家電製品ミニレビュー

ポタージュやスムージーを手軽に作れるスープメーカー

ドウシシャ「スープメーカー 800 DSM-138」

 今回は、ドウシシャの「スープメーカー 800 DSM-138」(以下、DSM-138)を紹介しよう。下ごしらえした具材と水を入れるだけで簡単にスープができる調理器具だ。

メーカー名ドウシシャ
製品名スープメーカー 800 DSM-138
購入場所Amazon.co.jp
購入価格5,100円

 DSM-138の特徴は主に2つ。まず1つは、価格が5,000円前後と安いこと。ほかのスープメーカーの価格帯が、1万円から2万円ぐらいするので、ほぼ半額で買える。

 もう1つは、簡単に使えること。下処理した食材を調味料や水と一緒に入れるだけで約30分後に料理が完成する。それも、作るメニューに合わせて、「おかゆ」「スープ」「食べるスープ」「スムージー」の4つのボタンを押すだけだ。

 DSM-138の本体は190×150×260mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクトなサイズで、本体重量は1.7kgと軽く、手軽に持ち運べる。消費電力は500W。

DSM-138はコンパクトサイズで手軽に持ち運べる
本体上部の操作パネルには4つのメニューボタンがある。ボタンを押すと中央部が赤く点灯する
ポットから本体を外したところ。本体下部に食材を加熱/撹拌する、ヒーターとブレードがある
左から順にポットを置く置き台と、ポット。ポットの容量は最小で500ml、最大で800ml。内容量が500mlに満たないとボタンを押しても動作しない
ポットの内部はステンレス製。汚れがつきにくく洗いやすい
脱着センサーを内蔵する穴に、ポットの取っ手にある突起部をセットする

カットした食材、調味料、水を入れて調理開始、約30分後に料理が完成!!

完成した料理を直接器に注げるので楽

 使い方はとても簡単だ。レシピに合わせて適度な大きさに切った食材と、調味料や水をポットに入れてメニューボタンを押すだけだ。調理が終わったら自動的に運転を停止するので、ボタンを押したらあとは放置しておけば良い。

 おかゆ、スープ、食べるスープの3種類は、ボタンを押すと加熱/撹拌が始まる。その後、30分前後待っているだけで各メニュー出来上がる。一方、スムージーは撹拌のみで、食材を合計で7回撹拌する。

 今回は、4種類のメニューボタンでできる料理を一品ずつ作ってみた。作ったのは、おかゆが「緑黄色野菜のおかゆ」、スープが「冷製えだまめのポタージュ」、食べるスープが「お豆とやさいのバターコンソメスープ」、スムージーは「パプリカの赤いスムージー」だ。いずれのメニューも、レシピ通りに下処理した食材と調味料をポットに入れて調理している。

緑黄色野菜のおかゆ

 生米、カボチャ、ニンジン、水をポットに入れておかゆボタンを押す。おかゆモードでは、固形物を細かくならないように撹拌する。調理時間は約35分。

 出来上がったおかゆをポットから直接器に注ぐと米がポットの底に残るので、スプーンなどで混ぜながら注ぐようにするといいだろう。

 早速食べてみた。米は、芯が残っていなくてやわらかく満足できる仕上がりだった。だが、レシピどおりに塩を加えずに作ったため、最初の一口はほとんど味がしなかった。そこで塩を加えてみたところ、白粥とカボチャの甘みが口の中に広がった。

皮をむいて1cm角に切ったカボチャとニンジン、生米と水をポットにいれる
白粥とカボチャの甘さを感じる美味しいおかゆができた

冷製えだまめのポタージュ

 枝豆やじゃがいもなどレシピに沿って下処理した食材と、バターや塩などの調味料をポットに入れ、スープボタンを押して調理開始。スープモードでは、固形物を細かく撹拌する。調理時間は約25分。

 出来上がったポタージュはボウルに移す。それを、氷水入りの一回り大きなボウルに入れて、ヘラなどでかき混ぜながら冷たい牛乳を加えて仕上げた。

 レシピ通りに作ると若干味が濃い。我が家では、豆乳や牛乳を足して、少し味を薄めて食べた。

 ポタージュが完成した後、ポットから本体を取り外したら、ヒーターに焦げている部分があった。レシピの前書きにあった通り、食材に生クリームが含まれていたため焦げたのだろう。

 焦がさないように途中でかき混ぜたいところだが、本体を抜くと運転が停止してしまう。取扱説明書で再加熱は厳禁とされているので、焦がしたくない場合は水の量を多くするか、生クリームの量を減らすしかない。

下処理した食材と調味料を入れたところ
ヒーターに生クリームや牛乳の脂肪分が焦げついた
見た目にも涼しげな冷製ポタージュ

お豆とやさいのバターコンソメスープ

 ミックスビーンズ(缶詰)や大根などレシピ通りに下処理した食材と、コンソメや塩をポットに入れ、ひと混ぜしてから食べるスープボタンを押す。食べるスープモードでは、おかゆモードと同じく、固形物が細かくならないように撹拌する。調理時間は約25分。

 「食べるスープ」なのに、ブレードの撹拌力が強いためか、食感をほとんど感じられないくらい食材は細かく撹拌された。その代わり食材の味がスープに凝縮され、バターのコクと相まって美味しかった。豆などの食感を楽しみたい人は、炒めた食材を少し残しておき、スープを器に注ぐ時に足すといいだろう。

フライパンで炒めた食材と調味料をポットに入れる
食材の味が凝縮されたスープになった

パプリカの赤いスムージー

 皮を湯むきしたパプリカとトマト、さらにバナナをレシピ通りに下処理し、プレーンヨーグルトやはちみつなどとともにポットに入れてスムージーボタンを押す。食材を7回撹拌する。

 出来上がったスムージーは、パプリカやバナナ、はちみつの甘さと、トマトとヨーグルトの酸味がほどよく合わさっていてとても美味しかった。パプリカの皮を湯むきしていたので、のどごしも良かった。

1cm角にカットした食材と、水、ヨーグルト、はちみつをポットに投入する
甘味と酸味がほどよく混ざった、のどごしの良いスムージーの完成

 なお、レシピブックによると、生クリームや牛乳などの脂肪分を多く含むメニューや、固形物の量や大きさによっては焦げる可能性があるとしている。乳製品の割合は、水2に対して1以下になるように調整し、固形物はレシピを参考に水分との割合を調整する。

最大のメリットは価格! 手入れの面倒さをどう評価するか……

電源コードや脱着センサーを上にして洗う

 この製品は、本体を洗うのがかなり大変だ。なぜなら、ヒーターやブレード、ふきこぼれ防止センサーのある本体下部は水洗いできるが、操作部のある本体上部が水洗いできないからだ。

 しかも、本体上部から電源コードが生えているため、操作パネルや電源コードを濡らさないように、1.7kgからポットの重さを引いた分の重量を片手で支えつつ、本体下部を洗う必要があるのだ。女性にとっては大変な作業となるだろう。実際に、付属のブラシや手持ちのスポンジなどで洗ったが、かなり手が疲れるし、なにより気を遣う。

 何もせずに洗い始めると手こずるので、電源コードを抜いてから、すすいだポットに800mlの水を入れて食器洗い用の洗剤を数滴たらし、そこに調理するときと同じように本体をセットしてしばらく放置しておくといいだろう。これで、ヒーターやブレードについた汚れが落ちやすくなるので、少しは手入れの手間を省けると思う。

 この製品の最大のメリットは、コストパフォーマンスだ。5,000円前後で購入でき、ボタン1つで温かいポタージュ、スープ、おかゆに加え、小松菜やヨーグルトを使ったスムージーが手軽に作れる。また、自動で運転を停止するため、調理している間に、別の料理を作ったり、出かける準備をすることもできる。

 スープメーカーを購入しようと思っていたけど価格面で折り合いがつかなかった人や、ポタージュやスムージーを手軽に作りたいと思っていた人は、試してみても良い製品だと思う。

中野 信二