調理の下処理

【調理の下処理2】「緑色の野菜」を、彩り良く下茹でするコツ

緑色の野菜は、下茹ですると黄色く変色することがあり、見た目が悪くて美味しそうに見えませんよね。今回は、緑色の野菜を彩り良く下茹でするときに押さえたいポイントをご紹介します。同時に、緑色の野菜を鍋や電子レンジで加熱する方法と、茹でるとき塩を加える理由、黄色く変色してしまう原因なども合わせてお伝えします。

 

鍋で下茹でするコツ:たっぷりの湯で加熱し氷水で急冷

緑色の葉物野菜を鍋で下茹でする場合、たっぷりのお湯で茹でて、氷水で急冷するのがポイントです。鍋へたっぷりの水を入れて火に掛けます。沸騰したら、野菜を入れフタはしません。野菜に火が通ったら、氷水に取り急冷しましょう。氷水で完全に冷ましてから水気を絞ります。葉物ではない、ブロッコリー、インゲン、絹サヤなどは、氷水にさっと付け粗熱が取れたら、ザルに上げて冷まします。水に浸しすぎると、水っぽくなってしまうためです。

 

電子レンジで加熱のコツ:大きさを揃えて加熱し、氷水で急冷

電子レンジでの加熱は短時間で済みますが、加熱ムラができる可能性があるので、野菜の大きさを揃えて加熱するのがポイントです。加熱後は、鍋で下茹でするのと同様に、氷水で急冷しましょう。

 

・葉物野菜(1束):根元と葉先が交互になるように並べ、ラップで包み600Wで2分加熱
・ブロッコリー(茎を取り除いた1個分):大きさを揃えて小房に切り分け、耐熱皿へドーナツ状に並べ、ふわっとラップをして600Wで3分加熱
・インゲン(100g):ヘタを取り除きラップで包み、600Wで1分加熱
・絹サヤ(100g):筋を取り除きラップで包み、600Wで1分加熱

 

絹サヤやインゲンの煮浸しを作るときのコツ

煮物に絹サヤやインゲンの煮浸しを添えて、飾りにすることがありますよね。絹サヤやインゲンの煮浸しを彩り良く仕上げたいときは、野菜も煮汁も冷ましてから浸すのがポイント。熱い煮汁に入れると、味はしっかり付くのですが、冷めるときに色が悪くなりやすいためです。冷ました汁と具材で、味をしっかりと付けたいときは、一晩煮汁に漬けましょう。

 

下茹でするとき、塩を加えるのはなぜ?

レシピのなかには、野菜を下茹でするときに塩を加えるものがあります。茹で水に塩を加えると緑色の色素が安定し、より鮮やかになるためです。茹で水に加える塩は、1Lの水に対して小さじ1が目安。しかし、塩分の取りすぎが気になる場合は、塩を加えなくても大丈夫です。たっぷりの湯を用意して急冷するポイントを押さえると、塩がなくても彩り良く仕上がります。

 

緑色の野菜が変色してしまう原因

野菜が持つ緑色の色素は「クロロフィル」で、酸と熱で色が悪くなります。葉物野菜のアクの成分は酸性で、水に浸けると野菜から溶け出します。少ないお湯で茹でると、野菜から溶け出した酸によって湯が酸性になりやすくなります。また、たっぷりの湯を用意しても鍋にフタをすると、酸の成分が揮発できず湯が酸性になってしまうのです。たっぷりの湯を用意してフタをしない理由は、湯が酸性になるのを防ぐからなんですね。そのほか「クロロフィル」は、約40℃の温度で色が悪くなります。茹で上がったら急冷するのも、緑色を保つためなのです。

 

 

じゅん(管理栄養士)

チョコレートと漬物が好きな管理栄養士です。現在、子育てに奮闘中。体力の衰えを感じながら、子どもと公園を走り回っています。家事の効率化とシンプルライフを目指して、日々の生活を見直し中です。