ぷーこの家電日記

第336回

無力な自分にできること。自分の機嫌は自分で取っていく

このところ、あまり代わり映えのない日常と、暗いニュース、気圧の乱高下などでどうしても体調が芳しくなく、日々グッタリとしている私。何だかとっても体が怠いのだ。あとひと踏ん張りが利かないというか、食後も「ちょっと横になるね」と言って少しだけ寝ようと思ったら、朝まで寝てしまうなぁんてことも多い。そして長く寝た割には疲れが思いの外取れていない。梅雨が明ける頃には少しは上向くと良いけれど。ただの加齢でしたーなぁんてオチだったら嫌だなぁ(笑)。

それにしても、コロナ禍真っ只中に大きな天災まで襲ってきて、考えるだけで心が痛くなる。地元九州の話だってこともあるし、東京に住んでいる私自身も9年前のゲリラ豪雨で床上浸水を経験していて、あのいきなり目の前に溢れ出す水に、対応するとかじゃなくて、ただ「え? は?」みたいになる不思議な感覚を思い出してゾッとする。

私は病気も治してあげられないし、被害も食い止められないし、困っている人を助けることもできないし、大きな寄付だってできない。こうやって「できないこと」ばかりを並べて考えていくと、何一つ良い結果なんて生まれる訳もない癖に、どんどん疲れて悲しくなってくる。

考えていることに見合う結果が何も生まれないのだ。まさしく無駄な労力。以前、「反応しなくていいから対応しなさい」と人に言われたとき、めちゃくちゃ感銘を受けて、これはもう座右の銘にするぞ! と思ったくらい私に刺さった。

本当に心だけ反応しても何も解決しないし、できないことや辛い出来事を考えてばかりいると、マイナスはあれどプラスなんて何も生まれない。それならば、自分が今いる環境の中で少しでも「できること」に注力する方が、結果誰かしらにとっての幸せへの近道なんだよなぁと思う。

私が悲しんで落ち込んでボーッとしているよりも、猫でも撫でている方がよっぽど誰か(猫)の為にもなってるくらい。とてもとても小さくても、自分に「できること」を探しながら、できることをやって行きたいなと思う。

共感性が高い人だと、流れ込んでくる情報に心が反応しちゃって疲れ果ててしまっている気がする。そんなときは1度テレビやネットをそっと閉じて、アイスクリームでも食べたらいい。疲れた自分を少し助けてあげられるのも、十分「自分にできること」だと私は思うのだ。

さて、そんなことを考えつつも、ザワザワする気持ちが簡単に穏やかになるでもなく、気を抜くと暗い気持ちになりかけちゃう昨今。そんな時に私はますます家族のありがたさを感じている。

夫は「もっとちゃんと考えなよ!」と言いたくなるくらいに楽天家だし、基本いつも機嫌が安定していてぶれない。いい加減さに呆れることもあるけれど、そんないい加減さが“良い加減”なのだ。

そして3匹の猫達。日々ご飯を食べて毛繕いをし、昼寝をして運動会を繰り広げそして眠る。ただそれだけなのだけれど、とにかく幸せそうというか、最高に私を幸せな気持ちにさせてくれる。時々「このご飯イヤだ」とエア砂かきするくらいの悩みは持っているけれど、それ以外にあまり悩みはないようである。

1匹なんて子猫時代は半身不随で歩くこともできなかったんだけれど、当時もまったく憂いてなかった。私だったら自分の不幸を恨まずにいられなかっただろう。奇跡的に完治して動けるようになり、今となっては「少し大人しくしていただけませんかね?」とお願いしたいレベルで1番悪ガキ。テレワーク中も果敢に私のお手伝いをしてくれようとするもんだから、「猫の手は借りません!」といつもPC上で私と攻防戦を繰り広げている(笑)。

あとは、一応お預かりという形だけれど、もう完全にうちの飼い犬になった気でいる老犬。緊急事態宣言が出て家にいる時間が長くなったのがきっかけで預ったので、もう我が家に来て3カ月かな?

保健所で2年以上過ごしてたということで、「人に撫でられることもなければ、人の優しさも知らないんだな……」と悲しかったのもあり、余命いくばくもないであろう老犬が、少しだけでも現世で楽しい思い出を残していってくれたらなぁと願い、確かにまぁ、ちょっと甘やかしすぎた(笑)。完全に我が家を自分の家だと思っているし、私を自分の下僕だと思っている(笑)。

それはそれは楽しそうに毎日ご機嫌に過ごしているジジイ。可哀想な子って思ってたけど、本犬は全然可哀想でも何でもなくて、可哀想を作り出してたのは私だったのかも。と軽く反省しつつ、よくもまぁこんなに楽しそうになれたもんだなぁと尊敬の気持ちさえ芽生える。

目がまったく見えないもんだから、我が家に来て1カ月くらいはルンバのようにあちこちぶつかりながら歩いていたけれど、今となっては完全にマッピング完了したようで、スタコラ家中自由に歩いているし、耳は全くきこえないけれど、ものっすごく鼻がいいので、匂いで私のところまで歩いて来ては「抱っこー! 抱っこー!!!」と猛烈ワガママに訴えてくる。

歯がまったくないけれどカリカリも平気で食べるし、私たちのご飯をほしがってジタバタ騒ぐ。「あぁ、肉食の猫と違って雑食だもんねぇ。何でもほしがるなぁ」などと無駄に感動するものの、この食事攻防戦もなかなか大変なバトルだ。

酷いヘルニアでトイレだけは辛そうなんだけれど、トイレ終わった後なんか達成感でスキップなんてして喜んでいる(笑)。辛い要素満点なのに、全然憂いていないご機嫌状態の犬を見ながら、私も何もせずに憂うより、目の前のことを大切にしなきゃなぁと、ちょびっと教えられて助けられていると、とてもとてもありがたく感じているのでありました。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まない30代後半。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。