ぷーこの家電日記

我が家の結婚記念日は美味しいご飯とお箸の日

第341回

毎日うだるように暑くて、「はぁー、夏だわー!」と思ってたけれど、朝出勤するために家を出て自転車をひと漕ぎしたときに「あっ!」と秋の風を感じた。確実に秋の足音が近付いてきている。秋刀魚に栗に食欲の秋も始まる! と思ったら、今年は不漁で秋刀魚が異例の高さだとか。秋刀魚も高級魚の時代になってきたのかぁ。もう少しだけ安くなったら、夫婦2人で1尾の秋刀魚を分けあいますかね(笑)。

そんなこんなでもう9月。9月で本連載もまるっと7年。しみじみと時の流れを感じる。そして我が家の結婚記念日は9月1日の防災の日。9月で結婚生活もまるっと7年になる。山あり谷ありと語るようなことがなかったわけではないし、もともと他人だった人と生活を共にするストレスはもちろんゼロではない。けれど、1人だったら全く興味も持たずに過ごしたであろうことが、お互いが刺激になって大好きになったことだってある。焼肉でこんにゃくを焼くと美味しいことは夫に教えてもらったし、夫は、私が大好きなたこ焼きを焼くのも上手になって大好物になってる(笑)。

嫌いなことにしても同じく。お互い干渉なく好きなことは勝手にどうぞって感じの我が家だけれど、どうしても相手の領域から逃れられない類のものってあって、我が夫は動物がもともと嫌いというか、非常に苦手な人間だった。結婚前に私が犬を飼っているのを初めて見たときに「ひえぇー!」と思ったらしい(笑)。

でも、生活する上でどうしても妥協というか、無関係ではいられない。夫も今となれば、犬にも猫にも「今日はおやつ買ってきたよー」なぁんてお土産買ってきてくれるほど。そんな柔軟な変化にとても感謝だし、犬猫とのやりとりを聞いているだけで、それをつまみに飲めちゃうほど最高だ。

私はといえば完璧にプロ野球観戦。興味がないどころか、本当に大嫌いで憎しみすら持ってた(笑)。野球中継のために好きな番組が無くなったり、そもそも子どもの私にはチャンネル権なんてなかったし、本当に嫌だったのだ。そして高校生にもなると、ビデオに好きなドラマを録画しておいて、部活が終わって楽しみに帰宅すると、プロ野球中継の延長のせいで半分しか撮れていないときの悲しみよ! 今みたいに番組コードなんてもので制御されていないし、時間とチャンネルの指定で録画していた時に積み重なったあの恨みは大人になっても私の中に根深く残っていて、大好きな夕飯タイムにこんな地獄が!? なぁんて思っていた(笑)。

嫌々過ごすのは本当に嫌! 「嫌なことが多いよりも楽しいことが多いほうが絶対に幸せだ!」と思い、自らを暗示にかけることで嫌いを克服どころかむしろ大好きになって、今では野球が本当に日々の楽しみだし、今年大変な状況での開催に、「ありがとう!」と感謝である。この「嫌いなことが大好きになる」という成功体験ともいえる経験は、さまざまなことにおいてめっちゃくちゃ役立っていて、今後も確実に私を助けてくれると思う。まぁ、嫌いなものは嫌いで全然あるけど(笑)。

そんなこんなで平凡ながら確実に刺激しあって化学反応を起こしながらの7年。夫は3回目の結婚記念日から毎年夫婦箸を買ってプレゼントしてくれるようになった。最初に「お箸を買おう」と思いついたのもすごいなって思うし非常に嬉しかったけれど、それが今では現役引退した箸も含めてすでに4組あるのが、積み重ねてるって感じでものすごく嬉しい。そしてそのお箸で毎日懲りもせず顔を見合わせて、同じものをもぐもぐと食べているのですよ。食べることは生きることだし、こうして同じお箸で同じご飯を食べる生活は、一緒に生きているんだなって再認識できてしみじみ感動するのだ。

私はアクセサリーをほぼ付けない人間なので、3年後の10周年にはスイート10特別仕様のお箸でも買ってもらおうかしら(笑)。そしてもっと歳を取ったときには、神社のおみくじ並みに増えたお箸をジャラジャラと並べてこれは何年目でしょうゲームをしながら真新しいお箸でご飯を食べたいなぁなんて思っているのであります。

結婚7周年は「銅婚式」らしい(初めて知った!)。金婚式と銀婚式は知ってたしめっちゃベテラン! って思ってたけれど、銅はこんな所にいたのね!? 私からは銅のタンブラーでもプレゼントしようかな。ビールがますます捗っちゃう(笑)。そして今年のディナーは実店舗からオンラインへ移転をすることになった「豚組 しゃぶ庵」のしゃぶしゃぶでございます。このご時世の中、さらにたまたま自身の多忙という状況で悩ましかったのだけれど、最高のディナーを過ごせそう! 「今夜は豚シャブで銅でしょう?」なんちゃって! (笑)。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。