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【ダウン症児と私31】4歳から考えた小学校の進学、特別支援学校の見学へ

ユキトくんが4歳になるころ、ナナさんは小学校への進学について考えるようになりました。今回は、ユキトくんの進学先について、いろいろな選択肢を考え始めたころのお話を伺いました。ダウン症児の進学先は、特別支援学校、特別支援学級、普通学級のいずれかが一般的です。住んでいる地域にある施設の受け入れ体制と、子どもの発達状況によって選択肢は変わってきます。ナナさんは、どんな選択をすることにしたのでしょうか。

 

特別支援学校ってなに?

Q.小学校や中学校への進学について考え始めたとき、どんなところで情報集取されましたか?

A.まずは、ユキトの状態をよく理解してくださっている幼稚園の担任の先生に相談してみました。実は、自宅の近くに特別支援学校があったのですが、そこは肢体不自由児向けの学校なので、小学校入学のころまでには歩けるようになるだろうダウン症のユキトには物足りないだろうというアドバイスでした。一方、幼稚園の隣にも特別支援学校があり、こちらは知的障害児、情緒障害児向けだったので、先生が、隣の学校の情報をいろいろ調べて下さいました。

 

Q.特別支援学校には、種類がいろいろあるのですね。

A.「特別支援学校」は、以前「養護学校」「盲学校」「聾学校」と呼ばれていた学校のことで、法律が変わり2007年から全て同一の校名になりました。同じ名前で呼ばれていても、子どもの症状によって通える学校が異なります。

 

<特別支援学校の種類>

  • 肢体不自由
  • 知的障害
  • 視覚障害
  • 聴覚障害
  • 身体虚弱・病弱

 

特別支援学校にも学区がある

Q.それで、ユキトくんは幼稚園の隣の特別支援学校に通えることになりましたか?

A.それが、特別支援学校も小学校と同じように学区があり、我が家はその小学校の学区外でした。それでも、担任の先生は「隣の幼稚園に通っていて、自宅からの通学にも慣れていて通いやすいだろうから、ユキトくんを入学させて欲しい」と交渉をしてくれました。でも、残念ながら特例は認められませんでした。

 

まずは、候補の学校を見学して、雰囲気を確認

Q.ほかに候補は見つかりましたか?

A.通っている幼稚園とは自宅を挟んで反対方向の、少し遠いところにある特別支援学校が候補になり、秋の学校公開日に見学に行くことにしました。

 

Q.見学に行くことになった学校は、どのくらい遠いのですか?

A.それまでは、車で30分の幼稚園に通っていましたが、反対側にある特別支援学校は車で1時間くらいの距離です。でも、通学バスがあるのでなんとか通えるだろうと思いました。

 

Q.特別支援学級への進学も検討されましたか?

A.そのころのユキトには、特別支援学校があっていると思いました。また、候補の特別支援学校には、児童デイサービスに通っているお兄さん、お姉さんもこの通っていいて、面識があるお母さんもいるので心強く感じていました。

 

Q.見学に行かれて、学校の雰囲気はどうでしたか?

A.学校はとても広く先生や職員の方もたくさんいて、清潔感もありました。クラスは、普通クラスと重複クラスの2種類に分かれていて、単一の障害がある子どもや、比較的軽い知的障害児は普通クラス、複数の障害がある子や重度の知的障害児は重複クラスに振り分けられます。普通クラスでは子ども6人に先生が1人ですが、重複クラスでは3人に1人と多めに付いて、子どもたちをケアしてくれます。見学をしながら、ユキトは重複クラスかなと思いました。

その日の見学会では、以前通っていた幼稚園のお友だちとお母さんに会えて嬉しくなりました。ユキトも入学までには歩けるようになりそうなので、知的障害児の受け入れのあるこの学校に入学しようと思いました。

 

ダウン症児の基礎知識31:特別支援学校

特別支援学校は、小学校、中学校、高等学校に準ずる教育を受けられる学校で、学習以外に、生活動作のプログラムや就労を目指すためのプログラムなど、子ども1人1人に合せた指導を受けられる学校です。学区制のため入学できる学校が限られ、幼稚園や児童サービスよりも遠くの学校へ入学する場合もあり、親御さんに送迎などの負担が掛ることもあります。就学に迷ったときは、日ごろの行動を知っている療育施設や幼稚園のほか、地区の福祉窓口、医療機関のカウンセラーなどへも相談して、より多くの情報を集めるのが良いでしょう。

 

 

ナナ

5歳のダウン症の息子「ユキト」と、3歳半の弟「マサト」のママの「ナナ」と申します。ダウン症の子どもを育てている様子や、母親の気持ちなどを率直にお話ししたいと思います。