家電製品ミニレビュー

毎分8,000回の振動とUV照射で掃除するLGのふとんクリーナー

LGエレクトロニクス「ふとんパンチクリーナー VH9201DSW」

 去年あたりから、急に注目を集め出したふとん用の掃除機。2012年に発売したレイコップは、ふとん“専用”というこれまでにないコンセプトが特に子供がいる家庭にうけ、販売台数100万台を超える大ヒットとなった。今回紹介するのは、レイコップと同じ韓国のメーカー、LGエレクトロニクスの「ふとんパンチクリーナー VH9201DSW」だ。

 充電式、コードレスで使える掃除機で、毎分8,000回の振動や紫外線照射機能など、ふとん専用ならではの機能が充実している。

メーカー名LGエレクトロニクス
製品名ふとんパンチクリーナー VH9201DSW
希望小売価格39,800円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格30,980円
製品本体
本体側面。人間工学に基づいたというデザイン
充電スタンドに本体を設置したところ。充電時間は約3時間で、連続運転時間は約25分

振動でふとんに潜むホコリをたたき出す

 この製品の一番の特徴は、毎分8,000回の上下振動でふとんを叩いてから、ホコリを浮かせて吸い取るところ。ふとんやソファ、カーペットなど、布製品を掃除するときは、表面を叩くことはよく知られているし、実際に叩くとたしかにホコリも出る。レイコップにも振動機能は搭載されているが、ふとんパンチクリーナーの構造は少し違う。吸い込み口に備えられている2つのパンチプレート、それぞれが毎分4,000回振動し、あわせて毎分8,000回振動するのだ。

 実際に使ってみると、確かに効果を感じられる。ふとんに当てて、動かしていくと、振動がしっかりふとんに伝わって、かなり小さなホコリ(もしくはダニ……)も取れるのがわかる。毎分8,000回の振動といわれて、どれだけ震えるのか、手にも振動が伝わらないのか気になっていたが、ふとんを掃除しているときは、ほとんど振動を感じることはなかった。というのも振動が全て布団に吸収されてしまうからだ。

オレンジのパンチプレートがそれぞれ、毎分4,000回振動する
ベッドのマットレスを掃除しているところ。操作しやすく、疲れにくい
吸い込み口がふとんにしっかり密着する
ダストボックスはクリア素材で、中にゴミが溜まっていくのが見える

 これは、ソファやクッションなどの布製品を掃除した時も同様。ただし、床につけると途端に「ダダダダダダダダッ」という大きな音がする。しっかり振動している証拠だ。

 ふとんを掃除するときのポイントはとにかくゆっくり動かすということ。振動をしっかりふとんに伝えて、ホコリを残さず吸い取るためにも、ふとん一往復、1分くらいかけるつもりで、ゆっくり掃除するのが良い。シングルのふとんでも、1枚を3~4分かけて掃除するイメージだ。これは、普通の掃除機を使う時に比べて長く、それだけ疲れる。

 しかし、ふとんパンチクリーナーは、人間工学に基づいたという本体デザインで、とにかく操作しやすい。吸い込み口からハンドル部分までが長いので、そこまで腰をかがめる必要がなく、楽な姿勢で掃除できる。

 コードレスなので、リビングのソファ掃除が終わったら、次は寝室のベッドという風に様々な所に持ち歩いて使えるのも良い。ちなみに充電時間は約3時間で、約25分の連続運転に対応している。

UV除菌機能も搭載

 ふとんパンチクリーナーでは、レイコップと同じく紫外線照射機構も備える。ただし、レイコップがUVランプを吸引口に備えているのに対して、ふとんパンチクリーナーは、充電スタンドにUVランプを備える。掃除が終わって、本体を充電スタンドに戻すと、そこから約5分間UVランプが点灯し、吸引口付近を除菌する。

充電スタンド
本体を充電スタンドに戻すと、そこから約5分間UVランプが点灯する。本体下で青く光っているのがUVランプだ
UVランプは直接目で見ると危険。充電スタンドにもその記載がある

 ここらへんの効果については、目で見えないが、製品情報ページには、北里環境科学センターによる、第三者試験の結果が明記されている。これによると、本体のUVランプから0.5cm離した位置に細菌を塗布した試験片(左端、中央、右端)を設置し、5分間ランプを照射したところ、5桁以上の菌数減少が確認され、除菌性能を認めるというものだ。

 製品情報ページにはこのほか、ダニ、花粉の除去性能なども記載されているので、気になる人はチェックして欲しい。

ダストボックスの機構が残念……!

 コードレスで手軽に使えて、吸引性能も高い本製品だが、1つだけ、残念なことがある。それはゴミ捨てが割と面倒なところだ。手順としては、本体からダストボックスを取り外し、ダストボックスのフィルターを外して、中のゴミを捨てるというものだが、フィルターにゴミがびっしり付着していて、そのフィルターをしっかり掃除するためにはほかの掃除機が必要なレベル。

ダストボックスを取り外したところ
排気をきれいにするためにHEPAフィルターが採用されている
フィルター部分を取り外すとゴミがびっしり
フィルターにしっかり付いているので、掃除に手間がかかる
フィルターにゴミが残ってしまうので、ほかの掃除機を使って掃除した

 実はこれ、なにもふとんパンチクリーナーだけにいえることではなく、レイコップを使った時にも同様のストレスを感じた。せっかく、時間をかけて丁寧に掃除したのに、細かいゴミを掃除するために、またゴミをばらまいているような気さえする。

 今どきの掃除機は、集じん性能やゴミの捨てやすさが重視されているのに、それがふとん用となるとまだまだ完成形とはいえない。今後の改良を期待したい。

コードレスで使用用途が広がる

 振動機能に、UVランプと、ふとん掃除をするために作られた製品。コードレスで手軽に使えるので、寝室だけでなく、ソファやダイニングチェア、さらには社内のシートまで様々な場所で使えるのが魅力。ふとん用の掃除機が欲しいという人は候補に入れてみてはいかがだろうか。

阿部 夏子