ぷーこの家電日記

第531回

お盆休み間近。我が家は自由な個別夏休み

8月に突入! 連日猛暑続きで「まだ7月だったの!?」みたいな気分ではあるけれど、いよいよ夏本番。そして気温だけじゃなく、しっかりエアコンが入っている家の中でも我が家は今、とっても暑いというか熱い。要因はオリンピックである。

スポーツ観戦が大好きな夫はお祭り状態で、とにかく暑っ苦しいほどに「うおー!」とか「うわー!」とかうるさい。夢中になりすぎて寝不足で体はつらそうだけれど、とにかく楽しそうで嬉しそうで何よりだ。私もハラハラドキドキしながらじっくり観戦して感動したいのだけれど、もう私の感情を掻き消すほどの夫の興奮ぶり(笑)。

幸い我が家にはテレビが2台あるので、食事の時間は一緒に過ごすけれど、その後は「はいっ! 解散!」と夫には部屋に籠ってもらう。夫は嬉しそうにお酒やつまみを部屋に持ち込んで、お祭り期間の1人時間をわーわー言いながら堪能している。とにかく自由な人だなぁと感心しながら私も1人時間を楽しんでいるのである。

オリンピック期間に関わらず、我が家は結構いつも自由。夫婦で一緒に遊びに行ったり飲みに行ったりすることも多いけれど、基本は1人行動だ。休みの日も「今週末どうする?」などと一緒に計画を立てたりすることはほぼない。たまに「週末ここ行くけど一緒に行く?」と聞くと、暇だったら行くし、別の予定を入れていたら行かない。という感じで、気分気のまま自由だ。

今はそれが我が家の普通だし、自分の時間も取れるので丁度いいのだけれど、結婚したばかりの頃は凄く戸惑ったし、それがきっかけで喧嘩というか私が怒りまくっていた。

最初の事件は、結婚前に初めて夫の実家に行った時、夫の両親と会うのはまだ2回目というタイミングだった。夜遅くの帰省で、その日は挨拶もそこそこに就寝。翌朝目を覚ますと10時を過ぎていて「やばいー。安定の寝坊。起こしてよぉ」なぁんて思ったら夫がいないのだ。私を1人置いて散歩がてら遊びに出掛けてしまっていた。

洗面所を借りて顔を洗って化粧するのが先か、ご両親に挨拶を先にすべきか、私は軽くパニック(笑)。恐る恐る部屋を出て「お、おはようございますぅ……」と恥ずかしい挨拶をすると「あらー、起きた? 朝ごはん食べる?」みたいな自然すぎる義母にありがたいやら戸惑うやら。しばらくして夫が帰ってきた時、ものすごく腹が立っていたけれど、義母の手前グッと抑えて、後で「何を考えているんだ! 自由すぎるだろ!」としこたまキレ散らかした(笑)。

そして第2の事件は、結婚して初めてのゴールデンウィーク。私はカレンダー通りだったのだけど、夫は結構長い連休だった。が、私はそれを知らなかった。「やばい! 仕事遅刻するよ!」と朝バタバタ準備してたら「今日からお休み。明日から旅行行ってくる!」みたいな感じで、「は? はいっ!?」と驚いてしまった。「あの、結婚したのに1人で1人の計画立ててたの? 共有もせずに?」と、これまた盛大にキレ散らかした記憶。

家族は家族単位で行動すると強く思い込んでいた私と、人と何かをするという感覚が人より欠落していた夫。他人と生活をすることの難しさを感じたし、お互い15年ほどの一人暮らしを経て自分の生活と考え方が確立していたので、急に人に合わせるのも難しい。

同じような状況でその後も何度も揉めながら、私も「なるべく事前に自分から予定は確認する」という脱かまってちゃんを心がけ、夫も「なるべく考えていることを共有する」と努力し、年々そういう摩擦は減っていった。そして自然と長期休暇は帰省も含め共に過ごし、週末などは各々勝手にというような今のスタイルが確立していったのだ。

起きた時に夫が既に家にいなくても何も気にならないし、私も特段夫に確認などせずとも自身の予定を入れるし、各々自由に過ごしつつ、日が暮れる頃になんとなく巣に戻ってきて共にご飯を食べるみたいな感じ(笑)。今となればそれくらいの方が私も楽だしちょうど良い。

そうこうしているうちに、また今年もお盆休みがやってくる。年に数度の、共に予定を考える機会だ。が、元々夫の会社はお盆の固定の時期に夏季休暇で、私は夏の3カ月の間の好きなタイミングで夏季休暇を申請するシステムだ。毎年夫の休みに合わせて私も休みを取っていたのだけれど、お盆期間は交通費も高いしとにかく混む。一緒に帰省しても、お互いの実家に1~2日泊まってバタバタ終わってしまう。

暑い中の長時間移動と長距離移動はかなり疲れるのというのも本音だ。今年の春に結婚して10年で初めて1人で実家に帰省したのだけれど、それがもの凄く快適で楽しかった。なので、「今年は夏休みをずらして、少し涼しくなってから取ろうかなと思うんだけど」と言うと、「良いじゃん!」と1人遊びがへっちゃらな夫も全然抵抗なく、個別で夏休みを過ごすことになった。

夫はお盆休みをずらして週末を利用して帰省しても、2人でバタバタ帰省する時と同じくらい滞在できるし、あえて長期のお盆休暇は帰省せず、人混みや渋滞を避けて自転車で旅にでも行こうかなと楽しそうに計画している。2人のどちらかが家にいると、飼っている猫のお世話も心配しなくて良いというのも利点である。

一人旅を嬉しそうに計画している姿に自分の存在を否定された気持ちになってイラッとしていた私はちょっと若くてちょっと可愛かったなぁと、クスリと笑えてしまうし、夫が体験することで自分も少しだけその気分も味わえる2倍楽しい夏休みになるのでお得な気さえしてくる。一緒に過ごすということ自体よりも、一緒に過ごしている時間をどう楽しむかに価値があることにやっとで気づき始めた私なのでありました。1人夏休み、楽しみだー!

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。