家電製品ミニレビュー

GLOBAL「ソーラー・パスウェイ・ライト」

~設置が超簡単な庭用ソーラーLEDライト
by 藤原 大蔵

ソーラー・パスウェイ・ライトを実家の歩道に取り付けたところ
 “ソーラーLEDガーデンライト”というものをご存知だろうか。電源がとりにくい屋外でもソーラーパネルで発電するため、配線工事が要らない、庭園用の照明器具だ。光源は低電力のLEDのため、充電池に蓄えられた電力だけで点灯でき、しかも内蔵する光センサーで、明るさに応じて自動的に点灯/消灯してくれる機能も備えている。

 その仕組みから高額商品かと思いきや、大きめのホームセンターで一個800円ぐらいから購入できる。これなら、夜は足元が真っ暗になってしまう実家の庭に取り付けたらさぞ便利だろうなぁ、と購入を考えたが、本当に使えるものなのかイマイチ半信半疑だったため、二の足を踏んでいた。

 そんな折、アメリカを旅行した際に、日本にも「会員制倉庫型店舗」として進出しているコストコにて、同じタイプの製品を見つけてしまった。しかも「10個セットで40ドル(約3,700円)」というお手ごろ価格! 箱は420×185×230mm (幅×奥行×高さ)、重さは3.5kgと、手荷物でも持ち帰れるレベル。とにかくその安さに目がくらみ、旅行中の勢いにも後押しされ、衝動買いしてしまった。

メーカーGLOBAL
製品名Solar Pathway Lights
(ソーラー・バスウェイ・ライト)
購入店舗COSTCO(アメリカ・シアトル)
価格40ドル(約3,700円)

 結果としてその衝動買いは「大正解!」。その設置の手軽さ、その使用感がとても良く、大変気に入った。アメリカで購入したものをここで紹介するのはためらわれるが、同じような製品は日本でも簡単に購入できるので、その参考になればと願いつつ、今回はこの「ソーラー・パスウェイ・ライト」を紹介したい。

アメリカのコストコで購入した、グローバル社の「ソーラー・パスウェイ・ライト」箱の中には10個のライトがぴっちりと入っているが、重さは3.5kgほど

ほんのりとした明るさ、光も拡散する構造

左から、杭、支柱、ブラケット
 まずは、パーツの構成や特徴を紹介しよう。箱から中身を取り出すと、先端装飾のついたガラス製のブラケット、支柱、そして地面に差し込む杭が10セットずつ入っている。ガラス製のブラケットではあるが、1セットのトータルの重さ290gと軽い。女性でも簡単に扱える重さだろう。

 ブラケットの傘に重要な部分が集約されている。傘の上にはソーラーパネル、光センサーが埋め込まれている。傘はひねるとブラケットから簡単に外れ、その裏側には本体スイッチ、LEDリフレクターがあり、その中にはLEDが透けて見える。さらに内側には、単四型のニッケル水素電池が一本入っている。

ブラケットから傘はネジ式で簡単に取り外しができる傘の上部には光センサー、ソーラーパネルが透明な樹脂に埋まっている
傘の下部には本体スイッチがある。LEDレフレクターの内側にLEDランプがのぞく傘の内側には充電池が内蔵されている。取扱説明書によると、年に一度は交換するとのこと。そのたびにドライバーは必要になる

 本体のスイッチを入れて、周囲が暗ければLEDが光る。LEDは高輝度LEDではないのだが、ブラケットはキラキラと光り、その光りは四方八方に拡散する。LEDの回りには、光を乱反射させるリフレクターがあり、ブラケットの底に向かう光も、ドーム型の反射鏡で拡散する仕様になっている。さらに、凹凸のある「レンズガラス」もあり、これもまたLEDの光を拡散する効果がある。

 光色は電球に近い色味で、その明るさは最大で15lxぐらい。ライターを30cm離したぐらいの明るさにといったところだろうか。想像していたよりも、ちょっと暗いなーという印象ではあるが、視認性は十分に確保できそうな印象ではある。

本体スイッチをオンにして暗いところで点灯した様子。たった一個のLEDだが、器具全体が美しく輝くレンズガラスを採用したブラケットから、特徴のある光が拡散する。明るさは15lx
ブラケットはガラス製で、凹凸のあるレンズガラスでできている。ブラケット底にはLEDの光を反射するドーム型の反射鏡がとりつけてあるリフレクターを外してLEDを点灯した様子同じ条件で撮影したが、リフレクターがあるだけで光が乱反射を起こし明るく感じる


組み立ても設置もあっという間。ただし、使用前にはしっかり充電が必要

組み立ては一瞬。支柱にブラケットと杭を差し込むだけ。支柱からブラケット先端までの高さは300mmほど
 器具の特徴がわかったところで、さっそく組み立て・設置したいところだが、その前に必ずしなければならない事がある。それは、充電池をフル充電させる事だ。取扱説明書にも「使用する前に必ず12時間は太陽光にあてて、フル充電するように」とある。充電自体は簡単。本体のスイッチをオンにしてとにかく丸一日中太陽光を浴びせる。夕方にはスイッチを切り、その次の日の午前中に設置すれば、12時間は十分に太陽光があてられる。

 組み立てはとても簡単。まずは、傘の内側にある本体スイッチをONにする。次に、支柱に充電の済んだブラケットと杭を差し込む。これでおしまいだ。10セットあっても、組み立ては1分ほどで完了。道具も要らないので、あっという間だった。

 組み立てが済んだら、屋外の望む場所に1つずつ差し込んでゆく。できるだけ地面に垂直になるよう、気をつけながら行なえば良い。杭の根元まで地面に刺さると、ちょっと触れるぐらいでは傾かないほどきちんと安定する。もし失敗しても引き抜いてまた差し込めばいいだけなので、季節や気分に合わせて簡単に変更も行なえるだろう。

 ただし、その設置場所を選ぶとき、1つ忘れてはならないことがある。太陽光を利用して充電するので、できるだけ日陰にならない場所を選ぶことが重要だ。十分に太陽光があたらないと満足な充電ができず、点灯しない場合も考えられるからだ。

数センチ地面に差し込み、地面に垂直になるように調整してから、体重を軽くかけてゆっくりと差し込む杭の部分が完全に埋まるとしっかり安定する茂みの中に取り付ける場合は、ソーラーパネルが太陽に当たるように設置する

 今回は、夜は暗く足元が見えづらい、実家の玄関までの歩道に沿って設置した。歩道に沿って1mおきに8つ並べ、残り2つをその先にある階段付近に取り付けた。変更も加えながら設置を行なったのだが、小一時間ほどで完了。あれこれと悩んだが、それもまた楽しい時間であった。

庭の歩道に1m間隔に設置した設置した器具を反対側から見る。整然と並べるとなかなかカッコイイ暗くなりがちな階段にも2つ取り付けた

ほのかな灯りがとてもロマンティック!

 日没後、空が蒼色になった頃、ポツリポツリと点灯が始まる。光センサーの精度がそれぞれ違うため、ばらばらに点灯が始まるのだが、最初の一灯目が点灯してから、10分以内には10個全てが点灯した。

 室内で点灯した時はちょっと暗いけど大丈夫かな、と心配だったが、屋外ではキャンドルライトのような明るさでも十分で、足元を確認しながら歩く事ができた。レンズガラスを通った光は拡散するが、その光の軌跡には少々クセはある。しかし、それが連続した時の表情は決して悪くない。その明るさは奥ゆかしく、闇とのコントラスト、ほんのり届く街の灯りとのバランスも良く、見入ってしまうほど美しいと感じた。

夕暮れ時になると自動的に点灯する。細かいことを言うと、LEDの光色のばらつきが多少あるが、あまり気にならない程度だった階段の手前にも設置した階段の花壇の様子
敷地の外から階段を眺めた様子。真っ暗な家でも庭に灯りが灯り、良い雰囲気に見える夕暮れ後の蒼い自然光と、暖かみのあるLEDライトのコントラストが美しい少し遠景から見たところ。LEDライトは決して煌々と明るいものではないが、街の灯りとのバランスも良く、暗さにさえ柔らかさが加わったようだ
ライト一灯だけでは、なんだか物足りないしかし、それが連続していれば暗さはずいぶん解消でき、夜でも安心して歩く事ができるようになった

とにかく天候に左右される点には注意

 設置も簡単で、美しく庭の歩道を照らし出してくれるソーラーガーデンライトだが、欠点はある。設置してからまるまる一週間様子をみたのだが、とにかく天候に左右されやすい。

 フル充電されている場合、2日間は10個全てが明け方までしっかり光っていた。しかし、1日でも曇りの日が入ると、設置場所にもよるが、3~6時間ぐらいで消えてしまうものが現れる。悪天候が2日間も続くと、数時間で消えてしまうものさえあった。充電池の性能のばらつきもあるようだし、設置場所の影響も受けやすいのだが、とにかくきっちりと直射日光が当たらないと十分な充電ができない印象だ。

 ただ、早々に消えてしまうものがあっても、「今日は天気が悪かったしなぁ……」と、妙に合点がゆき、それはそれで自然を感じて面白い。…日が沈み、ふと庭に目をやると、ほのかで優しい光が粛々と庭を照らし出す。つい部屋の灯りをつけるのを忘れ、その風景をいつの間にかボンヤリと眺めてしまっている自分が居る。そんなゆったりとした楽しい時間が生活に加わった事は、ちょっとした革命的な出来事だった。



 天気に左右される以上、多少ムラのある製品ではある事は否めない。しかし、電源や電気代を気にすることなく、気軽にガーデンライトを導入したいと考えている方にはぴったりの商品だ。同じような製品は、日本でも800円ぐらいから購入できる。明るさが抑え目なので、できれば複数個を同時に設置するのがお薦め。夜は庭の風景が一変し、それまでとは全く違った風景を作り出す事ができるだろう。



2010年4月2日 00:00