家電製品ミニレビュー

“さすが”と思わせるパナソニックのスティッククリーナー

2WAYで使える国産コードレススティッククリーナー

パナソニック「充電式掃除機 MC-BU100J」

 家電Watch編集部から「貴様は充電式掃除機派だから、新発売のコードレススティッククリーナーを試しなはれ」的なメッセージとともに、パナソニックの「充電式掃除機 MC-BU100J」が送られてきました。おっ、久々の国産コードレスクリーナー♪ 鋭意試していきますよ~。

メーカー名パナソニック
製品名充電式掃除機 MC-BU100J シルバー
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格24,591円

 「充電式掃除機 MC-BU100J」(以下、BU100J)は、その名のとおり充電式掃除機で、コードレスで使えるスティック型クリーナーです。充電は専用の充電台で行ない、電池が空の状態から満充電までにかかる時間は約5.5時間。満充電の状態から最長約30分間使えます。

 特徴的なのは、2WAYで使える点。スティック型クリーナーとして使えるのに加え、バッテリー/モーター部を本体から外せばハンディクリーナーとしても使えます。

付属の充電台。付属のACアダプタをつないで使います。幅28×奥行き23cmくらいのスペースがあれば置けます
充電台に掃除機をセットすれば充電されます。掃除機本体は充電台のスペースより外に出ることはありません
充電台には3カ所の切り欠き部があり、ここにハンディクリーナー用のアタッチメント(2個)を収納できます
スティッククリーナーとして使うときのカタチがコレです
本体横の取り外しボタンを押せば、ハンディ部を外せます
この状態に分離してハンディークリーナーとして使えます

 ちなみに、本体サイズや質量は、スティッククリーナー時が251×195×1,148mm(幅×奥行き×高さ)で、質量は2.7kg。ハンディクリーナー時は111×124×487mm(同)で、1.4kgです。今回はシルバーを試用しましたが、ほかにブラックとレッドもあります。

軽快に使えるスティッククリーナー

 まず、BU100Jのスティッククリーナーとしての使用感から。

 使ってみてすぐ感じたのは、「軽い」ということです。2.7kgという質量は、片手で持ち上げるには微妙に重い感じではありますが、床を滑らせての「かけ心地」はとても軽快。抵抗感の少ないホイールにより、床や絨毯の上をコロコロとよく転がります。重心も低めなので、手や腕にあまり力を入れることなくラクに掃除機がけできます。

ヘッド手前には2つの大きめのホイールがあり、床をよく転がります
ヘッドの可動域は写真のような感じです。さほどは広くありませんな
可動域が狭めゆえ、進行方向を急に変えるような使い方はできません

 床などへの「アタリ」ですが、ホイールが転がる音はするものの、わりと静か。ただ、モーター音がやや大きく、ヘッド内の電動ブラシが回転する音もありますので、夜間に使うのは気が引ける感じ。静かな掃除機というイメージではありません。

 でも吸引力はそこそこあり、ヘッド内には電動回転式ブラシもありますので、床や絨毯のゴミやホコリをわりとシッカリ取ってくれます。拙宅でよく散らかりがちな「鉱物系の猫砂(細かめの砂粒のようなもの)」も、HIGH運転ならしっかりと吸引してくれました。

 一発で力強く吸引、という感じではありませんが、猫砂の上を数度往復させれば吸い取れる感じです。

ヘッド内には電動回転式のブラシがあり、わりと力強くゴミなどを掻き取ります
ブラシは外して水洗いできますが、ゴムベルトを外す必要があり、やや面倒です

 ヘッドには独自の「ガバとりパワーノズル」機構があり、ヘッドが壁に当たると前部が大きく開き、回転ブラシで壁際まで掃除できます。使ってみると「なかなかイイかも」と感じられる機能で、これまで掃除し残しがちだった「壁と床が交わる隅」をより効率良く掃除できました。

 なお、スティッククリーナー時の吸引力はHIGHとLOWの2段階切り替えで、手元スイッチで切り換えられます。運転時間はHIGHで約15分、LOWで約30分です。ヘッド内の回転ブラシは停止することはできません。

ヘッド前側には「ガバとりパワーノズル」機構があります
「ガバとりパワーノズル」は、壁に当たると開く機構
壁に当たるとこのように開き、隅まで掃除機がけできます

ワンタッチで手軽に使えるハンディクリーナー

 スティッククリーナーの状態で、本体横のボタンを押せばハンディクリーナー部を外して使えます。

 脱着は非常に手軽なので、スティッククリーナー状態で掃除中に「あ、ここはハンディクリーナーで」と思っても、すぐにそうすることができます。ちなみに、ハンディクリーナーとして使用する場合、吸引力はHIGH相当のみで、切り替えはできません。

 外せばそのままハンディクリーナーとして使えるほか、先端にアタッチメントを装着すれば、隙間部分や棚の上などを効率良く掃除できます。

本体横にある取り外しボタンを押せば、ハンディクリーナーを取り外せます
外したらハンディクリーナーとして使えます。アタッチメントも2種使えます

 またこの掃除機、スティッククリーナー状態では自立します。そこからハンディクリーナーを外しても、スティッククリーナー部分は自立します。

 本体が自立するので、掃除を一時的に中断しても掃除機の置き場に困りませんな。スティッククリーナー掃除から、ハンディクリーナー掃除への移行も非常にスムーズです。

 ただし、メーカーは「ハンディクリーナーを外した状態でスティッククリーナー部分を自立させないで」と言っています。スティッククリーナー部分が不意に倒れて、床に傷が付いたりすることを防ぐ目的でしょう。

 というわけで、ハンディクリーナー部を外した状態で自立させるのは自己責任になります。でも率直な話、スティッククリーナー部はどの状態でも自立させることができて、これがたいへん便利です。

スティッククリーナーの状態で自立します
ハンディクリーナーを外した状態でも自立

 余談ですが、2000年頃に松下電器のテキパというコードレススティッククリーナーを買って長い間愛用しましたが、この機種も「自立」しました。

 コードレススティッククリーナー愛用者として、いろいろな機種を見てきましたが、自立するコードレススティッククリーナーってほんの僅か。BU100Jが自立することを知り、なんかこう、メーカーのコダワリのひとつを痛感した次第です。

なかなかツカエル! 実用的なスティッククリーナー

 話を戻しましょう。BU100Jの場合、掃除機内にたまったゴミを捨てるときは、ハンディクリーナー状態にする必要があります。ゴミ捨ては、ダストボックスを外し、まずフィルターのゴミを落としてから、ダストボックス内のゴミを捨てるという感じで、若干手間がかかります。

 このタイプの掃除機によくある「パカッと開いてポンと捨てる」という感じではないんですな。なのでゴミ捨てがちょっと面倒。ただ、BU100Jに感じられた難点はその程度かも。ほかは「なかなかツカエル」というイメージで、全体的には好印象でした。

ゴミを捨てる場合は、ハンディクリーナーからダストボックスを外します
次にフィルターを外し、フィルターに付着した細かいホコリを落とします
さらにフィルターケースを外し、ダストボックス内のゴミを捨てて、完了

 場所を取らずに設置でき、スティッククリーナーとしてまずまずの吸引力があり、手軽にハンディクリーナーとしても使えるBU100J。ヘッドの転がりの良さや自立することなど、かつては非常に実用的なスティッククリーナーを作っていた松下電工/パナソニックの「さすが」も垣間見られます。

 ただ、コードレスクリーナーなので、吸引力や持った感じなどは、人それぞれの感じ方があると思います。ので、ぜひ店頭などで実機に触れてみてください。

スタパ齋藤