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初心者さんOK!「お花のはんこ」の作り方、素敵な押し方アレンジも

前回は直線で彫る簡単なお花のはんこをご紹介しました。今回は、対称的な4枚の花びらがある「アレンジ自在なお花のはんこ」をご紹介します。今回も難易度は高くなく、初心者向きですので、ぜひ、チャレンジしてみて下さい。

 

準備するもの

<はんこを作る道具・材料(写真左側)>

・カッターマット(ない場合は厚紙など)
・トレーシングペーパー、普通紙
・筆記用具(鉛筆またはシャープペン)
・消しゴムはんこ用のゴム版:厚さ1cm
・マスキングテープ
・デザインカッター・普通のカッターナイフ
・練り消し(セロテープや消しゴムでも代用可)
・定規

 

<はんこを押す材料(右側)>

・お好みの用紙(コピー用紙や画用紙など、今回はハガキの半分くらいの大きさの用紙を使用)
・スタンプインク(今回使用した色は、グリーン系のセラドン(アートニック)、ブルー系のシーブリーズ(バーサマジック)、ピンク系のピクシーダスト(バーサマジック))

 

デザインカッターとスタンプ台は、ネットでの購入が便利です。その他の材料は100円ショップや無印良品、文房具店などで購入できます。

 

下絵の作成1:花用のガイド線を引く

まず白い紙に赤などの目立つペンで1辺が20mmの正方形を書きます。次に辺の中央を結ぶラインを縦横に引き正方形を4等分し、最後に対角線を結ぶラインを引きます。

 

下絵の作成2:トレーシングペーパーに花びらを1枚描く

ガイド線を書いた紙の上にトレーシングペーパーを乗せて、鉛筆で花の下絵を描いていきます。まず、中心位置に直径2.5mmの円を書きます。次に、ガイド上辺の中央から、中心点に向かってふっくらとした花びらを書きます。このとき、中心点まで線を書ききらず、ガイドの対角線に重なるところで線を止めておきます。 

 

下絵の作成3:1枚目の花びらから4枚の花びらを描く

トレーシングペーパーをもう1枚重ねて、1枚目に書いた花びらを写します。下にある1枚目のトレーシングペーパーを時計と逆方向に90°回転させ、左側の2枚目の花びらを描き写します。さらに90°ずつ1枚目のトレーシングペーパーを回転させて、3枚目、4枚目の花びらを描き写していくと、花びらの下絵が完成します。

 

はんこを彫る1:花の下絵を消しゴム版に写し中央をくりぬく

花の下絵を書いたトレーシングペーパーを、書いた面を下向きにしてゴム版の上に置きマスキングテープで固定し、爪などで上からこすって、ラインをゴム版に写します。ゴム版に下絵が写ったら、彫っていきましょう。まず、真ん中の円の部分をくり抜きます。デザインカッターの刃を右側に少し倒して、カッターの刃を1ミリほど差し込んだ状態で、版を反時計周りに少しずつ回してラインを入れていきます。最後にカッターの刃をちょっと起こすと、中心の円がくり抜けます。

 

はんこを彫る2:花の輪郭を彫る

次に花びらの輪郭を彫っていきましょう。まず、花びらの下絵のラインに沿って、深さ1.5mmほどの切り込みを入れます。このとき、デザインカッターの柄を花の内側へ傾けて、切り込みが外側に傾くようにします。右利きなら、反時計回りに1周切り込みを入れていくとやりやすいでしょう。次に、写真のように下絵のラインから2~3mm離れたところを1周切ります。このとき、最初の切り込みへ向けて、カッターの刃を花の外側に倒した状態で差し込み、もう1度グルッと1周切り込みを入れると、周囲が切り取れます。外側の切り込みは、先ほどとは逆に時計回りに切り込みを入れましょう。

 

はんこを彫る3:切り込みはV字状

切り込みの断面を見ると、V字状になっているのが理想です。 写真は、分りやすいように通常よりも深く切り込みを入れています。

 

はんこを彫る3:花のパーツを切り離す

次に、ゴム版から花のパーツを四角く切り取ります。V字状の溝のすぐ外側を、普通のカッターで垂直に切りましょう。四つ角は、斜めに切り落として角が欠けないようにしておきましょう。

 

はんこを彫る4:花の周りを切り取る

デザインカッターの刃を、横から花へ向かって差し込んで、V字状の溝の外側にある、余分なゴム版を取り除きます。

 

はんこを押す1:インクの付け方

インクを付けるときは、写真のようにはんこを下向きにしてインクパッドに付けましょう。何度も使ったインクパットは、インク少なくなったり、色が濁ってくることがあります。補充用インカーが販売されていますので、それで補充するとインクパッドが蘇りますよ。補充用インカーは、ネットでの購入が便利です。

 

はんこを押す2:2色のインクで交互に規則正しく押す

グリーン系・セラドンとブルー系・シーブリーズの2色のインクを使って、規則正しく花のはんこを押してみましょう。片方の色を押すときにはんこを45°回転させて押すと、規則正しい柄にちょっと動きが出てきます。今回は、ハガキの半分の大きさのカードに押しましたが、大きな紙に押して、ラッピングに使っても可愛いですね。

 

インクの色を変えるときは、はんこに付いたインクを必ずきれいに取り除きましょう。水で洗い流し、柔らかい布などでそっと水分をふき取ります。使用する布は、何度もお洗濯をして水分を吸い取りやすくなったガーゼハンカチやタオルなど柔らかいものが使いやすいです。

 

はんこを押す2:自由に花を散らしてみる

もう1つ、先ほどとは違うアレンジをご紹介します。ピンク系のピクシーダストを使って、自由に押していきます。1カ所に3~4個の花を塊にして押したり、1つだけ押したりと、花をカード全体に散らしました。やさしい色なので、柔らかい印象になりますね。はんこにインクを付けるときに、力加減を変えて、インクの濃さを調節してみても面白いですよ。

 

片付け1:使い終わったはんこの保管は紙箱がオススメ

はんこを使い終わったあとは、水で洗い流して、柔らかい布でそっと水分をふき取ってきれいにしておきましょう。消しゴムはんこを長い間プラスチックのケースなどに放置しておくと、箱にくっついてしまうことがあります。また、はんこ同志がくっついてしまうこともあるので、1つ1つを紙で包んだり、紙の箱に保管するのがおすすめです。

 

まとめ

今回ご紹介した以外にも、色の付いた紙に白のインクを使って花のはんこを押したり、白い便せんに、紺色のような濃い色を使ったりすると、また違った印象になります。形がシンプルな花のはんこなので、アレンジ自在。ぜひ、いろいろなアレンジを楽しんでみてください。

 

 

杉澤由紀子(消しゴム版画作家)

季節のお花など、草花を中心に好きなモチーフを消しゴム版画にしています。その版でレターセットやポチ袋などの紙物類、そしてハンコを作っています。1つの版から色替えなどをして様々な物が出来上がる事が楽しくて、試行錯誤しながら日々消しゴム版画と向き合っています。作品はminne「消しゴム版画作家・杉澤由紀子」で販売しています。ぜひ、ご覧ください!