調理の下処理

食べごろ「バナナ」の選び方と追熟法、傷みやすい時期も長持ちさせる保存のコツ

第94回

 1年中手に入る「バナナ」は、簡単に皮が剥けて、手軽に食べられる果物ですね。そのまま食べるのはもちろん、糖質を多く含んでいるのでジュースやスイーツの材料にも使われています。利用しやすい果物ですが、暑い時期には傷みが早く、保存が難しくなってしまいます。今回は、食べごろ「バナナ」の選び方と追熟の方法、暑い時期にも「バナナ」を長持ちさせる方法を紹介します。

暑い時期でもバナナは長持ちさせられる

実の形と軸のつけ根を見て選ぼう

 バナナの木は、花房を上から下に垂れ下がるように伸ばし、上から順に円を描くように実を付けます。実ができたばかりの時期は下に向かって付きますが、日光を浴びながら上に反り返って成長していきます。1つの花房に付く実は、多いもので200本ほど。花房の上の実の成長に合わせ、先端の実が大きくなる前に切り取って収穫します。

 収穫時期が早い実は、形が角張っていて、甘味も弱い可能性があります。そのため丸みが出るまで成長した実を選ぶと良いでしょう。また、軸のつけ根がしっかりとしているものが良品です。皮に傷があるものは、傷みやすいので避けるようにします。

できるだけ丸みのある実を選ぶ

食べごろバナナの見分け方

 皮全体が黄色になり、シュガースポットと呼ばれる黒い斑点が出たあたりまでが食べごろです。シュガースポットが出てくると、最も甘味が強くなります。

 皮が緑色のバナナは未熟で、食べごろではありません。緑色が残っているバナナは追熟を行ないましょう。バナナを置く温度が低くなると追熟しにくいため冷蔵庫には入れず、室温に置きます。エチレンガスを出す果物の近くに置くと、追熟が進みやすくなりますよ。エチレンを多く発生するのは、リンゴや梨、メロンなどです。

実の全体が黄色に色付いたら食べごろ

暑い時期は野菜室で保存

 暑い地域で育つバナナは低温に弱いため、保存の基本は室温に置くことです。しかし夏の時期は、常温で保存すると傷みやすくなりますね。冷蔵庫の野菜室で保存すると長持ちします。

 バナナを房のまま野菜室に入れると、バナナ自体が出すエチレンの影響で熟しやすくなります。長持ちさせたい場合は、バナナの実を1本ずつに分け、ポリ袋に入れてから野菜室で保存しましょう。2週間ほど、食べごろのまま保存できます。

 さらに長期間保存したい場合は、輪切りなど使いやすい大きさに切り分け、変色防止にレモン汁を掛けてから、チャック付き保存袋に入れて冷凍します。半解凍して、スムージーやヨーグルトのトッピングに利用するのがおすすめです。

ポリ袋へ入れて野菜室で保存すれば、2週間ほど保存できる

じゅん

チョコレートと漬物が好きな管理栄養士です。現在、子育てに奮闘中。体力の衰えを感じながら、子どもと公園を走り回っています。家事の効率化とシンプルライフを目指して、日々の生活を見直し中です。