調理の下処理
【調理の下処理3】「ナスの紫色」の色あせ防止!彩りよく保つ5つのコツ
2017年 1月 31日 11:00
1年中手に入るナスは、和洋中の料理に欠かせない野菜ですが、加熱したり漬けたりといった調理で色が変わることがあります。今回は、ナスの紫色を色あせなく彩りよく保つ、下処理のコツを5つご紹介します。実はナスの紫色は、熱や水分などの影響を受けて色あせしやすいんです。紫色を保つポイントを確認して、ナス料理を彩りよく仕上げましょう。
ポイント1:ナスを油でコーティング、皮から火を通す
ナスは煮たり炒めたりする前に素揚げをすることがありますよね。たっぷりの油を用意して素揚げをしてもいいですが、少し手間がかかるのが悩むところ。少ない油で素揚げをするときには、あらかじめナスに油を絡めておきましょう。また火を通すときは、皮から油へ入れます。箸でナスをゆらしながら、皮全体に火を入れます。火が入ったら、ひっくり返して加熱します。輪切りなど一口大に切ったナスを炒める場合も、油をコーティングしてから加熱すると皮の色がきれいに仕上がります。
ポイント2:熱と水分に接する時間を短くする
ナスの味噌汁を作ると、汁へ色が溶け出し黒っぽくなることがあります。ナスは「熱」と「水分」がそろうと色あせしやすいからなんです。ナスは水分が多い野菜なので、実から出る水分でも色あせが起こってしまいます。そのため、火が通りやすいように切り込みを入れたり、小さく切りましょう。
また炒め物にするときは、強火で水分を飛ばしながら加熱しましょう。煮汁に浸けるときは、ナスと煮汁を別で加熱します。1時間以内に食べる場合は、熱々のまま煮汁に浸け込んでも大丈夫ですが、一晩置くなど浸ける時間が長くなる場合は、ナスと煮汁を冷ましてから浸け込むときれいな色を保てます。
ポイント3:電子レンジでの加熱はラップで包む
電子レンジでナスを加熱するときは、ラップを密着させて包みます。ナスは1本のままヘタを落として縞目に皮を剥くか、切り込みを入れましょう。600Wの電子レンジで1分30秒加熱します。予熱で1分火を通したら、すぐにラップを外して蒸気がこもらないようにしましょう。食べやすい大きさに切って煮汁などを掛けて味付けをします。電子レンジでの加熱は、短時間でできるのでナスの紫色を保つにはピッタリです。
ポイント4:鉄製のフライパンや鍋を使う
ナスの紫色の色素は、黒豆の黒色と同じ仲間です。昔から、黒豆に鉄クギを入れて彩りを良くする方法が伝えられていますよね。ナスの紫色も鉄と反応して安定しやすくなり、色を保つことができます。ナスの炒め物や煮物を作るとき、鉄製の調理器具を使ってみましょう。
ポイント5:ナスの漬物にはミョウバンや鉄クギを使う
ナスの漬物を手作りすると、漬け込むうちに色があせてしまうことがあります。市販のナスの漬物には、色あせ防止にミョウバンが入っています。ミョウバンは、ナスの皮を鮮やかにする効果があるんです。家庭で浅漬けやぬか漬けにするときには、ナスを塩とミョウバンでもみ込んでから漬けましょう。またぬか漬けの場合は、ぬか床に鉄クギを入れると、色が安定しやすくなりますよ。
ナスの紫色は不安定で色あせしやすい
ナスの紫色の色素は「アントシアニン」で、水に溶けやすい性質があります。またアントシアニンは、酸性のとき赤、中性のとき紫、アルカリ性で青になります。さらに、熱が加わるとナスから酵素がでてきて色あせを起こしてしまいます。ナスの紫色は、調理の影響を受けやすい不安定な色なんです。これまでお伝えしたポイントは、不安定な色素への影響を少なくする下処理法です。ナスの色あせを抑えて、食卓へ彩りを添えてみてくださいね。
ナス以外の紫野菜、紫キャベツ、紫玉ネギは赤色にして楽しむ
紫色の野菜でナス以外によく見掛けるものに、紫キャベツや紫玉ネギがあります。これらは、サラダやマリネで食べることが多い野菜です。紫色のアントシアニンが酸性で赤色に変化することを利用して、酢漬けで赤い彩りを楽しむことができますよ。色の特徴を知って下処理をすると、彩りが良くなり料理の見た目がアップしますね。