家電製品ミニレビュー

アピックス「ミニツインファン AMF-200」

~3千円で買える、持ち運び便利なタワー型ツインファン
by 林 佑樹


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


アピックス「ミニツインファン AMF-200」

 2009年6月付近には「今年は暑い!」なんて言われていたが、実際のところは野菜の価格が上がりそうなくらい冷夏である。となると、エアコンを使わなくても、扇風機さえあればなんとかなってしまうし、真夏日であってもエアコンの温度設定を低くしなくても済む。

 最近では、オーソドックスな扇風機に混じって、タワー型の扇風機をよく見かけるようになった。いずれも省スペースで、ファンが小さくなった分、複数のファンを搭載している。今回はそのひとつ、アピックス「ミニツインファン」を紹介したいと思う。


メーカーアピックス・インターナショナル
製品名ミニツインファン AFM-200
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格2,970円

価格の割にすましたビジュアル

 ミニツインファンの大きさは、200×153×450mm(幅×奥行×高さ)。人の膝くらいまでの高さとB5サイズの雑誌が置けるスペースさえあればOKと実に小型である。重量は約1.8kgと軽く、上部には持ち運び用のハンドルもあるため、カンタンな持ち運びが可能だ。カラーには、ホワイトとブラックがあり、Amazon.co.jpではなぜかホワイトのほうが安かった。

 搭載されているファンは2基で、フロントをほとんど覆い隠すようにハニカム構造のメッシュ処理が施されている。当然、これは指を差し込まないための処理なのだが、見た目を引き締める効果もあるようで、価格の割にしっかりした印象と受けた。

 残念なところは、電源ケーブル長の長さ。ミニツインファンというだけあり、持ち運ぶケースが多いと想像しやすいのだが、ケーブル長は1.6mと短め。移動させようとすると、電源タップのほうも動かす必要が多く、せめて3mは欲しかったところだ。

羽は4枚で面積が広い。またハニカムメッシュは目が細かく、指が入ってしまうことはまずない背面は間隔の狭いスリットとなっている。こちらも指が入ってしまうほど大きくはないので安心だ重量約1.8kgと軽いだけでなく、本体上部にハンドルがあるため、持ち運びはとてもスムーズに行なえる

ファン独立制御とタイマー、アロマもアリ!

 低価格帯の扇風機は、単純に風を送る装置として設計されていることが多く、ボタンがアナログダイヤルだったり、タイマー機能すらなかったりするのだが、ミニツインファンは操作ボタンにはパネルボタンを採用しており、1時間・2時間・4時間のタイマー機能も備えている。さらに、2基のファンの独立制御も可能となかなか多機能だ。価格ゆえ仕方ないのだろうが、上下角の設定ができなくて残念である。

 スイッチには、電源ボタン、ファン切替ボタン、風量ボタン、タイマーボタン、首振りボタンの5つがあり、いずれも指先よりも2~3回りほど大きくてタッチしやすい。

 スイッチを押すと、フロント部にあるそれぞれのボタンに対応したLEDが点灯する。LEDは詳細にファン1(上)、ファン2(下)、風量(弱)、風量(中)、風量(強)、タイマー1時間、タイマー2時間、タイマー4時間と用意されており、遠目でもどういう設定なのかを確認しやすい。

上部に操作パネルが用意されている。左から電源ボタン、ファン切替ボタン、風量ボタン、タイマーボタン、首振りボタン。操作時には「ピッ」という電子音が鳴る正面から見て上部にあるLEDで、可動しているファンや風量、タイマーの設定を確認できる首振り機能は、約160度。首振り機能OFF時に回すことはできないのだが、持ち上げて向き変更も軽いため、まったく苦にならない

 ファンの独立制御は、ファン切替ボタンを1回押すとファン2(下)が停止し、もう1度押すとファン1(上)が停止し、ファン2(下)が回転を始める。さらにもう1度押すと、2基のファンが回転する状態になるという仕組み。ファンごとに風量とタイマーの設定はできないものの、風量(弱)と(中)の間くらいの風量が欲しいときは、風量(中)に設定してファンを1基だけ回転させたり、寝ているときは高さ的にファン2(下)だけを回転させたりといった使い方ができる。

 風量は弱~強の3段階。弱の状態では静かなのだが、中・強はさすがにうるさい。もっとも弱で十分な風量があり、いまのところお風呂上がりに中か強に設定するくらいとなっている。消費電力はマニュアル上では風量(強)+首振りで21~22Wとなっているが、ワットチェッカーで計測してみたところ17Wだった。以下の表は、首振り機能をONにした状態で、それぞれの風量を計測したもの。括弧内はファンを1基だけ動かしたときの数値である。


風量消費電力
風量(弱)10W(6W)
風量(中)14W(9W)
風量(強)17W(11W)

 次にアロマ機能を見てみよう。アロマボックスはファン2(下)のほぼ真下にあり、「Aroma」と書かれているため見つけやすい。これを取り出し、付属のアロマパッドにアロマオイルを染みこませて取り付けると、ファン2(下)の部分からアロマが風に乗る。濃度は染みこませる段階で調整するほかないが、説明書通り2~3滴で十分といった感じだ。

ファン2(下)にある小さい箱がアロマボックスアロマオイルは別売りだが、アロマパッドが3枚付属している
アロマボックスにアロマパッドを設置したところ写真中央にあるスリットからアロマが風に乗る


作業中も寝ているときも大活躍

 静かな風量(弱)のとき、筆者体感調べでは1m半径で十分に涼しいなと感じ、1m50cmほど離れた状態でもほのかに冷風を感じることができた。

 座り仕事中は、足下に風を当てている。当家で一二を争う熱源体「パソコン」があるため、正直なところエアコンを効かせていても、足下だけは暑くてきつかった。騒音も気にならないので、作業中は常時運転させている状態である。

椅子に座っているときは近くまで持ってこれるため、基本的に風量(弱)にしている操作ボタンが大きいため、指先だけでなく、足先でも押せるため重宝している

 寝ているときも当然活躍してくれる。筆者は布団を敷いて寝ているため、高さ450mmでも背が高すぎるくらいだ。そのため、電気代節約も兼ねてファン2(下)だけを動かした状態で寝ている。

 ベッドの場合はどうなんだろう。枕元に台があればそれで済むのだが、ないケースもある。そこで友人宅に持ち込んでみたところ、友人はベッド近くの机の上に置いて寝ていた。風量(弱)でも十分な風量があればこそである。

布団でごろごろするときは、高さ的な問題はない。またファンをひとつ止めておいても十分なときもあるベッドで寝る友人に渡してみたところ、写真のようにテーブルの一角にミニツインファンを置いて使っていた。風量(弱)でも十分涼しいとのこと

 ちょっと気になるのは、使用耐久年数。ハンドル付近のシールに記載されているのだが、4年とある。意外と短く感じたのだが、ファンが小さくて回転数が増える分、モーター部分の劣化が早いのかもしれない。とはいえ、価格的には毎年買い換えても大きな負担ではないのだが……


エアコンを使うまでもない気温のときに

 9月に入っても暑い日は続くし、ちょっと高いところに設置すればサーキュレーター的な使い方もできるミニツインファン。ファンの独立制御で実質6段階の風量調整が可能、さらに持ち運びもカンタンと使い勝手の良さが光る。エアコンの出番ほどではないがちょっと暑いという状況なら、ミニツインファンをチェックしてもらいたい。




2009年 8月 25日   00:00