ぷーこの家電日記

第335回

帰省したい気持ち高まるけれど、まだまだおあずけ続きそう

私たち夫婦は福岡県出身で、双方の両親は福岡で健在だ。お互いの兄妹はともに関東在住でちょこちょこ交流を持ちながら、地元に戻るのは盆正月くらい。

両親は70代前半で高齢者に首を突っ込んだお年頃。この数カ月の自粛含め、もう少し長引きそうなコロナ禍が5年後10年後だったらと考えると、私個人としては心労度合いがまた違っただろうし、さらに心穏やかで過ごせなかっただろうなと想像できる。

先日も電話で「今年のお盆はちょっと帰れないかもしれない」と言うと、「まぁ、無理だろうね。というかその方がいいよ」とサクッと返答されて「そうだよねぇ……」と返事しながら、切ない現実を前にちょっと寂しい。

まぁ非常に元気でパワフルな両親で、父は今もフルタイムで仕事を続けているし、趣味もたくさん。夫婦2人の生活を満喫しているのが何よりも嬉しい。こちらに住んでいる孫(兄の子)にも会えないけれど、毎日のように写真を送ってもらいながら、成長を楽しく見守っているようだ。

姪っ子の写真や動画は私にも時々送られてきて、成長の早さに驚くとともに「この既視感は!!!」と、あまりにも兄に似ていて、思わず笑っちゃうほど。顔もそっくりだし、本を読む姿勢や口癖なんかも同じで、「めっちゃ知ってる! この人知ってる!」とたまらない親近感を感じるのです。あぁ姪っ子達にも早く会いたいなぁ。

そういう私も昔から父親そっくり。顔も性格もそっくり瓜二つで、性格が似過ぎている故に、思春期の反抗期に喧嘩なんてしちゃった日にはもう大変だった。まぁ1番大変だったのは間に入る母親だったんだろうけど(笑)。

すごく似ていることも「似ているね」と言われることも思春期には嫌だったなぁ。それに加え、ちょっと封建的な考えとか、ものすごく嫌いで結構反発していたし、何も言い返さない(ように見えていた)母親にも不満を持って反発していた時期もあった。

早く自立したかったし、とっくに自立している今だけれど、40歳を超えた頃から、よく子どもの頃のことを思い出し、懐かしくなったり恥ずかしくなったり申し訳なくなったり、色んな感情が押し寄せて来る。

今となっては、もっとあの頃を大切にすれば良かったとありきたりな後悔もあるし、未だに何一つ孝行できてないし、孝行ってどうすれば良いのかも分かっていない。きっとそんなこと言うと、サクッと「あなた達が元気で幸せなことで十分でしょ」と返ってくると想像できるのだけれど。

そうやってこの頃センチメンタルになりがちなのは、「会いたいときに会えない怖さ」みたいなところから来るのかしら。いつでもできると思っているときはつい後回しにしがちな大事なことに気付いて凹んでいるのかもしれない。

大きな禍いが起きると、自分がいかにいい加減に生きてきたかを痛感したりする。そんな気持ちなのかもしれない。

いろんな思い出の旅をフワフワ辿りながら、「あぁ、私ったら年々ますます似てる! やだー!」と、親と同じことをしている自分にちょっと笑う。

父の趣味である家庭菜園は、これまで興味がなくて1度も一緒にやっていなかったくせに、気付けば自分で畑を借りて土と戯れているほどハマっていて、お互い写真を送って張りあったり褒めあったりしているし、実家の庭には程遠いけれどガーデニングなんかもやっている。

自粛期間で家にいる時間が長いとき、普段は作らないお菓子なども時々作ったけれど、母が子どもの頃に作ってくれたお菓子ばっかりだったり。かるかん饅頭なんて懐かし過ぎて感動しまくったし、苺大福を作った後には、入れてた実家のタッパーウェアの色形まで思い出す。もう色んな記憶が走馬灯のように蘇ってきて、「私、死んじゃうの?」って思うくらい(笑)。

そしていろいろ思い出して懐かしい料理を作りながら、「あぁ、あの頃きっとこれが母のブームだったんだ! ある時パタっとなくなったよな」と、子どもの頃には「母親」としてしか見ていなかったけれど、今考えると1人の人としてのミーハーさやブームとかが見えてきて面白い。

すごく堅実で真面目なコツコツタイプの両親だけれど、結構いろんなブームがやってきて去って行ってたわー! と思うと何だか時代を超えて、今の自分と同じ歳くらいだった両親と対話しているみたいな気持ちになるし「この人友達になれる!」って思う(笑)。今度帰ったら、昔話もたっぷりしたいなぁー。あ、こうして人は昔の話ばかりをするようになるのか!?(笑)

ちなみに、私が子どもの頃に両親に言われてきた教えの中で、印象深く今も繰り返し思い出すのは、「人は人の悪いところや嫌なところを見つけたとき、すぐ口に出すけれど、良いところを見つけてもあえて口には出さない。嫌なところを見つけたときは、あなたが言わなくても誰かが言うから任せておいて、良いところを見つけたらそれは大きな声で言っていきなさい」みたいな話。

この教えのおかげで、かなりポジティブに生きてこれている。まだSNSなどもなかった時代だけれど、今の時代にも十分通じる話だよなぁと思ったりもする。

しばらく帰省もできそうにないけれど、この生活の中でも、嫌なことや辛いことより、素敵なことや楽しいことに目を向けながら毎日楽しく過ごしていくぞー! いざ帰省できるその時まで元気にご安全に。「手洗い・うがい・栄養・睡眠・笑顔」であります!

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まない30代後半。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。