家電製品ミニレビュー
玉露のうまみをゆっくり抽出! 日本茶に特化したカプセル式マシン「ネスレ My T.」
by 西村 夢音(2015/10/28 07:00)
お茶が好きで、煎茶や玄米茶、ほうじ茶などをよく飲んでいる。特に、朝に飲むお茶はゆるりと体を温めながら、カフェインの効果で寝起きの頭をしゃっきりさせられるので重宝している。
今回は、日本茶の抽出に特化したネスレのティーマシン「My T.(マイティー)」を紹介しよう。カプセル式で、本格的な日本茶を手軽に楽しめる製品だ。
メーカー名 | ネスレ日本 |
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製品名 | SPECIAL.T My T.(マイティー) |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 12,800円 |
本体背面に給水タンクを備え、水を入れて専用のカプセルをセットし、ボタンを押すだけでお茶を抽出できる。給水タンクには、イオン交換樹脂と活性炭を含んだ浄水フィルターが付いているため、水道水のカルキを取り除けるという。
本体サイズは、161×306×266mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約2.9kg。タンク容量は1.5L。本体カラーはプレミアムレッドとホワイトパールがあり、今回はレッドを使用した。
専用のカプセルは、福寿園と共同開発した「京の匠 福寿園シリーズ」として、「玉露/かぶせ茶/煎茶/ほうじ茶/玄米茶」の5種類を用意。カプセルは完全密封構造で、茶葉の味と香りを新鮮なまま保てるという。
カプセルにはそれぞれチップが搭載されており、それぞれの茶葉に適した湯温や抽出時間を本体が自動で設定してくれる。抽出時の湯量は一定で180mlだ。
価格は、「玉露」が3個入りで2,592円、「かぶせ茶」が10個入りで2,160円、「玄米茶/煎茶/ほうじ茶」はいずれも10個入りで756円(税込)。
2013年発売の、紅茶に特化したティーマシン「スペシャルティー」の専用カプセルとの互換も可能。だが、「玉露」カプセルは、マイティーのみでしか抽出できない。
というのも、玉露は約40℃と低温での抽出が適しており、スペシャルティーは紅茶に適した約80℃の湯温のみに対応するためである。マイティーは、40℃、80℃どちらの湯温にも対応している。
玄米茶のふわっと広がる香ばしさ
まずは、玄米茶の抽出。カプセルをセットして正面の「T.」ボタンを押せば、後は抽出完了を待つだけ。最初に少し動くといったん止まるのだが、これは中で茶葉を蒸らしているため。抽出中はボタンが白色に点滅する。
玄米茶は、煎茶と炒り米をブレンドしたもので、抽出していると次第に香ばしさが広がってくる。ボタンが白色に点灯したら抽出完了だ。所要時間は2分ほどであっという間だった。
やさしい味わいで、冷えた体をほっとさせてくれる。玄米茶は80℃ほどの湯温で抽出されていたので、体を温めながら飲むことができた。
甘くてまろやか! 玉露は低温でゆっくり抽出
次に試したのが、マイティーでしか抽出できない「玉露」カプセル。玉露は、通常の煎茶と異なり20日以上“被覆”し、日光による光合成を遮ることでアミノ酸が茶葉に残り、ほかにはない甘みや旨みが凝縮されているという。玄米茶や煎茶カプセルは既に販売されているが、玉露は11月中旬の販売を予定している。今回は一足先に試させていただいた。
運転をスタートさせると、玄米茶のときよりもゆっくり抽出しているのがわかる。蒸らし時間が長く、抽出完了までに約3分掛かった。なお、玉露を抽出する際は急須に淹れるのがオススメだという。
しかし、抽出口と本体の間が狭く、丸みが大きく口の狭い急須だと漏れてしまった。自宅にあるほかの急須やティーポットで試してみても厳しい……。しかたなく口を傾けて淹れてみたが、ヤケドの可能性もあるので口の広い急須を使った方が良い。
急須に淹れたあとは、湯のみに移して飲む。1度に抽出される量は180mlで、湯のみだと4杯分ほど。家族で飲んだり、来客の際に振る舞うのにちょうど良い量だ。
実際に飲んでみると、低温でまろやか! 玄米茶のときと操作は一緒なのに、温度の低いお茶が抽出されていて驚いた。カプセル内のチップがきちんと認識しているのがわかる。玉露を飲むのはほとんど初めてだったが、今までに飲んだことのない味わいで甘みとまろやかさがある。この味を自分で再現するのは難しそうなので、値段は高いがカプセルで簡単に飲めるのは嬉しい。
しかし、急須でわざわざ淹れるのは面倒。1人で飲むなら、200ml入る湯のみでまとめてしまえば良いのでは……? と思い試してみた。すると、少量で飲んだときの繊細な甘みやまろやかさが薄れてしまっていた。
玉露はガブガブ飲むというよりも、ゆっくり落ち着きたいときに、ちょっとずつ味わうためのお茶だなと感じた。急須に淹れる必要性を感じたので、玉露カプセルの購入を考えている人には、ぜひ急須を使っていただきたい。
抽出量や濃さ、グラデーションカラーも設定できる
カプセルにはチップを搭載しているので、自動で全て設定してくれるが、より好みの味に仕上げたい人向けに、濃さや湯量を調節することもできる。
濃さを調節する場合は、運転ボタンの両端にある「-」か「+」のボタンを押す。濃さは5段階で設定でき、中央の葉っぱが標準の濃さの目印となる。
湯量を調節するときは、スタート時にボタンを押したらそのまま押し続ける。ボタンから指を離すと抽出が止まるので、好みの量になったら離せばOK。湯量は50ml~500mlで設定可能。
なお、本体脇がライトアップするグラデーションカラーも10色から選択できる。
電源ボタンの奥にあるボタンを押すごとに色を変えられるが、初期設定のホワイトが本体のレッドカラーにマッチしていると感じた。
手入れも簡単! カプセルは自動で落ちる仕組み
カプセルは、手入れが簡単なのもポイントのひとつ。粉末などを使わないためフィルターの掃除などの手間がない。また、カプセルは使用後、投入口のレバーを開くだけで自動で下部のコンテナに落ちるため、わざわざ取り出さなくて良い。コンテナや水受けトレイは食洗機にも対応している。
タンクは浄水フィルターを備えているため、食洗機は不可だが水洗いで十分キレイになるという。しばらく使用しないときは、浄水フィルターを外し、本体はしっかり乾燥させておく。
なお、浄水フィルターは1日2杯使用した場合、約2カ月半が交換目安になるという。