暮らし
ズボンのファスナーが緩くなったら?「ファスナー付け替え」手順を解説
2017年 12月 5日 11:00
子どものズボンなど、よく着る洋服の「ファスナー」が緩くなって、自然に降りてくるようになることがありますね。今回は、「ズボンのファスナー付け替え」手順を写真入りで解説します。少し難しく感じるかもしれませんが、1つ1つの工程を丁寧にすることで、早くきれいに仕上がりますよ。お気に入りのズボンのファスナーが壊れたら、捨ててしまう前にチャレンジしてみませんか。
工程1:ファスナーを丁寧に外す
ズボンのファスナーは右側へ付いている場合と、左側へ付いている場合があると思います。ここでは右左と呼ばずに、ズボンのウエストボタンが付いている側を「下前(したまえ)」、ファスナーを覆って隠していた側を「上前(うわまえ)」と呼びます。また、下前と上前の端、体の中心に最も近い部分を「前端(まえはし)」と呼びます。下前には「持ち出し(もちだし)」という布が付いていて、下前と持ち出しでファスナーを挟んで縫い付けてあるはずです。
まずはファスナーを付けてあるミシン目を全てほどきましょう。ミシン目をほどくのに便利な「リッパー」や、刃先の尖った「糸切りバサミ」を使うと早くきれいにほどけます。ズボンやファスナー土台の生地を切ってしまわないように注意して、丁寧にほどくのがポイントです。
ファスナーはウエストベルトにも縫い込まれているので、ウエストベルトを縫い留めてあるミシン目もほどきましょう。ただし、たくさんほどき過ぎると、あとで縫い直すときに大変なので、ファスナーを外せる長さの分だけほどくようにします。
工程2:下前「持ち出し」へ新しいファスナーを付ける(1)
下前の「持ち出し」(写真左)表面の、「わ」ではない方、布端の処理がしてある側へ新しいファスナーの端を合わせます。ファスナーの金具の上端がウエストベルトのすぐ下へ来るように位置を調整し、まち針やしつけ糸で留めてから、ミシンで縫い付けます(写真右)。分かりやすいように、目立つ色の糸で縫っています。縫うときは、持ち出し以外の布を縫い込まないように注意しましょう。
工程3:下前「持ち出し」へ新しいファスナーを付ける(2)
持ち出しに付けたファスナーの金具に沿って下前の前端を重ね、ファスナー土台布の上端部分はウエストベルトの中へ挟み込みます。ずれないようにまち針やしつけで留めましょう(写真1)。前端のきわ部分をミシンで縫います(写真2)。ファスナーの上部を挟み込んだウエストベルトにもステッチを掛けて押さえます(写真3)。このとき、持ち出しに付けていない方のファスナーまで挟み込まないよう、ファスナー土台布を折り曲げてまち針で留めておくと安心です(写真3)。これで、ファスナーが下前の持ち出しとウエストベルトに付きました(写真4)。
工程4:上前「見返し」にファスナーを縫い付ける
ウエストのボタンを留め、布を出来上がり状態にきれいに重ねて整え、上前の前端をまち針で留めます(写真1)。ズボンを裏返し、上前の裏に付いている「見返し」の上にファスナーが乗っていることを確認しましょう(写真2)。待ち針でファスナーを見返しに留め付け、ミシンを掛けます(写真3)。このとき、裾の方からウエストに向かって掛けるとやりやすいです。見返しにファスナーが付いたら、下前と同様に見返しの上部をウエストベルトの中へ挟み込み、ミシンステッチで押さえます(写真4)。
工程5:上前へ、ステッチとかんぬき止めをミシンで縫う
最後に、上前に表からステッチを掛けます。下前の持ち出しを縫い込まないように、裏側へよけてまち針で留めると縫いやすくなります。最初にほどいた縫い目の針穴に沿ってステッチを掛けましょう(写真左)。このとき、ファスナー下部の留め金の部分にミシン針が当たると、針が折れて危険な場合があるので、縫う前に確認し、必要ならしつけ糸で印を付けておくと安心です。最後に、下前と持ち出しを重ね、補強のために、細かいジグザグミシンでかんぬき止めを縫えば完成です(写真右)。
まとめ
ファスナーを付けるときは、専用の「ファスナー付け押さえ」を使うと便利です。また、縫っている途中でファスナーのスライダーが邪魔になったときは、必ずミシン針を布に刺した状態で押さえ金を上げ、縫いやすい位置までスライダーを移動させましょう。こうすれば縫い目がゆがまず、きれいに縫い進められますよ。