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【魚のさばき方1】ほかの魚にも応用できる!「アジの三枚おろし」前編

魚をさばけるようになりたいけど今さら人に聞けないし、なんだか面倒そうというイメージのある人も多いのではないでしょうか。今回は、5〜7月が旬のアジの「三枚おろし」の方法を前後編に分けてご紹介します。前編の今回は、頭と内臓を取り除くところまでをご説明します。アジの「三枚おろし」をマスターすれば、ほかの魚も三枚におろせるようになるので、この機会にマスターしてみませんか。

 

【手順1】「ゼイゴ」を取る

魚をさばく前に、包丁を研いで、ウロコが付きにくいように濡らしておきます。内臓を取り出すまではまな板が汚れやすいので、まな板の上へキッチンペーパーや新聞紙を敷いて作業しましょう。アジには尾ビレから体の中央に向かって、「ゼイゴ」と呼ばれる固いウロコが付いています。まずは身からゼイゴを取り除きましょう。写真のように、尾ビレの付け根に包丁を当てて、上下に小刻みに動かしながら「ゼイゴ」を削ぎ取ります。表側が取れたら裏側も同じように取り除きましょう。

 

【手順2】ウロコをとる

次に、ウロコを取りましょう。尾ビレ側から頭側に向かって、包丁の背で優しくなでていきます。アジにはほとんどウロコがないので全体的になでる程度でOKですが、ウロコが硬かったり多かったりする魚では、少し力を入れたほうが良いこともあります。

 

【手順3】頭を切り落とす

頭の脇に付いている胸ビレを頭側へ折ります。上側の頭の付け根と胸ビレを結んだ線の上へ包丁を置いて、頭を切り落としましょう。

 

【手順4】腹ワタを出す

次に、頭を切り落とした魚の腹側を切って内臓を出します。腹側の頭の付け根から、腹の部分の穴が空いている部分(肛門)まで、包丁の先を使って一直線に切り込みを入れます。切り込みから包丁の背側を入れ、腹ワタを掻き出しましょう。また中骨(内臓を包むアバラ骨)にある「血合い」と言われる太い血管は、あとで取り除くのですが、この段階では包丁で傷を付けておきます。

 

【手順5】水で洗う

内臓を取ったばかりの魚は血で汚れてしまっているので、「立て塩(※)」と呼ばれる塩水で、きれいに洗い流します。とくに内臓が入っていた腹の中は丁寧に。先ほど包丁で傷を付けた血合いも、この段階で指でこすって取り除きます。洗い終わったら、水分を丁寧に拭き取りましょう。何匹もさばくときは、一旦ここまでの作業を繰り返しておきましょう。次回は、いよいよアジを三枚におろしていきます。

 

※立て塩:塩分濃度3%の塩水のことで、海水と同じくらいの濃度です。水500ccに塩大さじ1(15g)で作ります。立て塩で魚を洗うことで、旨味を逃しにくくするほか、魚の臭味を取る効果があります。

 

 

村上歩美(管理栄養士)

簡単でおいしい!が大好きな管理栄養士です。
料理の楽しさを伝えたくて、料理教室に勤務しておりました。
日々の献立作成のお手伝いができるような情報をお届けしていきます。