調理の下処理

春を感じる野菜「菜の花」、選び方と下茹で方法のコツ

第86回

 春の訪れを感じる「菜の花」は、食感が良く、ほろ苦い味わいが特徴。今回は、「菜の花」の選び方と下茹で方法をご紹介します。独特の味わいを楽しむために、お浸し、和え物、炒め物など風味を活かした料理がおすすめです。茎は固くしっかりとしているので、柔らかいつぼみとは茹で時間を調整しましょう。「菜の花」の鮮やかな緑色で、食卓が華やかになりますよ。

菜の花は、茎とつぼみを時間差で茹でて、仕上がりを均一に

つぼみと色をよく見て選び、鮮度が落ちる前に食べ切る

 花が開く前に、花茎と葉を切り取って収穫される菜の花。選ぶ時は、つぼみの大きさが揃っていて、密集しているものにしましょう。茎や葉の緑色が濃く、みずみずしいものが良品です。花が開きそうなものは、収穫してから時間が経っているので避けるようにします。

 時間が経つにつれて鮮度が落ちますので、購入後は冷蔵庫の野菜室に入れ、1~2日以内に食べ切ります。すぐに食べ切れない場合は、下茹でしてからチャック付きポリ袋へ入れて冷凍保存しましょう。

つぼみが密集していて、葉や茎の色が濃いものを選ぶ

しっかり洗って、茹でる前に食べやすい大きさに切る

 つぼみや葉の内側に汚れが溜まりやすいため、ボウルに水を張り、菜の花を浸けて振るように洗います。そのあと、全体を流水で洗い流しましょう。茹でる前に根元を1cmほど切り、茎とつぼみを切り分けてから、長さ5cmくらいの食べやすい大きさに切ります。茎とつぼみは別々に置き、熱湯へ入れるタイミングを変え、茹で時間を調節します。

茎とつぼみを切り離し、食べやすい大きさに切る

茎とつぼみを時間差で茹でる

 鍋にたっぷりの水を用意し、塩を入れて火に掛けます。塩の分量は、水1Lに対して小さじ1が目安です。沸騰した湯に茎を入れて30秒ほど茹でたら、つぼみを投入してさらに30秒ほど茹でます。茎が太い場合は、1本取り出して指で押し、茹で具合を確認してもよいでしょう。

 固くて茹で足りない場合は、茹で時間を長くします。茹で上がったら冷水に浸けて粗熱を取り、手で水気を絞ります。粗熱を取るときに、水に浸ける時間が長くなると、風味が弱くなりますので注意してくださいね。

手で水をしっかり絞ると、味付けをしても薄くならない

じゅん

チョコレートと漬物が好きな管理栄養士です。現在、子育てに奮闘中。体力の衰えを感じながら、子どもと公園を走り回っています。家事の効率化とシンプルライフを目指して、日々の生活を見直し中です。