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【お花のある暮らし1】切り花を長持ちさせるコツと、扱い方の基本

もらって嬉しい花束ですが、「どうすれば長持ちするのか分らない」という方も多いのでは?今回は、切り花を長持ちさせるコツと、家に帰ってから飾るまでの基本的な手順をご紹介します。基本が分れば、花束をもらっても慌てることもありませんね。長持ちさせるコツを知って、お花を長く楽しみましょう。

 

切り花長持ちのコツは「雑菌対策」、こまめに水を取り替えて

切り花の大敵は「雑菌」。雑菌の繫殖の原因となるものを排除していくと、花を長く保てます。雑菌の繁殖を防ぐためには、涼しく適度に風が通るところへに飾って、こまめに水を取り替えるようにしましょう。水替えのときは、花瓶を洗って雑菌の繁殖を防ぐことも大切です。枯れてしまった花は、茎ごと取り除きましょう。枯れた花は、茎も傷んでいることがあるため雑菌の原因になりますし、取り除くことで残ったお花も美しく見えます。それでは、いただいた花束を存分に楽しむ手順をご紹介します。

 

ラッピングは外して、風通し良く

花束は、「ラッピングがきれいだからそのままにしておきたい」という方も少なくないと思います。でも、お花を長く楽しむためには、ラッピングを外しましょう。ラッピングをしたままでは、季節を問わず風通しが悪く、夏は特にムレの原因になります。また切り口が覆われていると、水もたくさん吸えないので花の劣化を早めてしまいます。

 

花瓶を準備しよう

花瓶にお水を入れて、花を飾る準備をしましょう。花をそのまま飾れるサイズの花瓶か、小分けにするのであれば必要な数の花瓶(または代用できる器)を準備しておきましょう。

 

冷たい水道水と薬剤で花保ちUP

切り花の水は、冷たい水道水を使いましょう。水道水に含まれるカルキが雑菌の繁殖を抑えてくれます。切り花鮮度保持剤(切り花延命剤)がある場合は、お水との割合を確認して正しい分量でぜひ活用しましょう。鮮度保持剤がない場合は、台所用の塩素系漂白剤を500mlの水に対して2~3滴入れるのも効果的です。水の雑菌の繁殖を防ぐ効果があります。ですが漂白剤は、入れすぎるとお花に薬害が出ますので注意が必要です。小さい花瓶を使用するときは、一旦大きめのバケツなどで漂白剤を希釈してから移し替えると良いでしょう。水の量は、花瓶の半分くらいを目安にします。また短い茎がある場合は、その茎がお水へ確実に浸かるように、水を多めに入れましょう。

 

花が水を吸いやすくなるように「切り戻す」

花束をそのまま飾れる花瓶が用意できたら、花のすべての茎を1~2cm切り戻しましょう。花束を固定してあるヒモや輪ゴムは外さなくてOKです。固定した部分を手に持って、花の切り口を新しくすることを「切り戻し」と言い、茎が水を吸い込む「水あがり」を良くする効果があります。断面が広い方が水を吸う面積も広くなるので、切るときは斜めに。切ったらすぐに花瓶に入れましょう。切り口を乾かさないことが基本です。花瓶が低く花が長すぎるとひっくり返ってしまう可能性があるので、そのときは花瓶のサイズに合わせて長めに切り戻しましょう。水に浸かる部分に葉がある場合は、雑菌の繁殖の原因となるため取り除きます。

 

風通しが良く、涼しい場所へ飾る

花を飾るときは、直射日光を避けた涼しい場所へ。熱を発する家電製品や火の近くは避けた方が無難です。水が温まると雑菌が繁殖してしまい、花の茎を腐らせてしまいます。また空気がよどむ場所はムレの原因になります。人が出入りする玄関やリビングなど、適度に空気が動く場所がベストです。暑い夏や留守にするときなどは、家の中で1番涼しい場所へ移動しておきましょう。

 

思い出に、写真を撮る

花はいつか枯れてしまいます。花瓶に入れたらすぐに写真を撮っておきましょう。思い出にもなりますし、いただいた方へメールやLINEなどで、撮った写真を送って感謝の気持ちを伝えても良いですね。花束をプレゼントした方も、飾られた花の写真をもらえたら「喜んでもらえたのだ」と嬉しいものです。

 

まとめ

水替えの頻度は、夏は毎日、冬は2日に1度くらいが理想です。水替えをするときは切り戻しもしましょう。もし水が濁ってきたら雑菌が繁殖したサインです。茎についた雑菌を洗い流し、花瓶も漂白するか念入りに洗いましょう。茎が溶けたり、変色した場合はその部分を切ってしまいましょう。傷んだ茎が残っていると、ほかの花にも雑菌がうつってしまいます。茎を切って短くなってしまっても、小さな花瓶へ生け替えればまた楽しめますね。花首だけになってしまったら、水を張ったお皿などに浮かべるとステキですよ。

 

五十嵐道子(フラワーデザイナー)

オーダーメイド花屋「包kurumi」フラワーデザイナー。フラワー装飾技能士1級。店舗やオフィス、イベント会場に出張して現場で花を生ける「生け込み」を中心に、フラワーアレンジメントやブーケなどの製作を手掛けています。小粋で色香漂う花を好む大人向けの作品が得意です。