趣味の節電道入門

第25回:電気を使わない観葉植物っぽい加湿器を購入した

 秋になり、すごしやすくなってきたが、またすぐに寒くて乾燥した冬がやってくる。夏は湿気が多くて除湿機、冬は乾燥で加湿器と、日本の気候は家電メーカーのためにあるのかよ、とちょっと愚痴りたくもなる。というわけで、今回のテーマは、なるべく電気を使わない加湿についてだ。

 加湿器にはいくつかの方式があり、それぞれに特徴がある。各方式のメリット・デメリットについては、家電Watchをはじめ多くの記事がすでに出ているので、細かくは書かないが、消費電力の多い順に並べると、スチーム式(加熱式)、ハイブリッド式(加熱気化式)、気化式、超音波式、となる(もちろん製品によって違いがあるが)。

 かつて、わが家で稼働していたのはスチーム式とハイブリッド式の加湿器だ。スチーム式は、水をヒーターで加熱して蒸気を発生させる単純な構造のため、価格が安いが消費電力が300W以上もある電気食い。ハイブリッド式はスチーム式よりは省電力だが、本体やファンの音が大きめ。フィルターにホコリが溜まりやすく掃除もちょっと面倒だった。

 何か省電力でいい加湿器ないかなと探していたところ、ドイツの加湿&空気清浄機「ベンタエアウォッシャー」を見つけた。その構造はシンプルで、ファンが部屋の空気を取り込み、内部で水車のように回転するパーツによって水を気化しつつホコリを水に回収する。水がフィルターの役割を果たすので、フィルターの掃除は要らない(水が汚れるので定期的に交換する必要があるが)。また、気化式なので、消費電力は3~4W程度だ。

 一応、マイナスポイントも書いておくと、気化式なので加湿の能力はおだやか。空気清浄機として常に稼働させておけば、自然と加湿されているイメージだ。あと、ハイジェン液という水垢などを防ぐ専用剤を水に加える必要がある。これが1シーズン3,000~5,000円ぐらいかかる。入れなくても加湿や空気清浄効果には影響しないが、中の汚れが落ちにくくなる(経験済み)。

2010年に購入したVenta「エアウォッシャー LW14」。購入価格は29,900円だった
細かいスリットの入った水車のような部品が回転し、加湿と空気清浄を行なう。ちょっと汚れていて、イヤン恥ずかしい……

電気をまったく使わない加湿

 もっと安価で電気をまったく使わない加湿も実践していた。それは、石油ストーブの上にヤカンを置くという昔ながらの方法。加湿のパワーも強く、お湯も沸かせる(電気魔法瓶の消費電力も減らせる)という優れものだが、地震が起きたときに床が熱湯の海になる危険があるため、先の震災以降は控えている。

 そして今回、仕事部屋で使う、静かで安価な加湿器として購入したのが、ミクニ「misty-garden(ミスティガーデン)2nd」だ。

 紙のようなフィルターがタンクに注いだ水を吸収し、自然に気化するシンプルすぎる構造。しくみはシンプルだが、気化しやすいようフィルターはレタスの葉のように細かく切り込みが入っている。原理としては濡れたタオルを干すのと同じだが、フィルターは抗菌・防カビ処理がされており、1シーズン(3~6か月)清潔に使い続けられるという。

 まだ、それほど乾燥する日がないのだが、加湿効果を計測してみた。約6畳のスペースに設置してみたところ、44%の湿度が2時間後には50%に上昇、その後確認した限りでは、3時間はその湿度をキープしていた。自然気化式なので、ドアの開閉や人の動きで空気が動く場所に置いた方が効果は上がるかもしれない。

 遠目に見ると観葉植物のようで、ちょっとした癒やし効果もある。欠点は、タンクにフタがないので、誤って水をこぼしてしまう可能性があること。スマホなど水に弱い機器がある机の上では心配だ。水やりもほぼ毎日必要。あと、フィルターが基本1シーズンの使い捨てとなるので、来シーズンに買い替えるかは、考えてしまうかもしれない。どれも、ちょっと屋内ガーデニングっぽい悩みですね。

ミクニ「misty-garden 2nd」。希望小売価格3,000円(税別)/購入価格2,650円(Amazon、税込)。タンク(白い容器)の横幅は約38cm
フィルター。色はこのアップルグリーンのほかにラピスブルーがある。交換用フィルターは1,700円(税別)
使用方法はフィルターをタンクに広げて水を注ぐだけ。容量は500mlほど。何か、水耕栽培をしている気分になる

小口 覺