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【折り紙とハサミで切り絵16】テクニック編:切り込み線で作る「バラ」

モチーフごとの切り方や練習法、ハサミの使い方をマスターしながら、レベルアップを目指すテクニック編。今回は、切り込み線を切り抜いて作る、「バラ」の切り絵をご紹介します。切り絵は、切り抜くモチーフのレベルを少しずつアップさせていくと、もっと楽しめるようになりますよ。花の切り絵のなかでも難易度の高い「バラ」をマスターして、ぜひ作品に取り入れてみましょう。

 

基本形のバラの切り方1:バラの形を切り抜きましょう

まずは、茎の付いたツボミの状態のバラを切ってみましょう。折り紙を半分に折って、切って広げて作るパターンで、切り抜きます。まずはグラスを半分にしたような形を、線で絵を描くように切っていきましょう。色鉛筆などで下絵を描くと切りやすいと思います。紙を上下逆さまにして、花の上部から切り進めます。折り線部分からハサミを入れてツボミの部分を切り、折り線に沿って茎を切りましょう。大きさや形は、写真の見本を参考にしてくださいね。

 

基本形のバラの切り方2:長い切り込み線を入れましょう

次に、写真のようにツボミへ切り込みを入れて、細い線を切り抜き、花びらになる部分を作ります。まず、バラの上部、向かって右側の角から茎の方へ向かって、緩やかな曲線の切り込みを入れましょう。中央の折り線を越えて、再び折り線に戻るような曲線で切ってみてくださいね。1本目の切り込みを入れ終えたら、次は、その線から少しずれた位置から、もう1本切り込みを入れましょう。切り終わりをすぼめて、線を切り抜いてください。これが1番大きな花びらを作る線になるので、長い切り込み線を、思い切って入れてみましょう。下絵を描いてから切っても大丈夫ですよ。

 

基本形のバラの切り方3:短い切り込み線を入れましょう

次は、先ほどの切り込み線の反対、左側の角から中央へ向かって、短く緩やかな曲線の切り込みを2本入れて、細い線を切り抜きましょう。ここは切りにくい部分なので、直線になっても大丈夫です。最初に入れた長い切り込み線までハサミを入れてしまうと、中央の部分が切り落ちてしまうので注意して切りましょう。これで、左右の花びら2枚と、バラの中央の部分が出来上がりました。

 

基本形のバラの切り方4:仕上げの切り込み線を入れて完成!

では、バラを仕上げていきましょう。ツボミの右下部分、茎の脇からハサミを入れて、斜め右上に向かって切り込み線を2回入れ、線を切り抜きます。ここは「うねり」を付けた、動きのある線にしましょう。この線を入れると、もう1枚の花びらが重なっているような雰囲気が出ます。次に、最初に入れた縦の切り込み線の5mm下から、ハサミを真横に入れて楕円形に切り抜きます。次に、楕円形を切り始めた位置の2~3mm下から、もう1度ハサミを入れて、今度は細い切り込み線を入れます。すると写真のように、花の中心で花びらが巻いているような模様が出来上がります。これで基本形のバラのツボミが完成しました!

 

バラのアレンジ形1:切り込み線を変化させてみましょう

基本形のバラをマスターしたら、切り込み線の数や長さ、入れる位置などを変えて、アレンジしてみましょう。切り込み線を入れるごとに台紙の上へ置いて、切った線を確認しながら切り進めると、分かりやすくなりますよ。狭いスペースに切り込み線を入れるのは、少し難しいかもしれませんが、きれいに切れなくても気にせずに、どんどん練習を続けてください。練習を続けるうちに、ハサミの使い方のコツがつかめてきますよ。切り込みの入れ方は、【折り紙とハサミで切り絵12】を参考にしてくださいね。

 

◇【折り紙とハサミで切り絵12】テクニック編:表情豊かな「葉っぱ」作ろう
https://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column/lifestyle/1162528.html

 

バラのアレンジ形2:バラの形を変化させてみましょう

切り込み線のアレンジに慣れてきたら、線で絵を描くように切るパターンで、バラの形や大きさも、少しずつアレンジしてみましょう。バラの形を変化させると、切り込み線の入れ方も変わります。自由なスタイルのバラ作りを楽しんでくださいね。また紙を半分に折った状態で、絵を描くように切ると、写真左上のような左右対称のバラが2つ出来上がりますよ。紙を重ねた状態で切り込み線を入れる練習してみてくださいね。

 

バラのアレンジ形3:花びらが広がるスタイルのバラ

アレンジ形の最後に、花を上から見たような、花びらが広がるスタイルのバラをご紹介します。まず、写真左上の見本のように、バラの形を切り抜きます。次に、写真左下の見本を参考にしながら切り込み線の下絵を描き、線を切り抜いていきます。切り込み線は、好きなところから切ってくださいね。切り込み線のパターンが同じバラを何度も切るうちに、徐々に下絵なしでも、自由に切れるようになっていきますよ。パターンを決めて、繰り返し練習をして、自分のものにしていきましょう。

 

作品例:バラの切り絵で作るコラージュ

バラの切り絵は、それだけでもデザイン性が高いので、バラだけを作って台紙に貼り、コラージュ作品として仕上げるのもおすすめです。今回の作品例では、折り紙を半分に折って左右対称のバラをいくつか作り、切り離して、向きや位置を変えて台紙に貼っています。枝や葉の付いたバラにしたり、葉っぱだけほかの色で作って貼ってもいいですね。バラを少しずつ違う色で作るなど、色の組み合わせも楽しんでくださいね。

 

まとめ

繊細な切り込み線を入れて、形を作っていくのは、切り絵ならではの楽しい部分です。この切り込み線は今回のバラだけではなく、さまざまな切り絵で使えるテクニックなので、たくさん練習をして、繊細な切り込み線を自由に入れられるようにしていきましょう。

 

コーヒーくん(切り絵・絵本作家)

切り絵・絵本作家「コーヒーくん」として活動中。アートスクールでたまたま出会った切り絵にはまり、以来ハサミでチョキチョキしている毎日です。生活の中で見て癒しになればいいなと、ブログで日々切り絵を披露しています。手製本で絵本を作る創作活動もしています。ブログは「毎日切り絵♪絵本屋さんのコーヒーくん」、minneは「魔法ウサギ by絵本屋さんのコーヒーくん」。