ぷーこの家電日記

第383回

我が家の防災用品はレジャー用品

ジメジメ蒸し蒸し暑くて、エアコンのドライがないと眠れなくなってきた私です。台風5号が発生して、日本に上陸しそうというニュースを見て、この季節が始まったかぁといろいろ心配になってくる。以前は自分が住んでいる場所のことしか興味なかったけれど、この1年は家にこもる生活で、全国から産直で食材を買う機会が多くなり、住んでいるところに限らず、台風の規模や進路がものすごく気になって心配になる。今年はどうか適度な雨程度で大きな被害は起きませんようにとハラハラしながら祈っている。

九州出身の私は、子どもの頃から台風に割と多く遭遇した。そこまで大きな被害に遭ったことがなかったせいか、台風が来る度にちょっとワクワクソワソワしたものだ。それが大人になって、少しずつ気候が変わり、台風や豪雨の激しさがガラッと変わってしまった。毎年大きな被害がどこかしらで起きて、その地区や作物たちに大きな影響が出ている。

かくいう我が家も去年の秋の台風はとても怖かった。川が決壊したら確実に床上浸水する家に住んでいる。震災以降、防災用品はそれなりに準備していたつもりだったけれど、避難しなければいけなくなったときにどうしようかとかなり悩んだし、真剣に考えるきっかけになった。

我が家には猫が3匹と犬が1匹いる。動物を連れての避難はとても大変だ。まして当日だけではなく、避難先での生活が長引くことを考えると非常に頭が痛い。去年の台風のときはラッキーなことに我が家は大きな被害がなく終わったけれど、そのときに犬猫ともども避難生活が必要になったら、車中泊が1番現実的かもねって話になったんだ。食材や携帯トイレ、懐中電灯に衛生用品など常備しているものの他に、ファスナー式で小さいながらケージのように開くキャリーバッグなども買い足した。

とはいえ、大人2人に犬猫4匹が寝泊まりできるような車ではない。自家用車の買い替えかなって時期の、前回の車検前に、夫から「そろそろ買い替える?」なぁんて話も出ていたのだけれど、「まだ乗れる乗れる! あと2年は乗るよ!」と、完全却下していた私。かなり怖くて危機感を覚えた台風がきっかけで考え直すことになった。「うーん。今すぐとか急ぎじゃなくても、車考えるかねぇ……」という話に。

でも、それは表向きの体裁というか、私たちは車を買う理由をずっと探していたのかもしれない(笑)。夫がじわじわと趣味としてハマり始めていたソロキャンプの世界。車中泊したーい! などと言ってはいた。私はといえば「e-bike2台をそのまま乗せて2人で遠くに走りにいきたーい!」と思っていた。奇しくもお互いのニーズの前に建前が揃ってしまった(笑)。

そうなると夫は早い! それはそれは優秀なリサーチ能力と交渉能力を発揮して、条件にぴったりのバンタイプの中古車を決めてきた。あれよあれよと言う間で、最後は「ちょっと出かけてくるー」と出かけて、「決めちゃうよ!」と最終確認の電話が来たくらい(笑)。納車されて3カ月ほどの今、それはまぁ非常に快適だ。私は週末に畑へ行っていつものように土いじりをしたあと、車で大の字で寝転んで昼寝して帰ったり、入れ替わりで夫がソロキャンプに出かけたり、もちろん2人で出かけたりも。すっかり建前を忘れて満喫してしまう。いや、これは最高だ!

そして、今週の初めに開催されていたAmazonプライムデーのセール。同じく建前は「防災」、本音は「レジャー」なものが、安くならないかなぁと狙っていた。それは「ポータブル電源」である。有事の際にある程度の期間車中泊になるとして、食べ物はもちろんだけれど、通信機器の電源はなんとか確保しておきたい。防災としてかなり力強い味方ではあるけれど、気軽に買っちゃうには少し躊躇してしまうお値段ということもあり買えなかったのだ。

安くなっていたら買っちゃうぞー! と思いながらプライムデーが始まってAmazonを覗いてみた。そうしたら、「かなり安くなってるー!」と大喜び。1番狙っていたJackeryの電源は大人気だったようですでに売り切れていて、同じくらいのスペックのAnkerの電源がこれまた良さそうだなと、カートに入れた。

セール2日目の最終日に夫が「ちょっといい? プライムデーやってるでしょ?」とタブレットを見せながら相談してきて、私が選んだものと全く同じポータブル電源がカートに入っていて爆笑した(笑)。考えること一緒なのか! 「ぼ、防災だよね!?」「も、もちろんだよー!」と言いながら、無事ポータブル電源をゲット。夫がどさくさに紛れてキャンプ用品を細々とカートに入れていたけれど、きっと気のせいだろう(笑)。

建前の「防災」で使う日が来ないのが1番だし、どうせなら楽しんで使える方が嬉しい。そして、防災と言いつつ本音はレジャー目的で買ったものだけれど、自分が想像していた以上に安心感がかなり増した。備えあれば憂いなし。この機会に他の防災用品も再点検しようと思っているのであります。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。