ぷーこの家電日記

第281回

裏の裏はただの表? お裾分け問題って面倒臭い

 「今は一体何月なのだ?」と言うほど暑い今日この頃。既にバテそうでございます。私ものすごく汗っかきで、ご飯食べただけで滝のような汗が吹き出し、まるでバケツの水を被ったようにびしょ濡れになる。もうこれは夏でしょう? と思いながら、「夏野菜が美味しくなってきたねー!」と大好きな茄子をモリモリ食べたりしている。

 私も夫もほぼ好き嫌いはなく、何でも「美味しい美味しい」と食べられるラッキーな2人だし、出身地が同じだからか、味付けの嗜好もほぼ一致しているので、おつまみやご飯を作るのも楽チン。

 それでも私は気付いてしまった。それは結婚して1、2年経った頃。「ねぇ、実はトマト嫌いでしょう?」と。

 おつまみなどで、トマトスライスやカプレーゼなど出してもそこそこ普通に食べるんだけれど、必ずと言っていいほど残る。「あとちょっと1品くらい欲しいね」なんて言ってる時に「トマト切ろうか?」などと言うと、「あ、今はいっかなー」とか「もうお腹いっぱいになった」とか、何かもにょもにょ言いだすのだ。

 8割方「今はいいかな」なんだけれど、それ以降それが食べられる事はない。それである日「ねぇ、実はトマト嫌いでしょう?」と聞くと、「え? 食べられるよ?」という返事で確信。「食べられるか食べられないかじゃなくて、好きじゃないでしょ?」と聞くと「うーん。好んでは食べない」との返事。ミートソースとかは大好きだけど、生のトマトがあまり好きではないらしい。

 普通に「生のトマトはあまり好きじゃないんだよね」と言われたら「そうなんだねー」で済む話なのに、「今はいっかなー」と隠す理由は私には全く理解が出来ない。毎回断る理由を考えるのも面倒だろうし、「じゃぁ明日出そうかな」などと調整する私にも面倒な話だ。

 人からの頂き物だったりすると、「好きじゃないのでいりません」なぁんて言えないので、「ありがとうございますー!」と言って受け取る心理は分かる。けれど、家で食べる日々のご飯でも、出されたものは黙って食べようと思うのか(食べないけど)、新婚時期に気を使った結果、今さら言い出せなくなったか、はたまた「好き嫌い=悪」と思っていて、好き嫌いがないと思い込みたいのかは分からないけれど、バレバレの誤魔化し方をする夫が可笑しくて思わず爆笑してしまった。

 私も野菜は生よりも加熱したモノが好きなので、それ以降は我が家ではトマトはほぼ加熱して食べる。準備する時にトマト出して「生のトマトあるよー」「今はいっかな」と、我が家ではお決まりの掛け合いのように言っては笑っている。

 そんなこんなで、トマトをむしゃむしゃ食べる文化がない我が家だけれど、夏野菜の定番と言えばやっぱりトマトということで、家庭菜園でも現在育てている。そろそろ着実しそうで、採れたてのトマトにかぶりつくのが、私は結構楽しみなんだけれど、きっと「今はいっかなー」と夫は断ってくるだろう(笑)。

 なので、採れたトマトはちょっと料理に使って、残りはほとんどピューレにして冷凍保存しておくことになりそう。シンプルなピューレを作っておくと、スープやパスタなど、長く楽しめるのが最高。ピザソースなんかも作って、他の夏野菜と合わせて、夏野菜のピザなんてのも絶対に美味しいよね! 想像するだけでヨダレ!

 今年は家庭菜園のストック用に冷凍庫を買う予定なので、そこそこストックは捗りそう。それでも採れたての野菜は美味いし、たくさん採れるであろう野菜は、友人や同僚にも積極的にお裾分けしていきたい。そうなると先の夫の話じゃないけれど、お裾分け問題が発生するのでございます。

 「お野菜いります?」と仮に聞いたとして「いる」「いらない」というハッキリした2択ではなく、「大歓迎! 欲しい!」「貰ったらまぁ嬉しい」「断るほどでもないけれどそんなに欲しくもない」「それ本当いらないし、迷惑なんだけど」とまあ、聞かれた方もいろいろな内心があるはずだ。

 こちらとしても、押し付けるつもりはサラサラないので、「欲しい人がいたら」くらいな気持ちなのだけれど、欲しいのに遠慮しちゃう人もいれば、いらないのに断りづらいって人もいる。いろんな人がいるので難しいのですよ、コミュニケーションってヤツは(笑)。もっとシンプルだったらいいのにー、と結構悩ましい。

 言葉の「裏の裏」を勘ぐって、表なのかやっぱり裏なのか……。考えれば考えるほどドツボにハマって「うわー、面倒くせー」と、結局ほとんど自分で消費することになるんだろうな(笑)。幸い「野菜欲しい!」と直で言ってくれる友達もいるので、その人たちには送るか配達するかしようと思っている。

 なぁんてそんなに色々考えて「やっべー、虫にやられて全滅しちゃったよー!」なぁんてオチが付かないように、せっせと家庭菜園に勤しもうっと(笑)。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まない30代後半。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。