調理の下処理
【調理の下処理1】切った果物の変色を防ぐ、コツの使い分けで美味しく!
2017年 1月 17日 06:30
リンゴ、バナナ、桃、アボカドなど、切ると変色しやすい果物は、時間が経つと見た目が悪くなってしまいますね。今回は、塩水やレモン汁などキッチンにあるものを使って、果物の変色を遅らせる方法をご紹介します。塩水やレモン汁以外の方法もありますので、アレンジできるよう変色する原因のキーワードもお伝えしますね。
塩水を使って変色を遅らせるメリットとデメリット
切った果物を塩水へ浸けると、変色を防止できます。果物を浸ける塩水の塩分は約0.5%で、水200mlへ塩1gを溶かして作ります。塩1gは、小さじ1/5ですが、いわゆる1つまみ程度。塩水をなめると、ほんのりと塩味がするくらいです。浸ける時間は1分ほどでよく、長くなると果物の成分が流れ出てしまうので気を付けましょう。塩水を使うメリットはどの家庭にもあり安価なこと、デメリットは塩味が少し付くことです。
レモン汁を使って変色を遅らせるメリットとデメリット
果物をレモン汁に浸ける時間は、1分ほどです。レモン汁へ浸けるメリットは、果物の風味を損ねないこと。デメリットは、味が少し酸っぱくなること、レモンが自宅にない場合があること、そして価格が塩よりも高いのでコストパフォーマンスが悪いことです。
そのほか、果物の変色を遅らせるもの
塩水やレモン汁以外でも、切った果物の変色を遅らせることができます。例えばオレンジジュースは、ビタミンCが含まれているので、レモン汁の代りに使えます。果物の風味を損ねないのでおすすめです。また、酢水に付けるのも効果的。酢を使う場合は、まろやかな酸味のリンゴ酢を使い、水に酢小さじ2を入れて1分ほど浸します。少し酢の風味は付いてしまいますが、酸味の優しいリンゴ酢なら気になりにくいですよ。
果物を切ると変色する原因とキーワード
果物の変色は、「ポリフェノール」「酸素」「酸化酵素」の3つのキーワードが原因で起こります。ポリフェノールは、いろいろな野菜や果物に含まれています。日本茶やワインの「カテキン」、チョコレートの「カカオ」がよく知られていて、総称としてポリフェノールと呼ばれています。果物を切ると細胞の中から酸化酵素が飛び出し、空気中の酸素と果物に含まれるポリフェノールを結び付けます。この3つのキーワードがそろうと果物の変色が起こります。
果物を塩水へ浸けると、塩に含まれるナトリウムがポリフェノールの周りに壁を作るので、酸素と結合できなくなります。つまり、「酸素」の働きを抑えるのです。レモン汁やオレンジュースに浸けると、レモンに含まれるビタミンCが酸化酵素と結びつきます。また、酸性の強い酢水に浸けると酸化酵素が上手く働きません。塩水以外の酸っぱいものは、「酸化酵素」の働きを抑えているんですよ。
まとめ
ポリフェノールの量は野菜や果物によって異なります。リンゴは品種によってはポリフェノールの量が違うので、少ないものは変色しにくいんですよ。そのようなリンゴは、ジュースやカットフルーツに利用されています。品種改良が進むと、塩水やレモン汁に浸けなくても変色しない果物が増えていくかもしれませんね。