家電製品ミニレビュー

実用性高めで多様に使えるブラック・アンド・デッカーのスティッククリーナー

ハンディでもスティックでも使える充電式掃除機

ブラック・アンド・デッカー「ORA(オーラ) CS3250」

 家電Watch編集部から「貴様は充電式掃除機大好き野郎だから、最近登場した充電式掃除機を試しなはれ」風なメッセージとともに、ブラック・アンド・デッカーの「ORA(オーラ) CS3250」が送られてきました。あ。コレ、スティック型としてもハンディ型としても使えるアレでしょ♪

メーカー名ブラック・アンド・デッカー
製品名ORA(オーラ) CS3250
希望小売価格57,000円(税抜)
購入場所Amazon.co.jp
購入価格53,784円

 「ORA(オーラ) CS3250」(以下、ORA)は、アメリカの電動工具メーカーであるブラック・アンド・デッカーがスティッククリーナー日本国内市場へ本格投入した新製品です。世界に先駆けて日本で発売したという力の入れようで、2014年10月の発表時にはけっこー話題になりましたな。

 ORAの最大の特徴は、充電式(コードレス)でありかつスティック型としてもハンディ型としても使える点。ハンディ型として使ったときは伸縮式の蛇腹ホースを使うこともできます。スティッククリーナー、ハンディクリーナー、蛇腹ホース式の3WAY掃除機になるというわけです。

スティッククリーナー、ハンディクリーナー、蛇腹ホース式の3WAYで使える充電式(コードレス)掃除機です
赤矢印のボタンを押すと、スティッククリーナーからハンディクリーナーが分離します
このようにハンディクリーナーとして使えるようになります
スティッククリーナーとして使っている様子
電源ボタンは手元にあります。ヘッド内ブラシの回転のオンオフも手元で操作できます
ハンディクリーナーとして使っている様子
先端を引き出せば蛇腹ホース式クリーナーとして使えます。蛇腹部は60cm程度まで伸ばせます
ハンディクリーナーの電源ボタンも手元にあります

 なかなか便利そう♪ ちなみに集塵方式は12気筒サイクロン式です。ダストボックス容量がいっぱいになるまで、99.9%の吸引力を維持するそうです。バッテリーは32.4Vの大容量リチウムイオン電池で、パワーブラシ使用時で最大25分の連続運転が可能。満充電までにかかる時間は約4時間となっています。ともあれ、早速試用してみました。

十分な吸引力と快適な操作性

 まずはスティッククリーナーとしてのORAについて。試用開始直前に思ったのは「重い……」ということです。本体質量は約3.6kgあり、重心がわりと下方にあり、持ち手が上部にあるので、「スティッククリーナーとしては重いな~」と感じました。

 が、実際に使ってみたら、重さはほとんど気になりませんでした。スティッククリーナーとしてのORAは、基本的にいつもヘッドを床に着けた状態で使います。ヘッドは脱着できません。いくつかのツールは付属しますが、それらはハンディクリーナーとしてORAを使うときのためのもの。

 ともあれ、スティッククリーナーとしては重めのORAですが、実使用時は重さを床が支えるかたちになるので支障はありませんでした。また、ヘッド部はよく動き、よく転がる感じ。なので、フローリングを軽快に掃除できます。

スティッククリーナーとしてのORAは、本体質量が約3.6kg。けっこー重めですが、基本的に床を転がして使いますので軽快に扱えます
ヘッド部には電動回転ブラシが内蔵されています。ヘッドは固定式で脱着できません。ヘッド幅は約27cm
ヘッド前方には十分な隙間があるので、大きめのゴミも弾かずに吸い込めます
ヘッドの床に当たる部分。基本的には4つのホイールで床を動かすことになります。軽快ですが、床を転がる音が若干の騒音を生みます
赤矢印で示したボタンを押せば、ヘッド上部のカバーや回転ブラシを一瞬で外せます。メンテナンスもラクですな
電動回転ブラシには4種類の硬さや素材の違う毛が植えられていて、フローリングやカーペットに関わらず大きなゴミも微細なゴミも効率良く掻き取ります
ヘッドは軽快に動かせます。上下左右にスイスイ動く感じ
このように90度左向きになります
90度右向きにも

 フローリングやカーペットの上を軽快に動かせるORAですが、フローリングで使った場合、ヘッドが床の上を転がる音が若干気になるところです。夜間に使うのはちょっと気が咎める感じ。

 吸引力は十分強く、使った範囲では「吸い残し」のようなものは見当たりませんでした。コードレスのスティッククリーナーでは吸い残しがちな「鉱物系の猫砂」こと「細かな石粒」もしっかり吸い込んでくれました。ただ、動作音もそれなりに大きく、静かではありません。この点も夜間は使いにくいかも、です。

 充電やゴミ捨てに関しては、なかなかよくできているという印象。専用の充電台に本体を置けば、本体が自立しつつ充電されます。使用時はそこから少し持ち上げて床に置いて掃除を始めるだけ。思い立ったときにすぐ掃除できます。ダストケース部の機構がシンプルなので、ゴミ捨てもしやすいです。

赤矢印のボタンをスライドさせればダストケースを取り外せます
ダストケースは、こんなふうに横にスライドして取り外せます
ダストケースの左側全体が開き、たまったゴミを捨てられます
付属の専用充電台に本体を置いた様子
充電状態は本体左側のLEDインジケーターに示されます
充電台背面には付属ツール(後述)を全て収納できます
もちろん、ハンディクリーナーだけを分離することもできます

 ちなみに、写真の充電台は、だいたい30×30cm程度のスペースがあれば置けます。狭いスペースに設置でき、すぐに手に取って掃除でき、付属ツールも収納可能と、なかなかコナレた作りだと感じました。

何かと便利に使えるハンディクリーナー

 それからハンディクリーナーとしてのORAについて。まず結論から言ってしまえば、ハンディクリーナーとしては吸引力が十分強く、またアタッチメント類も充実しています。スティッククリーナー状態からすぐ外せてハンディクリーナーとして使えるところまで含め、非常に実用性が高いと感じられました。

 とくに「多彩に使える感じ」が良かったです。ハンディクリーナーとしてのORAでは、5種類の付属アタッチメントを使うことができ、「スティッククリーナーとしてのORAより活用幅が広い」と思ったりも。ともあれ、どういう感じで使えるのか見てみましょう。

ハンディクリーナー状態のORA。この状態で質量は約2.05kg(実測値)でした。ハンディクリーナーとしては少々重めですな
そのままテーブルや棚の上などの狭い場所を掃除できます
蛇腹ホースを伸ばせばより快適に掃除できます。さらに付属のショルダーストラップを使えば重さをあまり気にせず掃除できます
付属ツールは5種類。左から、「延長ノズル」「ロングブラシノズル」「先細すき間ノズル」「2in1コンビネーションノズル」「ファブリック&ペットノズル」です
「ロングブラシノズル」を装着した様子。このノズルはブラインドなども掃除できます
「延長ノズル」の先に「ロングブラシノズル」を装着した様子。高所の掃除もラクに行なえるようになります
高い場所にたまったホコリを掃除中。冷蔵庫の上や棚の最上段などの掃除にも向きます
「先細すき間ノズル」を装着した様子
隙間掃除にはもちろん、角の掃除にもよく向きます
「2in1コンビネーションノズル」を装着した様子。ブラシ部を格納し、四角いヘッドで掃除することもできます
棚の上など狭い箇所にたまったホコリの掃除に便利です
「ファブリック&ペットノズル」を装着した様子
フトンなどの布類の掃除に向きます。ペットの毛を掻き取る効果も高く、ペットの寝床掃除にも役立ちます

 ワタクシ的な使い方の場合、一日中役立つORAとなりました。具体的には、朝の掃除機がけ時にスティッククリーナーとして使い、その後は「ちょっとゴミが出たときの掃除」にハンディクリーナーとしてORAが役立ちました。使わないときは常に充電中なので、いつも満充電から十分な吸引力とともに使えて快適でした。

 ハンディクリーナーとしてもスティッククリーナーとしても、なかなかの使い勝手と吸引力があるORA。ですが、同時に「わりと汚れやすいかも」とも感じました。というのは、本体内のダストボックス周辺に細かなゴミがたまりやすい感じ。ダストボックスには吸引したゴミがたまるわけですが、その付近のサイクロン機構やフィルターなどにもゴミがけっこう付着します。まあ、それだけゴミをよく吸っている証拠だとも言えますが。

 ともあれ、そんな感じなので、わりと頻繁にメンテナンスする必要が出ます。ただ、メンテナンスはわりとラク。それは、ORAのダストボックス周辺が分解しやすいから。また、サイクロン機構を水洗いできちゃうのも、ナニゲに凄い仕様かもしれません。

ORAのダストボックスやその周辺は、写真のように外せます。本体から外したパーツは形状的にもシンプルなのでメンテナンスしやすいですな。またこれらパーツは水洗い可能。写真右のサイクロン機構まで水洗いできるのは驚きです
本体右側。空気が流れる部分で、カバーにもゴミが付きがちです。黒く丸い部分はフィルダーで、ここにもゴミが付着しやすいです。が、こんなふうに分離できます(フィルターも外せます)のでメンテナンス自体はラクに行なえます

 てな感じのブラック・アンド・デッカー「ORA(オーラ) CS3250」。コードレスのスティッククリーナーやハンディクリーナーを探している人には「刺さる要素」がけっこー多い掃除機だと感じました。ただ、お値段もわりとお高めで、直販価格は53,784円(税込)です。とは言え、いろいろな観点から実用性を感じられる掃除機だと思いますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

スタパ齋藤