ぷーこの家電日記

第536回

どんどん増えていくレモングラスにお得気分が味わえる

残暑がひどくてというか、残暑じゃなくて真夏のような暑さ! 暑さは真夏並みなのに日がだんだんと短くなってきて、ちょっと涼しい夕方すら存在しない感じで、夏と秋の悪いとこ両取りみたいになっている。

元々かなり暑がりで汗っかきなのだけれど、ちょっと外に出るだけでシャワーを浴びたように汗がダバダバに噴き出してくるし、ご飯を食べるだけで滝のように汗をかく。「あれ? これってただの汗っかきじゃなくて、もしかして更年期!?」とふと思う。

今のところ生活に困っている程の症状ではないので「ま、いっかー」と汗を拭きながら思うのだけれど、「もう、そんな年になったのねぇ」と感慨深い。そして「まだよく分からないけど」という今が、食事や睡眠、運動など、自分の生活を今一度見直すタイミングなんだろうなぁと思うので、もう少しだけ健康的な生活を送ろうと思っているのです。

運動習慣があまり無く、唯一定期的に体を動かしていることといえば家庭菜園である。でも、この家庭菜園のおかげで多少暑いところで過ごしても耐えられる体になっているであろうし、たくさん採れる野菜を毎週のノルマのように食べるので、食生活もそこそこまともに近付いている気はする。年々体力は落ちてきているはずだけれど、年々作業が楽になっている気がするのは、体力に代わる経験値を手に入れているからだろう。

私が借りている貸し農園は高齢者の方も多いのだけれど、私よりももっと身軽に、もっと上手に野菜を作っている。あんな老人に私もなりたいと思うし、生涯の趣味として最高だなって思う。私がもっと歳を取ったら、定年後に家庭菜園を始めた初心者さんの中では大ベテランのスーパーお婆ちゃんになれるだろうと、ちょっとワクワクしてしまうのだ(笑)。

夏は暑いし、雑草の伸びるペースも早すぎてちょっと大変だけれど、私はやっぱり冬野菜より夏野菜を育てるのが好きだ。採っても採ってもポコポコ実をつける果菜はずっと楽しめるし、夏らしいカラフルさが元気をくれる。毎週「食べ切れない!」と嬉しい悲鳴をあげながら収穫する夏野菜がとても楽しくて好きなのだ。

そして私がそんなに食べもしないのに勝手にメキメキ育ってくれて、育てるの「だけ」が楽しいもの。それはレモングラスである。きっかけは4~5年前にホームセンターで200円程度で買ったレモングラスの苗。「トムヤムクンが作りたい」という軽い気持ちで買った小さな1つの苗だった。

お手入れは全くと言っていいほど必要が無く、虫もつかない。ただ植えているだけでグングン伸びて増えて夏にはバッサバサに茂る。稲刈りをするように鎌で株元からバサーっと刈ると、フレッシュなレモンのような香りが堪らなくよくて、大きく息を吸い込んではうっとりする。思いきり全部刈っても、1カ月もしないうちにまた同じくらいにバサバサに茂る。とにかく強いのである。

そして寒さに弱く、冬になったら枯れるのだけれど、室内に入れたり短く刈ったレモングラスの上に腐葉土などを被せて保温しておくと越冬できるというので、試してみたら春になったらまた新芽が生えてきて夏にはバッサバサ。目的のタイ料理になんてそんなに使うもんでもないので、余りすぎる程茂って正直困ってしまうくらいなのだけれど、200円くらいで買った苗のパフォーマンスを考えるとお得どころじゃない感じのホクホク感でやめられないのである。

そしてその苗も何度も冬を越して今年で5年目。今年は暖冬だったせいか冬も全然枯れず、春に2株に分けて植えたら、もちろん倍繁っている。さらに、「レモングラスには西インドレモングラスと東インドレモングラスの2種類がある」と聞き、「どちらも育ててみたい!」と東インドレモングラスの苗を購入して植えたもんだから、レモングラスがすごいことになっている。

レモングラスがそんなに好きなわけじゃないし、ハーブティーなんかもほとんど飲まないし、料理にだってそこまで使わないのに、自分でも「何をしているんだ」と思うほど意味がわからない(笑)。

レモングラスティーが大好きという友人にダンボールいっぱいのレモングラスを送って引き取ってもらったりしたけれど、全然消費が追いつかない。これ以上送ったらもう嫌がらせの領域に入る気もする(笑)。

去年はレモングラスを稲藁のように使って納豆を作ってみたりしたけれど、そんな使い方でも追いつかない。なので、今年はもう食すというところから外れて、工作の材料として使うことにした。

「かごでも作ろう」と思い、「レモングラス」「かご」と画像検索してみると、たくさん出てくる! 「なるほどこんな作りになってるのかー」と、画像を眺めて研究。そしてその勢いでレモングラスと麻紐を使ってかご作りを始めてみた。

何となくの行き当たりばったりで作り始めたので、編み始めの方はガタガタ。「こっちから紐を通した方がいいか?」とか「こうねじったら綺麗になる?」とか、作りながら試行錯誤しているうちに段々コツを掴んできて、編み目も綺麗になってくる。

夜な夜な私が工作をしていると、猫がワラワラと集まり邪魔をしてくる。我が家の猫は稲科のとうもろこしやレモングラスなどの植物が大好きで、食べはしないのだけれど、齧って遊ぶのだ。

猫との攻防戦を繰り広げながら編み上げた1作目はにんにくポット。レモングラスは虫除けの効果もあるし、いい香りだし、風通しも良いので最適かなと。コツを掴んだので次はもう少し上手に作れると思う。

大量のレモングラスも消費できるし、いい香りに包まれながら大好きな工作にほぼタダで勤しめるし、やっぱりレモングラスはコスパ最高! そしてまた2作目を作れそうに茂ってきた。

もうトムヤムクンも西インドも東インドも全く関係ない路線に進んでいるけれど、益々レモングラスの栽培の虜になっているのでありました。でも、折角なのでレモングラスを使った美味しいレシピも少しだけ習得したいなぁとは思っているところ(笑)。鉢植えでも結構簡単に育つはずなので、ハーブ好きな人は来年ぜひレモングラスはいかがでしょうか?

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。