ぷーこの家電日記

第515回

花より団子。春は美味しいものが一気に動き出す季節

今年の桜の開花は早いと言っていた気がするけれど、3月に冷え込みが続き、例年並みと予想は変更され、さらに例年より遅めと言われ、待ちに待った感じで東京でも桜が満開になった。この頃は入学式の日には桜が既に散っているような気がするけれど、今年は本当にタイミングが良かった! そして先週末は天気も暑いくらいに快晴でお花見日和だった。

私たち夫婦も、家から2km程にある桜が綺麗な川沿いを散歩しながら桜を堪能した。川沿い3km程ずっと満開の桜の木。桜をバックに写真を撮る人たち。交代で家族の写真を撮る人たちに「みんなで一緒に撮りましょうか?」とつい声を掛けてしまう私。年々恥じらいというものが欠如していっている気がしなくもない。断られても全然へっちゃらだし、基本ほぼ喜ばれる。もう趣味のように声をかけてしまうのだ(笑)。

満開の桜の前で素敵な笑顔をたくさん見れて、今年の花見はここ最近で1番楽しかった。春爛漫、ものすごくウキウキして大好きな季節である。

そんな大好きな春。いきなり植物にスイッチが入ったように、あちこちから新芽が出てきてベランダの植木も一気に動き始めた。店頭にも山菜や筍などが並び始めて、旬を感じる。

暖かくなるといろいろな旬が一気に押し寄せてきて、俄然忙しくなる。ちょっと気を抜くとあっという間に過ぎ去ってしまい、食べられなかった後悔に襲われるので気が抜けない! 普段から非常に食い意地の張った私は、脳内のほとんどが「今日は何を食べようかなぁ」ということで占められている(笑)。

4年前の春にコロナ禍に入り、急に自粛自粛と外に出ることがほとんど無くなった。そして仕事もほぼテレワークとなり、買い物ひとつ行くのも必要最低限に、さっと必要なものを買って、さっと帰るくらいになった。そんなタイミングで私がハマったのは産直ECだ。

各産地から旬の農産物畜産物を買い、生鮮品に関してはほぼ産直で買う感じになった。採れたて新鮮で美味しい食材は、出かけることも無く不安でつまらない日常の中での楽しみでもあり、そして「こんなに美味しいのかー!」と、今まで食べていたものの概念を覆すような感動も多々あり、食材に対する解像度がグッと上がった気がする。

そうして5回目の春を迎え、生活はほぼ元に戻り、外食の機会も増えたし、家を空けることも多くなった。それに伴い、産直ECで購入する機会はかなり減った。特に買わなくというか買えなくなったものは、足の早い海産物と予約商品。

この季節、ヒラメなんて最高に美味しくて1尾丸ごと買って、お刺身食べ放題にえんがわだってたっぷり、そして昆布締めにして翌日もまた……。ということをしたいのだけれど、天候などに左右される漁ということもあり、いつ届くかが分からないのが高いハードルになる。

平日夜に仕事から帰り、大きな魚を受け取って調理して食べるのは、結構大変だったという経験から、それ以降手が出せなくなった。予約商品も同じく、数カ月後の予定など見えないので、突然届いた時に献立を含めバタバタ調整しなくてはいけなくなるので、躊躇が先立って買わない。

それでも4年で1,000回以上、いろいろ美味しいものを買い続けて「今年もこの季節がやってきたー!」と、季節になったら絶対に食べたくなる食材がいくつかある。それを食べるたびに、初めて食べた時の感動が蘇る唯一無二くらいの存在感。

春になったら絶対に食べたくなるのが、春子(はるこ)椎茸と春アスパラである。椎茸もアスパラもスーパーでも買える食材なんだけれど、もう全く別物くらいに美味しい。

春子椎茸は原木栽培の椎茸で春に採れるものの呼び方だけれど、寒い冬にじっくり時間をかけて硬い原木でゆっくりゆっくり育つので、香りも旨みもぎゅーっと濃縮された感じで、歯応えもブリンブリンでとにかく美味しい。初めて食べた時は信じられないくらいに美味しくて驚いて、もう毎年絶対に食べたいものリストに加わった。今年も先日頂き「やっぱりこれ!」と春の味覚を存分に噛み締めた。

アスパラは、野菜の中でも鮮度が落ちるのが早い食材だ。なので朝採れのアスパラをすぐに送ってくれて翌日に届く、産直ECとの相性は抜群だと思う。

アスパラに関しては遠くの有名産直よりも近くの採れたてのものが私的には絶対オススメである。東京在住の私は栃木の那須の麓で作られている美味しいアスパラがこの季節の最高の楽しみだ。乾燥に弱いので、濡れたキッチンペーパーで切り口の部分を覆いビニール袋に入れ、冷蔵庫で立てて保存するとそこそこ長持ちする。この季節になると牛乳など入れる冷蔵庫のドアポケット部分に、我が家は牛乳じゃなくてアスパラが立ててある状態になる(笑)。

和洋中華何にでも使えて、彩りもよく、肉との相性も抜群。アスパラは春と夏に旬があるのだけれど、春アスパラは柔らかくて甘い! シャキッとしてすっきりの夏アスパラも美味しいけれど、春アスパラの美味しさには敵わないなと思う。

今週末は、旬のアスパラを思い切り食べる会を友人と開催予定である。肉巻きとグラタンにパスタ。オイスター炒めも間違いないし、アスパラご飯も食べたいし、ピザも捨てがたい。まさに和洋折衷まとまりのない食べたいものだけのアスパラ三昧になりそうだけれど、花よりアスパラ、春はあけぼのならず春はアスパラ。そんなアスパラ祭りを開催予定で、ウキウキの週末なのであります。今しか食べられない美味しい美味しい春アスパラ、産地からの直送がめっちゃくちゃオススメです。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。