趣味の節電道入門
第4回:LED電球の導入と鉄道経営の共通点
by 小口 覺(2014/5/14 07:00)
電球をLED電球に交換する。
もっとも手軽かつ効果的な節電方法であり、すでに実行している家庭も多いだろう。かつては白熱灯や蛍光灯にくらべて暗く、値段もかなり高かったLED電球だが、白熱灯と遜色ない輝度の製品が登場し、値段も下がってきた。白熱灯からの交換はもちろん、電球型蛍光灯からでも、十分に電気代で元が取れるレベルになってきている。
わが家では、2010年から、デスクライトやリビングルームの照明からLEDへの交換を始め、今ではほぼすべての照明器具がLED化されている。一気にすべての照明をLEDにしなかったのは、やはり投入コストが最大の理由。さらに、まだまだ性能向上と低価格化の途中にあったからである。
節電の効果を考えると、もっとも使用時間の長い場所から交換していくことになる。そして、より明るい製品が出ると(入手しやすい価格になったとき)買い足してきた。やはり電球型蛍光灯にくらべると暗かったリビングのLED電球は、新製品に交換された後に廊下の照明に。また、新しく購入すると、廊下から洗面所やバスルームへと、順繰りに送られる。
LEDの寿命は長いので、こうした使い回しが発生する。その流れは、明るさを必要とする場所から、それほど必要としない場所へ、(節電効果の高い)長時間点灯させる場所からそうでない場所へ。または、白熱灯や電球型蛍光灯が切れた所へ、イレギュラーに投入することもあある。天井に埋め込まれた電球や、カバーの着脱が面倒な照明の場合、LED化によって、メンテナンスが不要になるメリットがあるからだ。さらにLED電球が余るようであれば、実家にでも持参して交換してあげれば喜ばれるだろう。
この、LED電球の転用だが、新型車両がまず主要幹線に投入され、時間が経つにつれて地方路線に転用される鉄道に似ているのではないだろうか。鉄道の場合も、新型車両の投入は消費電力の削減とメンテナンス性の向上を目的として行なわれる。
一方、気に入って使い続けているLED電球もある。デスクライトの電球はパナソニック「LDA6LE17BH」。購入時(2010年)の価格は4,000円台。消費電力は6Wと、それまでは60型のクリプトン球の約11%。クリプトン球のようにフィラメントが切れないし、点灯時間が長いので、この価格でも電気代ですぐに元が取れた。
玄関用に購入した人センサー付きLED電球「ムサシ RITEX S-LED40L」。帰宅時にパッとつくので、さみしくない(笑)。センサーが感知しなくなると約2分で自動消灯する。
直管型の蛍光灯もLEDに交換
わが家は賃貸マンションということもあり、交換できない照明器具も存在する。そのひとつが直管型蛍光灯で、器具ごと天井に固定されている。設置されている蛍光灯は長さ60cm、20形と呼ばれるタイプだ。そこで、照明器具を換えることなく使用できるというLEDランプを購入した。
蛍光灯の照明器具には、グローランプ(点灯時にカチカチっと鳴るアレ)の付いているグロースターター式と、グローランプのないラピッドスターター式、インバーター方式などが存在する。購入したのは、グロースターター式に対応したLEDランプで、グローランプを外しておけば、そのまま使用できるタイプだ。
いざ装着して使えない心配もあったので、最初は2本だけ購入。何日か使用してちらつきなどが起きないことを確認して追加購入した。これで、ダイニングと仕事部屋の天井照明をすべてLED化できた。
蛍光灯のLED化には、消費電力以外にもグローランプが不要というメリットがある。蛍光灯は、あまり頻繁にオンオフするとかえって電力を消費するが、その原因はグローランプの点滅にある。LED化することで、それを気にすることなく、こまめに消灯できるし、蛍光灯のチカチカっとする点滅もなくなり気分がいい。また、蛍光灯と同様にグローランプも劣化するが、その交換もいらなくなった。
既存の照明器具のままでも、電球・ランプのみである程度対応できることがわかっていただけただろうか。照明器具ごとLEDシーリングライトに交換するのを、新幹線にたとえるなら、直菅タイプのLED化は、秋田新幹線や山形新幹線のような、在来線の上に走らせるミニ新幹線方式に相当するだろう。えっ、例えが鉄道ファン以外にはわかりにくい? いや、申し訳ない。