家電ミニレビュー
ダイソーの550円ロボット掃除機って本当に使える? 期待と現実
2025年2月21日 08:05
ついにあの「ロボット掃除機」が、ダイソーから登場しました。
QOLが上がる家電として人気のロボット掃除機ですが、果たして100円ショップの商品でも生活の質はアップするのか?
実際に使って確認してみました。
仕組みはシンプル、専用シートで床を拭き掃除
ロボット掃除機といえば「ルンバ」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、ダイソーのロボット掃除機は、そうしたロボット掃除機と比べれば極めてシンプルな構造です。
そもそも掃除機といってもゴミを吸い集めるのではなく、本体の底面に貼り付けた専用クリーンシートで「汚れを拭き取る」だけ。センサーによる障害物の検知や家具の配置を記憶するような高度な機能はもちろんありません。
とはいえ、いわゆるフローリングワイパーでの床掃除を自動化できるなら、十分に掃除の時短になりそうです。
価格は550円。ロボット掃除機本体のほか、専用クリーンシートが15枚、シートを貼り付けるための面テープがセットになっています。
準備の方法は外箱の裏側に書かれていました。シートは使い切ったら単品で追加購入が可能。また動かすには単三形乾電池3本が必要ですが、これは別売になります。今回はダイソーで100円の3本入りアルカリ乾電池を使いました。
本体サイズは直径が約23cm、高さが約5cm。他社のロボット掃除機と比べると驚くほど軽量です。
底面にはタイヤが3つ備わっており、大きめのメインタイヤが土台ごと回転することで、ランダムな動きを生み出す仕組みのようです。
準備は簡単。まず底面のカバーを外して乾電池を入れて、同梱されている面テープを貼り付けたら、シートをタイヤの穴にあわせて取り付けるだけです。ちなみに公式サイトでは、カバーは「ドライバーで外す」と記載されていますが、実際には手で外せるようになっていました。
あとは本体の天面にある電源ボタンを押せば走り出します。しかし、ここで気になる点が……。
シートを取り付けた状態を横から見ると、タイヤの影響でシートが床から浮いているようです。これで掃除ができるのでしょうか?
実際に走らせてみた結果は?
床に置いて電源を入れると、すぐに軽快に走り出しました。
すぐに感じたのは、動作音がけっこう大きいこと。どのくらいかというと、マンションの改装工事中に窓を締め切った状態で聴こえてくる騒音くらいのボリュームに思えました。
動きは直進、もしくはタイヤの角度によってカーブしながら走っていき、障害物に当たると向きを変えて走りだします。本体サイズが薄めなので、棚の下の隙間にも入り込んで掃除してくれました。その様子を見ている限り、ロボット掃除機らしい動きではあります。
そのまま5分ほど動作させたあと、シートの汚れ具合を確認。ところが、ほとんどゴミが取れていませんでした……。
掃除した範囲には猫の毛やホコリが確認できたので、もともとゴミがなかったわけではありません。やはり、シートが床に接地していない可能性が高そうです。
試しにわたぼこりを本体の前に置いてみたところ、ブルドーザーのように押しながら進んでしまいました。床との距離が短すぎるとゴミを押してしまい、長すぎるとシートが接地しない。一般的なロボット掃除機にあるゴミを吸い込む機能や、かき出すブラシのようなものがいかに役立っていたかわかります。
また、わずかな段差にも弱い印象です。フロアクッションのちょっとした膨らみすら乗り越えられず、向きを変えて走るか、ひどいときにはハマってしまい動きが取れなくなっていました。
場所を変えたりしながらさらに10分ほど動作させてみましたが、シートに付着したゴミの量はほとんど変わらず。そもそも部屋のなかで走っていない(掃除していない)スペースが多いようにも感じられ、効率的な掃除は難しそうです。
もう1点気になったのは、電源のオンとオフが手動だけということ。自分で電源ボタンを押して停止しない限り、電池が切れるまで動き続けるので、出かけている間に掃除する、といった使い方には不向きでした。
ちょっと期待外れ……お試しならアリ?
このように、ダイソーのロボット掃除機を使ってみましたが、「思ったよりも掃除はできていなかった」のが正直なところ。
もしこのロボット掃除機が“使える”なら画期的だと期待しただけに残念ですが、逆に、一般的なロボット掃除機がどれだけちゃんと掃除してくれているかを再認識できました。そもそも価格が全然違うものなので、購入するなら、それらとは全く別という心づもりをしておいたほうがよさそうです。
とはいえ、全くゴミが取れないわけではないので、「絶対に自分では掃除しない」という方がお試しで買うには、お手頃価格でアリかもしれません。