ぷーこの家電日記

第482回

無計画でお気軽な休日も悪くない

今週は猛暑というか酷暑というか、とにかく溶け出してしまいそうで、7月ってこんなに暑かったっけ? それとも私の体が暑さについていけなくなってきたのか? と、とにかく堪える。日中はほとんどの時間をエアコンがついた部屋で過ごしているのだけれど、ちょっと外出するだけで体で赤信号が点滅する感じだ。もう部屋から一歩も出たくない……。と思いながら完全に低空飛行。

この暑さに関わらず、普段から怠惰な私は休みの日もゴロゴロダラダラと過ごし、「今日も何もしなかった」と自分で無駄な過ごし方をしたくせに、後悔して落ち込んでしまうことも多かった。

そしてさらに、人と予定の約束をすることがかなり苦手である。「行けなくなったらどうしよう」「約束を破ってしまったらどうしよう」と、起こってもいないことに心配しすぎて緊張してしまい、約束の日が近づくにつれて、憂鬱になってくる。

「約束の時間を逆算して起きて」「着替えて準備して」「家を出て電車に乗って」と、文字にすると当たり前すぎて何が大変か自分でもさっぱり分からないのだけれど、やらなきゃいけないことを考えるだけでどっぷり疲れてしまい「何で約束しちゃったんだろう」と後悔すらしてしまうのだ。

もちろん恐れていたような大変な事態にもならないし、行ったら行ったで「めっちゃ楽しかったー!」と思って帰ってくるのだけれど、それでも毎度「なんで約束しちゃったかなぁ」と直前まで憂鬱になってしまうので、予定を詰め込むことは極力避けていた。

そんな気持ちに大きな変化が起きたのは、間違いなくコロナ禍の影響だった。当たり前のような「また今度ねー!」という言葉が全然当たり前ではなく、ずっと続くと思っていた日常はいきなり変わってしまうという経験は、私に何か大きな影響を与えたようである。

もちろん「ちょっと予定入れすぎたな」とか「今週はゆっくり過ごせばよかったなぁ」と思うこともあるし、ちょっと息切れ気味になることもある。それでも機会と時間があるのならば、なるべく人と会いたいと思う気持ちの方が強くなった。

おかげで通常運転にシフトし始めた今年からは、久しぶりの友人に会う機会もかなり増えたし、不思議と憂鬱になることもかなり少なくなり、純粋に楽しみに待つことが増えた。

私のよく分からない心配なんて取るに足らない小さなことだと無意識に分かったのかもしれないし、有限の時間の中で、何年もの隔たりの後でも会って楽しい、気が置けない友人としか約束をしないからこその安心感からか分からない。ちょっと開放的になり動き出した日常を結構満喫できているのは嬉しい。

とは言え、ちゃんと計画を練って、事前に準備してという幹事的なものを積極的にこなすみたいな領域には全然達していないので、友人任せのおんぶに抱っこか、もしくは全く同じタイプの友人と成り行き任せの緩い約束をするかの2択である。前者はちょっと申し訳ないような気持ちになりながらも、純粋に甘えて楽しませてもらい、後者の場合はお互いに適当なので、全く気負いがない。

先日「近所にブルーベリー農園ができたみたいだから、ブルーベリー狩りに行ってみようよ」と、私と同じく「約束とか決め事が非常に苦手」な友人2人を誘い、週末出かけることにした。1人は「ブルーベリーには全く興味がないから、夜のご飯だけ行く」とサクッと返信が来たので、昼間は私ともう1人の友人で。

そのブルーベリー農園は「予約が必要ない」というのも我々にとって大きなポイントだった。予約の時間が決まっていると、それに合わせて動かなくてはいけないけれど、予約の必要がなければ遅れることも焦ることも心配することもない。

「明日起きたら連絡する」と、時間の約束もしないのも私たちらしい。そこそこ近所に住んでいるのと、車での移動なので、この適当さが成立するというのはあるかも。でも、きちんとしている人から見るとむしろ逆に不安になるような雑さである(笑)。

週末の休日にちょっと遅く起き、起きた時と家を出る時に連絡し、車で友人を迎えに行く。友人をピックアップしていざブルーベリー狩りへレッツゴー!

ナビを頼りに向かったブルーベリー農園は、まさに住宅街の中で、細い道を走りたどり着いてみたら、「え? ここ? 駐車場がない!」というまさかのオチ。果物狩りの農園に駐車場がないということを全く想定していなかったので、完全に確認が漏れていた。

住宅街ゆえにパーキングもほとんどないし、見つけても満車。「予約してなくてよかったねー(笑)」などと笑いながら「よーし、近くの道の駅に行こう」と、予定変更してブルーベリー農園を後にした。

結局近くの道の駅に行って地元の特産物を少し買ってから、私が家庭菜園をしている畑に行き、夏野菜を少し収穫して、ご飯を食べるために我が家に移動。「今日は何かしたようで何もしなかったねー」「でも、なんか凄い良い休日だよねー」と、普段から無計画な人同士だからか、十分に楽しく充実した休日の過ごし方である。普段ちゃんとしている人と一緒にいたら申し訳なさで穴を掘って埋もれたくなったかもしれない(笑)。

ご飯の準備をしている頃にもう1人の友人も合流して、「あれ? ブルーベリーどこ?」なんてつっこまれながら、お腹いっぱいになるまで食べて喋って笑って、気楽で無計画な休日が終わったのでした。今度はもう少しだけ下調べをちゃんとして、ブルーベリー狩りもリベンジしたいなぁ!

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。