家電製品ミニレビュー

ドウシシャ「mood TOWER FAN MOD-TW1101」

~縦方向に幅のある風を送る! タワー型扇風機
by スタパ齋藤
ドウシシャ「TOWER FAN MOD-TW1101」

 家電Watch編集部から「貴様は発汗野郎でありかつ仕事場が日中35℃になるとボヤいているのを耳にしたので、新型のタワータイプ扇風機を試しなはれ」風なメールとともに、ドウシシャのmood(ムード)ブランド扇風機「TOWER FAN MOD-TW1101」が送られてきた。あっ、コレ昨日家電量販店で見て一瞬買いそうになったけど売り切れだったヤツだ!! むむむ。奇遇っていうかなんか……

 この「TOWER FAN MOD-TW1101」(以下、TW1101)は、文字通りタワー型の扇風機。ご覧のとおり、扇風機としては斬新めな意匠が施されたデザイン家電と言ってもいいだろう。「家電量販店で見て一瞬買いそうになった」と前述したが、タワー型扇風機を見に行って、ほかのタワー型扇風機がミョーに事務機器的な風情だったのに対して、このTW1101だけがスラリとキレイで目立っていてソソられたんであった。


メーカードウシシャ
製品名mood TOWER FAN MOD-TW1101
希望小売価格オープンプライス
購入場所楽天市場
購入価格12,000円


 さて、まずTW1101のサイズだが、310×310×1,150mm(幅×奥行き×高さ)で重量は約5Kg。この310×310mmというのは円形台座部の幅と奥行きで、上部の送風部などは約15cmの筒状になっている。直径31cmの円が収まるスペースがあれば設置でき、上部に延びる筒は直径約15cmってコトですな。

 

本体サイズは310×310×1,150mm(幅×奥行き×高さ)で、質量は約5Kg台座部は直径約31cmの円。安定性は十分だと感じられる胴体部は筒状。植物のような柔らかいイメージのデザイン

 操作は本体上部の操作パネルや付属リモコンで行なう。風は(床から)53cm~106cmの高さにある縦長の送風口からほぼ均等に出る。風の向きを自動的に変えるいわゆる「首振り機構」もあり、左右合わせておおよそ60度の範囲で首振り運転/風向き固定が可能だ。首振り運転時には本体前面のインジケーター(白色LED)が光る。なお、首振り運転時は本体内のファンが首を振るだけで、本体外側が動くことはない。

 風量は弱/中/強の三段階で変えられるほか、風量に強弱を付けて自然な風を再現した「リズム風」運転、リズム風運転を複合的に行う就寝時向けの「おやすみ風」運転を行える。オフタイマーは1時間、2時間、4時間、8時間を設定できる。

 ほか、本体背面上部には持ち運び用の取っ手とアロマケースがある。市販のアロマオイルをアロマケースに染み込ませることで、送風時に好みの香りを楽しめるというわけだ。ちなみに、本体カラーはホワイトとグレーが用意されている。

本体上部には操作パネルがある円盤状のリモコンが付属するリモコンは本体上部操作パネルに格納可能
矢印で示した範囲が送風口首振り運転時は5つの白色LEDを使ったインジケーターが明滅するオフタイマーも利用可能。動作状態は本体上部のLEDで示される
本体背面上部に取っ手。5Kgなので容易に設置場所を移動できる取っ手の下にはアロマケースがある市販アロマオイルを染み込ませれば、送風時に香りを楽しめる

 この扇風機を約2週間試用した拙者なんですけど、結果的には超気に入れたため、家電Watch編集部にお願いして売ってもらった。

 結果として買うほど気に入ったんだが、しかし、難点も少々ある。その難点の多くは「デザインに走りすぎて機能性が損なわれている部分」てな感じ。まずはそれら難点から見ていこう。

 まず、動作状態がよくわからないこと。動作状態を知るためには、本体上部の操作パネル部のLEDランプを確認する必要がある。操作パネル部の高さは床から約115cm。座った状態では確認できない。いったん立つ必要がありますな。え……イチイチ立つの? まあ、使い慣れれば風量やリモコンボタン押下回数などで動作状態がわかるが、しかし、動作状態を示すインジケーターが確認しにくい位置にあるってのは家電としていただけない。

 本体のデザインに合わせたと思われる丸いリモコンも少々使いにくい。ボタン位置や信号送出強度などは良好だと感じるが、使うときに毎回「向きを確認」する必要が出がち。丸いので、どちらが信号を出す側なのかが一瞬ではわからないのだ。まあこれも「moodって書いてある側が手前」的にすぐに覚えられると思うが、しかし、使い勝手が軽視されたデザインだと思える。

 ほか、首振り運転時に本体前面のLED(5個/横並び)が明滅するが、この明滅が「首振り運転を行っているかどうか」しか示さないのが残念。風の向きは示さないのだ。首振り時に風がどの方向に出ているのかがわかってもあまり大きな意味/メリットはないとは言えるが、白色LEDを5個も使ったLEDインジケーターなのになんだかモッタイナイような気がする。

 ほか、運転時、本体全体が微振動すること。これはデザインや機能とは関係なく、実使用上問題とならない点だが、見ていて気になる。高速で微振動している様子は、たとえば本体の送風口を見ていればわかる。白いプラスチックのスリットがピンボケしているように見える。あれ? と思って近寄って見ると、微振動だとわかる。まあでも微振動が騒音につながるとかいうわけではないので、ホントに問題ナシなんですけどね。

 そういったところが拙者が感じた難点である。が、ほかは非常に快適。だから前述のように買っちゃったんである。

 TW1101、最高にイイのは、椅子に座った状態でこちらに向けると、ちょうど腰~頭くらいに均等に風を受けられること。腰から頭あたりまでに同時に風を当てられるので、風量を多くしなくても体全体を快適に保てると感じる。

 ちなみにTW1101、弱/中/強の3段階に風量を調節できる。騒音は弱ならまあまあ静かだが、中や強となるとそれなりの騒音はある。騒音の質は高音成分が多めなので、ボーッとかゴーッって感じではなくてヒューッてなイメージ。拙者個人的にはうるささをあまり感じさせない音質だと思う。ともあれ、わりと静か=風量少なめな弱運転でも、座った拙者にしっかり涼を感じさせてくれる。

事務イスの脇に置いた様子。体全体に送風が行き届くので、弱運転でも十分涼が得られる外気温が少し下がってきたら、すかさず窓際に設置。涼しい空気を室内に送り込むのだフットプリントが小さく、本体もスリムなので、生活動線上に置いても邪魔になりにくい

 リズム風が使えるのもイイ。これは風量に強弱を付けて自然な風を再現する運転モードで、ホントに自然の風みたいな感じ。なので、長時間風を受け続けられる。扇風機からの送風の強さが同じだと、たとえば冷えすぎたり目が乾いたりして一時的に送風を止めたくなる。TW1101のリズム風だとこういった違和感が非常に少ないのだ。

 それからスッキリとしてたデザインも好印象。斬新なカタチなので生活感がナイというか所帯じみてなくてイイと思う。またそれ以上に、フットプリントの小ささが良い。直径31cmの円が収まるスペースがあれば設置でき、本体部分は直径約15cmの円柱。生活動線上近くに置いても邪魔になりにくい。「扇風機買っても置く場所がなぁ」って問題、TW1101などのタワー型扇風機では起きにくいんですな。

 てなわけで拙宅にて大活躍中のTW1101。椅子に座って仕事中に使えば室温が30℃を超えても集中力が落ちない。エアコンと併用すれば、冷房温度設定30℃でも非常に涼しい!! それから窓際にTW1101を置いて外の風を室内に導くとグッと室温を抑えられるので、サーキュレーター的にも利用している。

 このTW1101には前述のような難点があるので、ソコがかなり気になるという人にはオススメできない。が、タワー型扇風機には、たとえば省スペース性や、あるいは「縦方向に幅のある風を送れる」という独特の快適さなど、普通の扇風機と比べたときにメリットと感じられる部分も多い。実際に使ってみると意外に快適だったりするので、未体験ならゼヒ、タワー型扇風機全般をチェックしてみてほしい。






2011年7月19日 00:00