家電製品ミニレビュー

みじん切りや大根おろしに威力を発揮「BONABONA フードプロセッサー」

BONABONA フードプロセッサー

 時短調理の強い味方、フードプロセッサー。しかし、気合を入れて高級路線に走っても、場所をとるから、重たいから、手入れが面倒だからと、ほどなく使わなくなるなんてことがありがち。というわけで、今回は省スペースさがウリだというシー・シー・ピーの「BONABONA フードプロセッサー」を試してみた。

 ファーストインプレッションとしては、モノトーンの外観が気に入った。海外の調理家電のような配色で個人的には好きだ。派手な色が入っていないので出しておきやすい。コンパクトで、本体底面には滑り止めの吸盤がついているため、全体が軽くても安心して利用できるようだ。苦手なものもありつつも、いろんなメニューに活用できて、出しっ放しにして気軽に使えそうな製品だ。

メーカー名シー・シー・ピー
製品名BONABONA フードプロセッサー
品番BZ-FP77
購入場所Amazon.co.jp
購入価格6,458円

軽くてコンパクトなフードプロセッサー

 BONABONAは、容量520mlのカップに、みじん切りカッターとすりおろしプレートがセットになった製品。サイズは、186×155×255mm(幅×奥行き×高さ)で、重さはみじん切りカッターをセットにした状態で約1.2kg。カップとフタがプラスチックなので、片手で持てるくらいの軽さだ。

 本体には、電源ノブがついており、ON側に回すと連続運転、PULSE側に回すと回している間だけ作動する間欠運転が可能となる。回転数は1分間に3,500回転。ここに概ね2~3cm角にカットした材料を入れる。1回に使用できる食材は100~200gが目安だ。

スッキリしたデザインでコンパクト
ふたもプラスチックなため、容器全体がとても軽いので扱いやすい
電源ノブを回すことでスイッチが入る
容器を外した状態
すりおろしプレートが付属する

 みじん切りカッターが使えないのは、コーヒー豆、すじの多い肉、氷、するめなどの硬い物。納豆、長芋、アロエなどの粘りけの強いもの。ねぎ、ゴマなどの小さいものとなっている。

 すり下ろしプレートの場合は、よもぎ、セロリ、玉ねぎなど繊維質が多い硬いもの、粘りけの多いものはNGだ。

パワーはやや弱め。みじん切りは得意だがスムージーには向かない

 試してみたのは、定番の玉ねぎのみじん切り、大根おろし、チキンナゲット、スコーン、スムージー、サルサソースの6品。

玉ねぎのみじん切り

 まず玉ねぎのみじん切りだが、これは断続的なPULSE運転にすることで、結構いい具合にカットすることができた。パワーが強すぎるとあっと言う間にペースト状になってしまうものもあるが、本品の場合1分間に3,500回転というスピードがプラスに働いている模様。遠心力で壁面に飛んでしまい、ペースト状にはなりにくいようなので、粗みじん切りにしたいときにオススメだ

 ただし、みじん切りカッターと底の隙間に入り込んでしまった玉ねぎは、そのまま最後まで残ってしまった。

ざく切りにした玉ねぎを入れる
様子を見ながらPULSE運転した結果。粗みじん切りに向いている
大根おろし

 続いて大根おろし。手で下ろしたような繊維のなめらかさはないものの、かなり細かく下ろせるようだ。

 作るときは付属のすり下ろしプレートを使用する。セットすると空中に浮いたような状態になる。その上にカットした大根を乗せてスイッチを入れると、プレートが回転し、その上で大根が高速で転がるようにしてすり下ろされる。細かくなった大根は遠心力でカップの縁に飛ばされ、そのままプレートとカップの縁の隙間から底へ落ちていくようである。こうして、プレートの上に大根がなくなったら終了だ。

 底付近に刃のあるみじん切りカッターと違い、プレートの上に乗せられる食材の量が限られるため、1度に大量の大根おろしを作ることは難しいが、かかり切りにならなくて済むのでよさそうである。

すり下ろしプレートをセットし、上に大根を乗せる
すり下ろし後の様子。壁面から底に落ちるようだ
みぞれのような大根おろしができた
チキンナゲット

 細かく刻みながら混ぜる料理の1つがチキンナゲット。特に鶏むね肉は細かく砕いてチキンナゲットにすると、特有のパサつき感も抑えられておいしくいただけるうえ、お財布にも優しい。

 というわけで、皮を取り除いて2cmほどにカットしたむね肉1枚分に、塩胡椒、マヨネーズ、醤油、お酒、つなぎに小麦粉、卵1個を一緒に入れてPULSE運転からの連続運転をすること約30秒。混ざった種をスプーンですくって油で揚げればチキンナゲットの完成だ。むね肉1枚で、約10個作れる。

 当然のことながらむね肉はミンチになるわけだが、 完全にペースト状というわけではなかった。全体にドロッとした粘りがでるせいもありそうだが、みじん切りカッターもやや重たそうな動作をしていた。チキンナゲットを作るという目的は達成できるが、ややパワー不足だなと感じた。

材料を全部入れて攪拌する
ナゲットのもとができた。包丁で叩くよりも遙かにラクだ
スプーンですくってきつね色になるまで揚げると完成
ホットケーキミックスのスコーン

 フードプロセッサーにお任せすると超ラクだと思っているのがスコーン。固形バターを砕きながら手早く粉に混ぜ込むのに便利なのだ。上手に使うと混ぜるのに10秒とかからず、準備から焼き上げまで30分未満で終えることができるのである。

 普段は200g入りのホットケーキミックス1袋を使うが、BONABONAは、コンパクトながらいつも通りの材料をすべて入れることができた。しかし、PULSEからの連続運転で攪拌してみたのだが、固形バターの塊を残したまま、あと少しのところで生地が固まって動かなくなってしまった。悪くなかったのだが、こちらでもやはりパワー不足を感じる結果になった。

ホットケーキミックス1袋、固形バター、砂糖、牛乳を入れて攪拌する
このくらいでカッターが回転しなくなった。手前に固形バターが見える。成形時にカバーできるレベルだが、あと少しがんばってほしかった
成形してオーブンで焼くとこの通り。準備から食べるまで30分とかからない
グリーンスムージー

 容器の中でカッターが回転するなら、ついでに作れて嬉しいのがジュースではないだろうか。というわけで、小松菜、りんご、バナナと水を入れて回してみた。

 そこそこのスムージーができるかと思ったのだが、残念ながらできあがったのは、砕き切れていない粒と、泡立ちがたっぷりのジュースであった。飲んで見ると、バナナ以外の素材の粒が感じられ、明らかにジューサーとしては使えないことが分かった。

小松菜、りんご、バナナと水を入れて攪拌する
どれだけ回してもこれ以上は細かくならなかった
小松菜が細かくならないためジュースの色がつかず、あわっぽくなってしまった
サルサソース
サルサソースを一気に作るにはちょうどいいようだ

 玉ねぎのみじん切りの出来具合やグリーンスムージーの様子を見ていて、もしかして向いているのではと思ったのはサルサソースだ。そこで玉ねぎ、トマト、ピーマン、塩胡椒、お酢、タバスコを入れて混ぜてみたところ、予想通り!

 トマトは包丁でカットするよりは細かくなってしまうが、具合を見ながら攪拌することで、粒感を残したソースを簡単に作ることができた。これなら形は不揃いになるが、キュウリや茄子を使った“だし”作りにもよさそうだ。

クセを知れば便利に使える!

フードプロセッサーと仲良くなると、作りたい料理が広がる!

 あれこれ作ってみた結果、苦手なものもかなり見えてきたが、クセを上手に活用することで美味しい料理を作ることも可能だと分かった。筆者はチキンナゲットをまとめて作って冷凍保存しておき、食べたいだけ温め直してサルサソースでいただくなどして楽しんでいる。

 コンパクトで場所を取らないし、音も比較的控えめ。カップとふたをしっかりセットしないと作動しないよう安全面も考慮されているのでフードプロセッサーデビューでも気軽に利用できるだろう。

すずまり