調理の下処理
秋の味覚を堪能! 新鮮な「サンマ」の選び方&調理に合わせたワタの取り方
第96回
2019年8月30日 06:00
秋の味覚「サンマ」は、塩焼きや煮物などにして食べるのが一般的。今や、冷凍品が出回り1年中手に入る「サンマ」ですが、漁獲量のピークは9月ごろです。今回は、新鮮な「サンマ」の選び方と、調理に合わせたワタの取り方をご紹介します。
苦味が程良いサンマの「ワタ」は、取り除かずに焼き物にして食べるほか、調味料と合わせてソースにすることもあります。お好みでワタも利用してくださいね。
身が太いサンマは、脂が乗っている
新鮮なサンマは身に張りがあり、黒い目の周りが透明で澄んでいます。背は黒く、腹は銀白色に輝いているものを選びましょう。身が太くて大きく、口元が黄色になっているサンマは脂が乗っている印です。
サンマの皮を見るとウロコが付いていません。実は、サンマのウロコは剥がれやすく、水揚げするときに剥がれてしまうのです。まれに、ウロコが付いている場合もありますので、調理前にキッチンペーパーで拭き取るか、包丁の背で取り除くと良いでしょう。
頭を付けたままワタを取り除く方法
腹に切れ目を入れてワタを取り出す方法です。頭を付けたまま塩焼きにしたいときに行ないます。サンマをまな板に置き、肛門から頭近くまで包丁を入れて腹を開きます。ワタを取り出したあと、水洗いしてキッチンペーパーで水分を拭き取りましょう。
塩焼きにするときは、サンマの身へ均一に塩を振り掛けます。また、皮に切り込みを入れると焼き上がりの見た目が良くなり、なおかつ火の通りも良くなるのでおすすめです。
頭とワタを同時に取り除く方法
腹を開くことなく、頭を引っ張ってワタを取り除く方法です。塩焼きはもちろん、煮物におすすめの下処理です。腹に切り込みを入れずにワタを取り出すと煮崩れしません。
まず、肛門の手前に包丁で1cmほど縦に切り込みを入れます。次に、サンマの腹を下にし、胸びれのつけ根の上部から切り込みを入れ、中骨を切りましょう。まな板にサンマを置き、片手で身を押さえながら、切り込みを入れた頭を持ち、少しずつ動かしてワタを引き抜きます。最後に、ワタを取り出した部分を水洗いし、キッチンペーパーで水分を拭き取ります。
煮物にするときに臭味が気になるなら、身を切り分けたあとにザルに置き、熱湯を掛けて下処理します。臭味の原因となる血液が熱湯で凝固し、取り除きやすくなりますよ。