ぷーこの家電日記
第624回

私の第2の故郷。友人宅で早めの夏休み気分
2026年6月26日 07:04
子供の頃から、「田舎」というものに憧れていた。特段都会で育ったわけではない私には、「田舎」は都会から離れた自然の多いところという意味もあったけれど、「ふるさと」という意味合いの方が強かった。
夏休みになると「お母さんの田舎に行ってた」と話す同級生たち。話に聞く田舎は、星空がすごく綺麗で、走り回れるほど家が広く、カブトムシを獲って、竹を切って流しそうめんをしたり、庭で花火をしたりと、もう夢のような世界でそれはそれは羨ましかった。
私はそんな羨ましい田舎というものを持っていなかったけれど、私にも少しだけ田舎の記憶がある。父の同僚の家に年に1回たけのこを掘りに行っていた。幼い頃には分かっていなかったけれど、兼業農家をされていて、かなりの山奥に住んでいた方だ。
たけのこ掘りは楽しかったし、川の水はとても冷たくて綺麗で、サワガニを捕まえたりして楽しかった。家もかなり広く、大人たちが宴会をしている間、子供たちは子供たちで自由に遊んだ。「おばあちゃんちがこんな感じだったらいいのに。そしたら夏休み中いられるのに」と思って憧れていた。
東京で過ごすこと数十年。田舎への憧れはずっと持ったまま燻っている。便利な東京の暮らしは結構快適だし満足している。都会の人は冷たいなんて言われがちだけど、人も全然優しいし、程よい距離感が私には丁度いい。それでも時々無性に田舎暮らしに憧れる。
田舎の生活は決して私たちが想像するようなスローライフなんかではないし、狭いマンションの家の中だけを整えれば良い東京と違って、道路や環境まで自分たちで保守していかなければならず、私のような怠け者の呑気な「いいなー」なんて発言にイラッとさせてしまうかもしれない(笑)。
でも、ありがたいことに私には「勝手に拗らせた憧れ」ごと笑って受け止めてくれる田舎暮らしの友人がいる。先日その友人が元の家からも近い古民家に引っ越すというので、お手伝いを名目に新幹線に飛び乗って遊びに行ってきた。新幹線からローカル線に乗り換えて1時間ほどの距離だけど、山も海もあってかなり素敵なところだ。
遠いところを車で迎えにきてくれてドライブで家に向かう。田畑が広がり景色を見ているだけでなんだか落ち着く。自分が育ったところでもないのに、不思議と懐かしく「帰ってきた」みたいな気持ちになる。
そして、何となく深く呼吸ができる。普段から別に呼吸が浅いわけでもないし、ストレスを感じているつもりもないのだけど、おそらく目から入ってくる情報の多さに脳が知らず知らず疲労しているのだろう。広がる田んぼと畑の風景が堪らなく癒しになる。
「稲も結構育ってきてるね!」「とうもろこしだー!」「あのハウスは何作ってるの?」と、もう私は3歳児並みにおしゃべりが止まらない。見るもの全てが懐かしいのに新鮮なのである。そんな前のめりの私のおしゃべりに呆れもせず「あそこはね、カーネーション育ててるんだよ。生産量日本一なんだよ」と教えてくれたりする友人は本当に神!
引っ越し先の古民家に到着したら、ますます私の感動は止まらない!「広いー!」「可愛い!」「縁側だー!」「土間いいなー!」と、もう一目で好きになってしまった。窓を開けると気持ち良い風がよく通る。
引っ越しの荷物を入れる前にまずは掃除から。何年も人が住んでいなかった家にはそれなりに汚れが溜まっている。掃除をし始めると面白いほど綺麗になっていくので楽しくなって夢中で床を磨く私。こんなに掃除が楽しいのは生まれて初めてかも。狭い自分の家の掃除でさえ嫌いだったのに(笑)。汗だくで掃除をしながら、楽しくて仕方がない。
暗くなるくらいまで掃除して1日目終了。キッチン周りはピカピカになった。体を動かした後に飲むビールが美味しいこと! ご飯食べてお風呂入って、日付も変わらぬうちにぐっすり睡眠。ここに来ると、私は不思議と体内時計が整うのだ。
翌朝私が目を覚ました頃には、友人は畑でひと仕事終わらせて帰ってきていた。働き者すぎて本当に頭が下がる。そして2日目はさらに応援の友達も来てくれて掃除部隊と搬入部隊に分かれ、どんどん作業が進む。私はもう古民家の掃除に夢中。この日もあっという間に日が暮れてしまった。
夜は地元の焼肉屋さんに連れて行ってもらって、これまたビールとお肉が最高! ちょっと早いけれど、これは私の夏休みだ。楽しすぎる夏休みだ。あと1カ月くらい滞在していたいけれど、大人の夏休みは短いのである。体を動かして食べて飲んで寝る。なんて素晴らしく幸せな夏休み。
最終日は、「今日はもう打ち上げだよ」と、友人が古民家の軒先で七輪出してご馳走を準備してくれた。美味しい地鶏やアスパラに、畑で採れた玉ねぎやニンニクなどを焼きながら、「ズッキーニ焼く?」と家の隣の畑で収穫体験。きゅうりやズッキーニを収穫してその場で食べるなんて贅沢な幸せにもほどがある! 子供の頃から夢に見た夏休みの田舎の暮らしがそこにはあって泣いちゃいそう。
途中で前日も来てくれた友人家族も合流して、そうめん茹でてくれたり、子供とお庭探検したりお絵描きしたり、おしゃべりしたりした。広い畳の部屋で大の字に寝転んだりもしたし、広い屋根裏部屋にも感激したし、夢のような夏休みはあっという間に終わり。
昼から飲んだせいもあり、帰りの新幹線ではもう爆睡。目が覚めると東京で、本当に夢だったんじゃないかと錯覚してしまう。「また今度帰るから!」と、自分の第2の故郷みたいな場所に想いを馳せながら、次の帰省(?)を楽しみにしているのでありました。いいとこどりのつまみ食い感はすごいけれど、やっぱり私は田舎が大好きだなぁ!

