として売るという手法だ。確かに一昔前はOEMの製品も多かった。しかし、最近の無印良品の家電は違う。デザイナーに深澤直人氏を迎えて作ったキッチン家電や、開発から関わって作ったサーキュレーターなど、とにかく力を入れているのだ。

 今回紹介する空気清浄機もそんな製品の1つ。GreenFanで知られる日本のベンチャー企業、バルミューダとタッグを組んで作っている。バルミューダでは360°フィルターを採用したAirEngineという空気清浄機を展開しているが、無印良品がその製品に惚れ込んだというのがそもそものスタートだったという。構造設計はバルミューダ、本体デザイン、生産は無印良品が担当している。

 本体はシンプルな構造。上部にファンが設置された円筒形の物体に、丸く穴が開いたフィルターをセットして使う。バルミューダの空気清浄機は、GreenFanと同じファンを使っているが、無印良品のファンは二重構造のデュアルカウンターファンを搭載している。周囲から空気を吸い込んで、フィルターを通過した空気を本体上部から放出するという仕組みだ。

製品本体
本体上部
本体背面

 フィルターは、消臭効果のある活性炭フィルターと、集じんフィルターを一緒にした「360°集塵脱臭フィルター」を採用。0.1μmのウイルスも除去できるという高性能なもので、1年に1回交換する必要がある。交換用フィルターは6,800円(税込)。

「360°集塵脱臭フィルター」
中は空洞になっている
1年に1回交換する必要がある。本体には使用開始日を書くためのシールが同梱されている

インテリアに馴染むシンプルデザイン

 本体は、バルミューダのAirEngineと比べるとかなりコンパクト。直径25cmで、高さは約50cm。このサイズでも適用床面積は30畳まで対応するという。デザインは、AirEngineのような勢いの良さや、攻めの感じはない。角がなく、柔らかで優しい印象だ。

 運転モードは、3段階の風量切替と、強モードにあたるジェットクリーニングモード、ホコリセンサーとニオイセンサーで室内を検知して、自動で運転を制御するAUTOモードが搭載されている。本体操作は、上部の操作ボタンで行なうが、実はこのボタンのアイコンデザインが、AirEngineのものとほぼ同じ。見た目やサイズは全く違うものの、バルミューダへの敬意が感じられるところだ。

バルミューダのAirEngineと比べてみたところ。AirEngineに比べるとかなりコンパクト
AirEngineの操作アイコン
無印良品の操作アイコン。AirEngineのアイコンと同じデザインを採用している
リビングに置いたところ。シンプルなデザインなので、置く場所を選ばない

 今回は約20畳のLDKで24時間AUTOモードで使った。ちなみに1時間あたりの電気代目安は、ジェットクリーニングで約0.9円、風量3で0.3円、風量2で0.2円、風量1で0.1円となっている。AUTOモードの場合、一概には言えないが、つけっぱなしで使っても1カ月の電気代は100円前後に抑えられそうだ。

 運転音はかなり静か。ホコリやニオイへの感度も良好。キッチンで料理を作っていたりするとすぐに風量を上げて対応してくれる。しかし、風量を上げても、会話やテレビの音の妨げになるほどではない。ジェットモードにするとかなり音は大きいが、AUTO運転ではそこまで風量が大きくなることはなかった。

約20日後にはホコリがびっしり……

約21日に1回程度、クリーニングボタンが点灯する

 良い意味で存在感がない製品だが、空気清浄の効果はバッチリだった。本体は、500時間に1回、フィルタークリーニングする必要があり、本体のメンテナンスランプが点灯する。24時間付けっぱなしで使っている場合、約21日に1回程度だ。

 フィルターのお手入れはごく単純なもの。フィルターを取り出して、付着したホコリやゴミを掃除機で吸う。フィルターには思った以上にホコリがびっしり……シンプルかつ単純な構造で、本体サイズもコンパクトだから、それほどホコリは取れないだろうと、どこかで疑っていたが、その気持ちは一気に吹き飛んだ。

 フィルターのホコリは掃除機で吸うとすぐにキレイになった。本体周囲のメッシュ部分にも細かいホコリが付着していたので、そこも掃除機で吸ってお手入れした。

21日間使い続けたフィルターは、ホコリがびっしり
掃除機で表面のホコリを除去する
掃除機で吸うとすぐにキレイになる

四角い空気清浄機が嫌な人に

 コンパクトながら、しっかりとした実力を備えた空気清浄機。考えてみると、ここまでコンパクトで、四角ではなく丸い形を採用した空気清浄機はこれまでなかったように思う。インテリアに馴染む空気清浄機を探しているのなら、ぜひチェックしてみて欲しい。

阿部 夏子